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冒険者ゴートの一生  作者: ケバブ
四章
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リンの街と冒険者6

「こんにちは、冒険者組合で依頼を受けて来たのですがどなたかいらっしゃいませんか?」


戸が閉まっている倉庫の前で一人挨拶。


俺は宿屋鉄板でボリューム満点の昼食をとったあと依頼先である南門近くの倉庫にやって来ていた。


因みに午前中は昨日のエッジさんとの手合せがかなりキツかったこともあり、ゆっくり身体を休めていた。


今も身体の所々が少しだけ痛い。



少し待つと倉庫の勝手口のような小さい扉から一人の男性が出てきて話し始めた。


「あなたが臨時で依頼を受けてくれた冒険者ですね。今日は倉庫内での積み込み作業をしていただきます。詳しい話は中でしますので、今日はよろしくお願いします」


「あ、ぼ、冒険者のゴートです。よろしくお願いします。」


丁寧かつ非常に事務的な挨拶をされ少し呆気にとられてしまう。今までの依頼ではあまり無かった対応だ。勿論失礼な態度では全く無いのだが、淡々という言葉が似合う雰囲気であまり得意ではないかな。



その後も依頼は問題なく進み、夕方には積み込み作業全てが終わり完了証明を貰う。


結果だけ見れば一切問題ない。

だがセカの街と比べ何処かよそよそしいと言うか、作業感が有るというか…

もしかしたらセカの街が異様にフレンドリーなだけかもしれないが。



冒険者組合に戻り完了証明を見せ報酬を貰いながら改めて依頼を確認する。


手頃な依頼が無いわけでは無いが割りの良い依頼は大抵指命依頼になっている。

この街の特徴なのかセカの街に比べて使命依頼の割合がかなり多い。


「この街での依頼はもういいかな」


誰に言うわけでもないがなんとなく一人呟く。


セカの街の感覚に慣れてしまったからか、少し味気なく感じてしまっていけない。

今後旅をするにあたって慣れていかなければいけないんだろうな。


少しだけ空いてきたお腹をさすりながら少しだけ重い足取りで宿にもどった俺であった。



「あらゴート、おかえり!すぐ夕飯にするかい?」


「ただいまです!大盛りでお願いします!」


宿に戻るとマージさんが元気のいい声で迎えてくれる。たったこれだけのことで元気がわいてくるのだから、俺は単純な人間なのかもしれないな。


「あいよ!大盛り一丁!」


厨房のボイドさんに伝えて仕事に戻るマージさん。ボイドさんの返事が聞こえなかったが、そこは夫婦コンビネーションは抜群だ。


空いている席に座り、周りの匂いに刺激されどんどん主張が激しくなっていく空腹感に耐えながらじっと料理を待つ。


「大盛りお待ち!」


「ありがとうございます!」


今日の夕飯は麺とたっぷりの肉と野菜をを甘辛く炒めたもの。


「頂きます!」


うん、とても美味しい。

もちもちの麺とたっぷりの野菜が凄く合う。

今日も大満足の夕食であった。


部屋に戻り諸々済ませ、今後について少し考える。

路銀はまだ余裕があるし、気が乗ってないのに無理に依頼をしなくてもいいのかもしれない。


「いっそ残り数日は槍の鍛練に費やすか…」


この街の訓練場には手合わせを望む人もいるみたいだし。

自分のなかでエッジさんとの手合わせがいい刺激になったのもしれない。


そうと決まれば明日に備え早く寝なければ。

軽く柔軟をした後早々にベッドにはいった。

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