表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死んだあとから溺愛されています!外堀?ここに堀なんてあったのですか?  作者: まるちーるだ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
10/14

生まれ変わって、思い出して早々のコレである

Act.8


それから、おぎゃーと生まれ変わった私が前世の記憶を持っていたかと言うと、残念ながら普通の子だった。


ただ、両親はちょっと不思議だったらしいが、私は変な知識を多く持っていたらしく、両親は『うちの子天才!!』と親ばか全開だった。そんな私は超がつく健康体で、領地で駆け回って、野遊びが大好きであった。『実体験は最大の知識!』と父がよく言うので、何事もチャレンジするのが両親の教育方針だった。


まあ、兎に角記憶はなかった。


が、14歳、社交界デビューは王宮の舞踏会にすることが決まり、両親から、一人娘である私がこの家を継がねばらないこと。政略結婚ではない相手をまずは探して、もし見つからなかったら父が探すこと。我が家は中立の家風なので、強烈な革新派、もしくは保守派の家は止めて欲しいこと。まあ、好きになったなら多少は妥協するが、なるべく中立に近い家にして欲しいとのことを言われた。


で、注意事項が終わった後に、母が持ち出してきたのは、ちょっとデザインが古いが、綺麗なドレスだった。ダイヤが編み込まれたレースが胸元に使われる、白いドレス。我が国のデビュタントでは家のイメージカラーを使うのが一般的で、我が家、キプロス侯爵家は『白』。そこで私は初めて、社交界デビューできなかった父の妹、つまり叔母の話を聞いた。


そして思い出して、冷や汗が流れて来た。


あまりの顔色の変化に父母は『まさか……。』と思ったらしい。


「デス……オセロ殿下を助ける時に使った本は?」


「『拷問全書 完全版』、です、はい。」


そんな感じで、私が知るわけがないはずの、私の叔母、つまり前世の私、デスデモーナの記憶との照合の上、私が成仏直前に言った言葉が現実になったようだった。父と母が大袈裟なぐらいに頭を抱えていた。若干、顔色が悪く見えるが、気のせいか?


「うーん……どういっても仕方ないし、オセロ殿下だって、気が付かない可能性だってあるし、ちょっと保留。うん、保留。」


「なぜ、そこでオセロ様……じゃなかった殿下が出てくるのです?」


そこで両親の盛大なまでのため息と、二人から注がれる憐みの目。え、ちょっと、めちゃくちゃ不安になってきた。


「安心してくれ、悪い意味ではない……多分、おそらく。」


「おに、お父様?最後まで自信もって言い切っていただけませんか?非常に不安です。」


「大丈夫よ、多分。」


お母様の追い打ちで何故か背中にぞわっとした悪寒が走ったがが、まあそんな会話も忘れてしまうぐらいにデビュタントの準備が忙しかった。前世の私がお姉様の結婚式で着る予定だったドレスは今のデザインにリメイクされて、ちょっと嬉しくて浮かれていたのもある。お母様の父、つまりお爺様やお母様の伯父、つまり大叔父様にご挨拶に行き、皆が『前世の私』が出来なかったデビュタントを涙ながらに喜んでくれた。


愛されていたのねデスデモーナ(前世の私)

と改めて実感した。



まあ、そんなこんなでデビュタント当日。父のエスコートで王家へのご挨拶をして、それで壁の花(隅っこで観察)をしてから同世代の知的そうな令息に話しかけるつもりでいた。


言っておくが話しかけるつもりでも、話しかけてはいない。


いま、壁ドンである。


まず、どうしてこうなったのか整理しよう。


王家の挨拶コーナーは人でごった返すので、家格の高い家から順番で、我が家は侯爵家なので比較的早い段階で挨拶を済ませた。その時にオセロ様が遅れてくるとのことでその場には居なかった。まあ、本人はこの挨拶もどきのお見合いパーティーさせられるのが嫌で逃げていたと後に聞いた。つまりオセロ様が捕まる前の子爵家の挨拶までは居なかった。


で、嫌そうな顔を微塵も見せずに登場したオセロ様は王太子殿下の隣に並び、張り付けた様な笑顔を浮かべていた。時折、王太子殿下や第三王子殿下に話しかけられると、普通の笑顔で話される。っていうか、王家ヤバい。美形すぎる。王太子殿下のつい先日決まった婚約者様の、新聞の一面に掲載された叫びは、全面的に同意したいと思った。


まあ、そんな感じで壁の花(隅っこで観察)しつつ、王族の挨拶コーナーを呆然と眺めていた。と言うよりもオセロ様を見ていた。瞳の色はすみれ色っぽかったのに成長したら深い紫になったな。髪は昔と同じ、深い青。昔、父について行った船旅で見た深海のような色だった。この髪は腰辺りまで長く伸ばしている。


綺麗に育ったな~。いや、予想通りって言うか、予想を遥かに上回る成果で、称賛の言葉しか出てこない。


一本の枝毛もない髪の毛!!多分!!

ついでに腰まで髪を伸ばしているんだよ!?

それなのに何あの絹のような光沢!

神か!髪だけに!!


脳内で絶賛の嵐を繰り広げていた私とオセロ様の目が合った。ぱっちりと、しっかりと、もう凝視レベルで。その瞬間、嬉しそうな笑顔を浮かべた。


んんん??


その場のすべてと言っても過言ではないほどの視線を受けるほどの美貌の笑みでこちらに来る。


……こちらに来る、来ているよね?これ、めっちゃ見られているよね。というか、みんなも自然と道空けているよね?こっちまで一直線の道が出来ているのだけど?


え、なんで?


「見つけましたよ、デスデモーナ。」


え、なんで?


そして冒頭のやり取りになるわけだ。


だから、なんで?



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ