表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
冒険者ゴートの一生  作者: ケバブ
三章
30/73

セカの街の冒険者達1

「なんか最近じめじめしてるな」


湿気で少し跳ねている髪の毛を手で直しながら起きる。

髪が短いからあんまり目立たないが、伸ばしたら酷いことになりそうだ。



黒鉄で武器を購入してから二週間、俺は依頼をこなしてある程度お金を貯めては防具の替えや生活用品を追加で購入していた。下級依頼を受けるようになってからは森へ入ることも多く防具が汚れることも多くなり、手入れが間に合わなくなったという理由が大きい。見習いの頃は防具無しでも大丈夫な依頼も多かったのだが、街の外の仕事が多い下級依頼は流石に防具無しは不用心すぎる。


「ゴート君は毎日真面目ねえ。気を付けて行ってくるのよー」


「ありがとうございます。行ってきますクリスさん」


駆け出し荘の大家さんであるクリスさんに挨拶して今日も依頼を受けに行く。

因みにクリスさんだが、この前クリスさんの名前を知らなかったことに気が付いて改めて聞いたのだ。勿論謝りながら聞いた。本名はクリスティーナらしいがクリスの方が気に入っているらしい。普通に考えればすぐ聞きそうなものだけど、俺もどこかで焦っていたのかもしれないな。


今日は何のバーガーかな。しっかり食べて頑張らないと。




冒険者組合でいつものように依頼を確認していると、少し違和感を感じた。

依頼をもう一度確認すると、下級にも関わらずなぜか農作物の収穫の依頼や草刈りの依頼が多い。普段であれば見習い冒険者の依頼に多い依頼内容なんだけど。


「ガイさん、随分と農作業の依頼が多くないですか?」


今日は受け付けにガイさんが居たので聞いてみる。


「ん?ああ、ゴートは今年この街に来たばかりだから知らないか。この街は今の時期になると北にある山の影響で雨が多くなるんだ。雨季って程でも無いがな。だからこそその前に収穫なり草刈りなりキリの良いところまで済ませたいっていう農園が多いのさ」


「なるほど。そういう理由なら各農園は急ぎますよね」


俺の育ったデミの村ではこの季節に雨が特別増えるということはなかったかな。

夏にかけて多少増えるけど収穫を急ぐものでも無かったし。


「例年通りなら来週から二週位は週の半分が雨なんてこともあり得るな。そうなると依頼の全体数は減るんだが一つ一つの依頼は割高になることも多いから上手くやれば稼げるぞ。まあ雨の中の依頼になって体調崩したり、装備への負荷が大きくなって出費が嵩んだりすることも有るから気を付けろよ」


ガイさんの忠告を受けてから改めて依頼を見ていくと、確かに何時もより報酬が高い依頼が多い。


「お、リーフさんとおやっさんも依頼だしてる」


どちらも初依頼を切っ掛けに何度か依頼を受けるようになった。おやっさんの方は大きい農園ということもあって人気依頼なのでたまにしか受けることが出来ないが、リーフさんの依頼は報酬が少しだけ低めなこともあって大抵残っている。よくご飯がつくからお得な気がするのだが、場所も少し遠いし街の近くの農園ならお昼に街に戻って好きなものを食べる事が出来るからかな。


・春カブと春芋の収穫と草刈り。 十時から一七時 日給一万エル ※昼食有


リーフさんの依頼を取りガイさんの元へ。


「ガイさん、この依頼でお願いします」


「了解しましたよっと。リーフからの依頼か。最近ここからの依頼を良く受けてんだな」


「最初の依頼の時凄く良い人だったので。何か不味かったりしますかね?」


「いや、特に問題ないぞ。依頼者の出してる依頼を毎日のように同じ冒険者が受けているなんて状況なら別だがな。昔この手法で階級を上げていた奴が居てな。それからは一定日数以上連続して同じ依頼者から依頼を受けるときは別の契約を結ぶよう変わったんだ。あ、各組合からの依頼は別だぞ。ほれ、受付完了だ。頑張れよ」


ガイさんに見送られ組合を出る。

どんよりとした雲のもと、リーフさんの農園に向かう。

新章開始します。

よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ