15. 作戦会議
――新月。
夜空に輝く星とは逆に、月の光を失った地上は闇が支配する。
一寸先は闇。そんなことわざがあるが、まさに目の前に闇が広がっている。そんな夜だった。
そんな日に、真琴は雄太の通っている高校へと訪れていた。
学生が帰り、静まり返った校舎。闇夜に紛れる様にひっそりと建つそれは、言い様の無い不気味さがあった。
暗い校舎を歩く……のは怖い為、目的となる場所へ直接窓から入った真琴は、そこにいた者達を見て安堵の表情を浮かべた。
「遅くなりました」
「いいのよ! 真琴ちゃんは昼間頑張ってくれたんだから」
暗い校舎の中、唯一明かりの付けられた部屋――職員室の一画。その喫茶スペースを陣取っているのは、前に真琴の葬式に来ていた面々だ。室内には、体育教師と思われる体格の良い教師もいるが、こちらに気付く様子も無い。
今回、集まった理由はただ一つ。柏木雄太を虐めていた者に、報復をしようというのだ。
真琴の言葉に答えた片桐が、「ね?」と周りを見回すと、隣の藤井が頷いていた。他にも、この前は見なかった顔が数名いるが、片桐が声を掛けた精鋭達なのだろう。
「そっれにしても! アイツがそんなくだらねぇ事してるとは思わなかった。今回は我が弟ながらほとほと呆れたわ」
「弟?」
「この子は主犯格の子のお姉さんで、眞弓ちゃん。今回の事を知って、自ら手を挙げてくれたのよ」
片桐の説明に、真琴はその少女を見た。姉というだけあって、未だ大学生程の年に見える。金色に染められた髪に、じゃらじゃらと付けられたピアス。俗に言うヤンキーの様に見えるが、話を聞く限り筋の通った娘のようだ。今も、弟の愚行に拳を震わせている。
「ターゲットは四人。本当は見てただけの子達も許せないけど、これが最低ラインね」
「四人? 虐めてた子は三人だったんじゃ?」
「担任もよ。大人の癖に、知ってて見過ごしたのだから同罪よ!」
生きていた頃は、PTAをした事もあったという片桐が熱く語る。怒りにより大量に放出された霊気に、同じ部屋にいた教師は寒気を感じた様で身を震わせた。
良い意味でも悪い意味でも、猪突猛進型の片桐。彼女により、担当が割り振られる事となった。
夜の学校って怖いですよね。




