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「にゃ~~ごにゃ~~ご!」
「きしゃ~~~~~~っ!」
私の腕の中で毛を逆立てるザクロちゃんに全くお構いなしに甘い鳴き声を発するおーすけ。隙あらばザクロちゃんに触れようと何度もジャンプしてそのたびにザクロちゃんが威嚇するように鳴く。
「え~~~っとこれって」
「求愛行動か?」
「にゃ~~~!」
「うにゃぁぁぁぁぁぁ~~~!??」
リカルド君の言葉に「そのとおり!いいこというね!ぼっちゃん!」といわんばかりにおーすけが鳴き、ザクロちゃんがびしっと尻尾を直立不動にさせた。
「おっ?なんだぁ、おーすけ、うちのザクロに惚れたのかぁ~~?」
秋彦がしゃがんでうりうりと私の足元をグルグル回っていたおーすけの喉を撫でる。
あ、滅茶苦茶邪魔すんなよって目で見られてへこんだ。
「みなはこのトラ模様の猫のことを知っているのか?」
「うん!あのね。裏の家のおばあちゃんちのねこさんだよ~~~」
リカルド君に冬香が説明をする隣でハルトが顎に手をやりつつ頷く。
「結構な年寄りなはずなんだが………まだ現役か………」
ぼそりと微妙に下ねたっぽいことを呟くハルトに胡乱な瞳を向ければ気まずそうに咳払いなんてしちゃった。
「…………」
無言無表情で事態を見守っていた秋信がここで動いた。
にやーにゃーと未練たらたらな様子でザクロちゃんを見上げて鳴くおーすけをひょいと抱き上げる。
そしてぶらんと吊り下げおーすけと視線を合わせた。
「うにゃ~~~」
「…………だめ」
「にゃっ!にゃっ!にゃぁぁぁ~~」
「……………それでも、だめ」
「に、にゃぁぁぁ?」
「…………それがまかりとおると?」
「うにゃぁぁぁ~~~~」
「………だめ」
どうしよう。なんか弟とおーすけが種族を超えて意思疎通ができているように見えるんですけど!
「………アキノブはおーすけとやらと会話が成立しているようにみえるんだが?」
「私にもそうみえる………」
「ノブのお茶目さんっ!って言い切れないキャラしてんだよなぁ、我が弟ながら」
「ギャグでやっていても本気で意思相通ができていてもおかしくはないと思わせるところがノブのノブであるゆえんだな」
「ノブ兄すご~~い!」
冬香がぱちぱちと手を叩いたところでどうやら話しはついたようで秋信がそっとおーすけを地面におろす。
おーすけはちらちらとザクロちゃんを見つつも裏のおばあちゃんの家へと姿を消した。
「え~~~っと?ノブ?いまのはまじ?それともお前流のジョーク?」
一同を代表した秋彦の台詞に秋信は答える。
「ひとめぼれ」
「「「「は?」」」」
「ザクロにひとめぼれ、おーすけ。説得したから、今日は帰った。でも、多分、またくる」
そこで咳き込む。普段長い台詞を喋らないから………って三十秒も喋ってないのに咳き込むってどうよ。
「ほんとうに意思疎通、できてたのか?」
リカルド君の驚きの声に私が驚く。
あ、そうだ。そっちに驚くべきよね、普通。
いかん。ちょっと一般の感覚からずれているかもしれない。
咳き込む秋信の背をさすりながら秋彦が青ざめていく。
「の、ノブが食い物関係以外でこんなに喋るだなんて!奈津姉!明日にはきっと冷蔵庫の中身が空っぽに違いないよ!」
そこは槍がふるとかでしょうが!なんで冷蔵庫の中身がないになるのよ!
「それ、一体誰が空にするんだよ」
「もちろん無駄にエネルギーを消耗したノブが」
てへっ!と可愛らしく舌を出す秋彦からリカルド君静かに距離を取る。
その顔は心底引いた顔だ。
「ひでぇ!なんだよその顔!」
「正直にいったらお前を傷つけるっ!」
「その態度がすでに全てを物語っちゃってるよ!おれ、今まさに傷ついたよ!」
「はいはい。お前ら話しが進まないから少し黙ろうな?」
高橋家の裏番の鶴の一声により話は元に戻されました。




