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ふっくらホットケーキを作るコツは種を落とす時、高い場所から種を落とすべし。
種は高いところから落としても自然に丸い形になるので特に問題はない。
ぷつぷつと大きな泡が見えてきたらフライ返しで今度も高め場所でひっくり返す。
こんがり綺麗な狐色を表したホットケーキにリカルド君が「おお~~~」と感嘆の声を上げる。
ふふふ~~~。
尊敬の眼差しで見詰められるのはなかなか気持ちがいいですなぁ~~~。
少々天狗になりつつも焼きあがったホットケーキを更に移す。
我ながら見本にしてもいいぐらいの出来栄えだ。
焼きたてのホットケーキにメイプルシロップをかけ、バターを一欠けら落とす。
ホットケーキの熱で解けたバターがメイプルシロップに混じり甘い香りが辺りに漂った。
横から注がれる熱い視線を感じながら私は最後にカットフルーツを飾る。
「はい!焼きたてふっくらホットケーキ出来上がり!」
フォークとナイフを両手に持ち、今か今かと待ち構えていたリカルド君の前にお皿を置けば顔一杯にもう待ちきれない子犬のような喜びを浮かべる。
彼に尻尾と耳があれば、ピンとたち、千切れんばかりに振られていることだろう。
「い、いただきます!」
こちらの世界に来てから定着した「いただきます」をしてからリカルド君がホットケーキにナイフを入れる。
途端にふわりと甘い香りが強くなりホットケーキの中から湯気が上がる。
イフに刺したホットケーキをバターとメイプルシロップが混じった美味しいそうなソースに絡めそれに待ちきれないとばかりにかぶりつく。
「~~~~~~~~~~~っうぅぅぅぅ!」
おいしかった?なんて野暮なこと聞かなくてもリカルド君のその顔がなによりの答え。
じたばたしたかと思うと次は飾ってあったバナナをホットケーキと一緒に頬張り、これまたじたばたする。
はうはうと食べて、あっという間にリカルド君はお皿を空にしてしまった。
続いて焼いたホットケーキにはイチゴとチョコのソースを添えて出せばもう感謝感激という様子で食べる食べる食べる。
「うまいうまい!うますぎるぅぅぅぅぅ!」
はぐはぐ夢中で食べながらうまいを連発してくれるリカルド君。
作り手冥利尽きる反応だなぁ~~~。
「ただいまぁ~~~!」
三枚目のホットケーキがリカルド君のお腹に納まった時、玄関から賑やかな声が聞こえた
「フユカだな」
「はらへったぁ~~~おぉぉぉぉぉ~~~~甘い魅惑の香りが~~~ってちょいまちノブ!荷物を置いて、手を洗ってからだ!なんでお前は喰いもんが絡むと無駄に俊敏になるんだよぉ!」
「はなせ、ヒコ………っ!」
「おにいちゃんたちうるさぁ~~い!」
どたんばったん!
「………どうやらフユカだけじゃないみたいだな」
「だね」
賑やかなご帰宅組がやって来る前にと私はあたらしい種をホットプレートに落とした。
「ふにゃぁぁぁぁ~~」
「うぅぅぅぅぅまぁぁぁぁぁぁいぃぃぃぃぃぞぉぉぉぉぉぉ!」
「美味」
居間に現われた冬香たちはそれぞれのオヤツを幸せそうに頬張る。
約一名懐かしすぎるアニメにもなった料理マンガの某キャラの真似をしているけど私以外にはどうやら伝わっていないみたい。
っていうか古過ぎるネタを持ってくるわね秋彦。
「お代わりいる人~~」
「「「「はい!」」」」
四人から手が速やかに上げられる。
リカルド君、きみは五枚目なんだけど………大丈夫なのか?
お玉を持ちかけて、そこでふと思いつく。
「そうだ。次のホットケーキはあんたたちが作りなさい」
「「「「え?」」」」
「だからじゃんけんして順番を決めて、次の順番の人のホットケーキを焼いていくの」
「え~~~~ナツ姉が作った方が美味………」
「おもしろそぉ!わたしやる!」
秋彦があからさまに嫌そうな顔をしたがその台詞を掻き消すように冬香が身を乗り出してきた。
この子はノリノリだ。
「冬香は賛成ね。で、あんた達はどうする?」
キラキラ期待に満ちた冬香に男共はうっと気おされる。
「「「賛成です」」」
男子三人大人しくホウルドアップした。
こげたホットケーキや生焼け生産などの悲劇はあったが自分達で作るというのは意外と楽しいらしく乗り気でなかった男どもも楽しそうにホットケーキを焼いている。
その後帰ってきたハルトも交え、楽しい一時は過ぎていった。




