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エレベーター
そのボロホテルには、エレベーターがひとつしかなかった。階段はあるのだが、建物の外にある非常階段しかないようである。
(待つか・・・。)
俺の部屋は305。
1階から3階までなのだから、距離から考えれば、決してエレベーターを使わなければというわけではない。ただ、その階段が無いのだから待つしかない。
(お、監視カメラだ。)
エレベーター内に監視カメラが付いているらしく、エレベーターを待っている間に、エレベーターが今どこの階にいて、何人が乗っているのかが分かるようだ。
(まだ6階かあ・・・。)
ひとつしかないエレベーター。各階で止まっては、誰かが入ってくる。
(ギチギチなんだけど・・・。)
それも小さなエレベーターである。すし詰めの状態になっている。
(あ、なんか揉めている・・・。)
何が起きたのかは分からないが。ただ、黒服の男が懐から刃物のようなものを出して・・・エレベーター内の人を全員メッタ刺しにし始めた。血の海になっている。
(やばい・・・逃げないと。)
そう思った時、頭上のスピーカーから女性の音声が聞こえた。
「お待たせしました。一階です。」




