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吸血鬼の冒険録  作者: ノア
第一章 聖女の葛藤
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オックス商会

「いらっしゃいませー」


 言われたとおりの道を通ると看板にオックス商会と書かれている三階建て建物があったので入りました。

 ちなみに向かい側には周りの建物から浮いている建物がありました。あれがゴロン商会でしょうね。


 入るとなかは清潔感に溢れ商品も見やすく整理されています。

 店の奥にケースに入ったバックがあったので見るとなんとファンタジー定番の見た目より容量が多いアイテムバックが売られていました。しかし白金貨1枚と高額でしたが売るもの売れば簡単に手に入るでしょうからあとで買いましょうか。


「すみませーん」

「はいなんでしょう?」


 呼ぶと直ぐに笑顔の女性店員が来てくれました。

 

「買い取りってどこでできます?」

「申し訳ございません当店では個人の買い取りはしておりません」


 なんと買い取りはしていないのですかまあそうですよね小売店で買い取りまでしたら仕事量やばいですよね。 

 ですがここで諦める訳にはいきません。お金は必要ですしゴロン商会のライバル店に売ればきっとあのハゲデブバカ親父は悔しがるでしょう。


「かなりレアなものなんだけど、これを上の人に見せて判断してくれない?」

「……わかりました少々お待ち下さい。お名前をお聞きしても?」

「フェイスだよ」

「ではお待ち下さい」


 渡したのは世界樹の葉でこれでわからなければどうせここでは売れませんね。

 暫く店内を物色しているとやっと呼ばれました。


「お待たせしましたフェイス様、会長が商談をしたいそうなのでこちらに来ていただいてもよろしいでしょうか?」

「もちろん」


 さっきより焦っている気がしますが全く顔に出さない限りプロですね。

 案内された先はアンティークな調度品や絵画が飾られている部屋で高そうなソファーと机が置かれておりソファーのは年若い青年が座っていました。


「どうも下がっていいですよ」 

「失礼します」


 青年が言うとわたしを連れてきた女性は挨拶とお辞儀をして部屋を出ていきました。

 すると青年が立ち上がりわたしの前までやってきました。


「どうもこんにちはわたしはオックス商会の会長をしておりますオックスと言いますお見知りおきお」

「思ったより若いねオックスって事はこの商会はあなたが一代で気づいたの?」

「いえいえ父がわたしの名前を一緒にしただけで祖父の代から続いております」

「そうなんだ。でわたしを呼んだってことはあれがなんだか分かったんだね」


 わからなければただの葉っぱですからねこんな小娘呼ぶはずないですからね。

 言えまさかわからずにただ怒らせたって考えもありますか。


「ええまさかこんなものをここでお目にかかることができるとは思いもしませんでしたよ」

「いくらで買い取る?」

「人が悪いですねこちらに決めさせるとは下手な額を言えないじゃないですか」


 実際いくらで売れるかなんてわかりませんなので向こう任せましょう。 

 極端に低く見積もるなら相手の表情や汗の匂いやらで大体わかりますし。人間よりも五感が優れてますし取り分け嗅覚が優れているのである程度は体臭で予測できます。


「ちなみにどこで手に入れました」

「それは秘密だよ」

「それは残念ですね」


 口調は残念そうにしてますが顔は全く残念そうではないことからあまり期待はしていなかったようですね。

 それに入手法を伝えてもこの人が手に入れるのは無理でしょうけど。


「では単刀直入言います正金貨1枚でどうでしょう」

「聖金貨かー」


 パン換算で100万個ですか……分かりにくいですねですが少ない額ではないでしょう。宿が食事付きで一人銀貨5枚でしたからグランと1万泊約27年は宿に困らないわけですかこっちのほうがわかりやすいですね。

 嘘をついている訳ではなさそうですしこの額でも良いですか。


「良いよそれで」

「それはそれは良かったです。では用意させますね」

「ねえこれはいくらで買う?」

「っ!?」


 オックスは息を呑みこみました。そうでしょうわたしが机に出したのは世界樹の枝しかもグラン曰く一生遊んで暮らせる額が手に入るレベルの剣を作れる大きさの枝です。

 暫らく固まっていたオックスですがやっと現実に戻ってきたのか口を開きました。


「ほ、本物なのですか?」

「調べてもいいよ」

「では失礼します」


 パンパンッ!


 オックスが手を叩くとドアの前に待機していたのか先ほどの女性が入ってきてその人に鑑定スキルを持っている人を呼びに行かせました。ついでに喉が渇いたので飲み物も頼んでおきました。

 やって来たのは10才くらいの少年で少し驚きました。その少年が鑑定を初めたので持ってきてもらった飲み物を飲んで待ってました。


「本物の世界樹の枝です一部だけでなく全てが世界樹の枝です」

「そうですか……下がっていいですよ」

「失礼します」


 わたしが少年なのに敬語がうまいなーと考えていたら鑑定が終わったようで少年は出ていきました。


「まさかこんな物までお持ちとは過去に見た世界樹の枝でもこの五分の一程度でしたよ」

「さあていくらの値段がつくのかなと言いたいとこだけど切りよくさっきと合わせて聖金貨10枚でどうよ」

「なっ!そんな額で成形して剣にすればその100倍はいきますよ」


 そんなにいくのですかでしたら材料の時点でももっと高いでしょうね。ですがあまり高すぎても一商会では払えないでしょうからこの辺が限度でしょう払えますよね?

 聞いてみたらこの商会には無いようですが商会ギルドという所に預金されているので引き出すそうです。


「一つ質問しますがどうして我が商会にこれを売ろうと考えたのですか?どこかの国の国王ましてやこの街の神殿にすらもっと高額で売れるでしょうそれなのに値段を下げてまでうちで?」

「それはゴロン商会がうざいから、国や神殿よりもライバル店に売ればダメージ与えられるでしょ」


 というよりも神殿に売ると言う考えがありませんでしたよ買ってくれるんですね。


「そういう理由でしたか確かにこの街では我が商会とゴロン商会の二強ですからゴロン商会に痛手を与えるなら我が商会でしょう。それにこの世界樹の葉を神殿に納めれば覚えも良くなり我が商会が一強となるでしょう」

「まあどちらもこの街だけの展開じゃないようだから潰すことはできないだろうけど嫌がらせはできるからね」


 とりあえずあのハゲデブバカ親父が悔しがればわたしは十分ですからね。


「任せるからこの値段でいいよ」

「期待に添えるよう頑張りましょう」


 互いに握手をしてこの取引は終了しました。

 お金の方は先に聖金貨1枚分の硬貨とおまけのアイテムバックをもらい残りは後日受け取りに来ることに決まりました。


 さて次は沐浴でも行きますかね。

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