大正おぼろ譚
体調を崩した私に、病人の手遊びには文筆が良い、と古馴染みがすすめた。とくに書くべきものなど持たぬ平凡の身であるが、彼への手紙としてならば、と思い、私は筆をとった。 * ゆるめのやわらか怪異譚。ふわっと世界観で短編連作、全九話。
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