表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
moment  作者: しん
38/38

第三十八幕

ナナ―side


ーー屯所

土方さんに連れられて屯所にやってきた


「とりあえず、先に風呂入ってこい」

「あ、はい」

案内されたお風呂で体を洗い、湯船に浸かる


「ふぅ。さて、これからどうするか」

早めに戻らないと龍馬さん達が心配するだろうけど、土方さんがすんなり帰してくれるかどうか…


お風呂から上がると土方さんが待ってくれていた

「お風呂ありがとうございました」

「ああ、気にするな」


バタバタバタバタ…!!!

ガタン!

「ナナさん!」

障子が開いたと思ったら、いきなり抱きしめられる


「沖田さん?」

「大丈夫ですか?変な奴に襲われたって聞きました」

「大丈夫ですよ、ご心配おかけしました」

「今日は僕が付きっきりで守ってあげますからね!」

「え、、?」


「馬鹿野郎」

と沖田さんの頭にチョップする土方さん

「その方が危ねぇっての」

「僕は土方さんとは違います!ちゃんとナナさんをお守りします」

「誰と違うってぇ?」

「うわぁ!助けてナナさん」

沖田さんがわたしの背中に回って助けを乞う

「まあまあ、土方さん」

「ったく」

土方さんは立ち上がると、沖田さんの耳を摘み上げる

「痛い、痛い!!」

「ほらっ、てめぇは夜の見回りだろ!さっさと行ってこい!」

「わかりましたから!離してください!」

ようやく耳が解放された沖田さんは、引っ張られた耳を両手でさすっている

「全く、野蛮だなぁ土方さんは!」

「何だとぉ?」

「あ〜怖い怖い!見回り行ってきまーす」

と言って沖田さんは逃げるように行ってしまった


「わたしもそろそろ...」

帰ります、と言いかけたところで遮られる

「今日はもう遅い。泊っていけ」

「で、でも帰らないと、お世話になっている人に心配をかけてしまいます」

「使いを出すから大丈夫だ」

使いを出すと言っても、寺田屋を教えるのは良くないよね、、

「それなら、薩摩藩邸に使いを出してもらえますか?」

「薩摩藩邸だと!?お前、そんなところに伝手があるのか?」

「え、いや~、知り合いの知り合いというか・・」

「...わかった。使いを出しておく」

「ありがとうございます」

土方さんは使いを出すために他の隊士のところへ行った

大久保さんなら騒ぎにしないで丸く収めてくれそうだと思い薩摩藩邸に使いを出したけど...

「大丈夫かな~」



ーー薩摩藩邸近く


以蔵―side


「ハァ、ハァハァ...」

くそっ...!!油断した!!

新選組の奴らも一般人には何もしない筈だが、、

「ナナ…」


「君は武市くんのところの…」


背後から急に声を掛けられる

「大久保さん」

「血相を変えてどうしたのだ」

大久保さんに事情を話す


大久保ーside


「新選組か、今は事を荒立てたく無いが、、」

ナナが心配だ

「一先ず岡田くんは寺田屋に戻って坂本くん達に伝えてくれ」

「新選組にはわたしから話そう」

「かたじけない」

と言って岡田くんは寺田屋に向かった


「さて…」

新選組の屯所へと向かう


土方ーside


「副長!薩摩の大久保公がお見えです」

「わかった」

当主自ら乗り込んで来るとは…

隊士からの報告を受け広間へと向かう


ガラガラガラ


「お待たせした」

広間に入ると高そうな着物を着た人物が座っていた

「いや、こちらこそ急に押しかけて申し訳ない」

「そちらの隊に知り合いが世話になったようで」

「ええ、こちらで預かっています」

「そうですか、それではわたしが引き取ります」

「それは助かります。ちょうど先程、薩摩藩邸に使いを出していたんですよ」

「そうでしたか」

「今、呼んできます」

立ち上がりナナを呼びに向かう


台所でせっせと夕餉の支度をしているナナを見つける

「……」

俺の視線に気付いてこちらを向く

「…!土方さん!お腹空きました?もうすぐ夕餉が出来ますよ」

と嬉しそうに笑う

「ああ」

「あ、そうだ!お味噌汁作ったんですけど味見してくれますか?」

と言っておたまによそった味噌汁を口元に持ってくる

ズルズル

「ん、上手い」

「本当ですか!?よかったぁ」

普通の職に就いて家庭を持っていたらこんな感じだったのだろうか…

ふと、違った未来を想像する

…いや、俺は近藤さんに付いていくと決めた

迷いはない

「ナナ」

「はい?」

「迎えが来ている」

「えっ、そうなんですか!?」

「広間に待たせてある」

「わかりました。あの、色々とお世話になりました」

ペコッと頭を下げてお礼を言ってくる

「構わねぇよ、市民を守るのが俺たちの役目だ」

「総司さんにもよろしくお伝えください」

「ああ、気を付けてな」


ナナーside


広間の扉を開けると大久保さんが座っていた

「大久保さん!」

わたしの声を聞くなり立ち上がって肩を掴まれる

「大事ないか」

「何かされたりは…」

「大丈夫ですよ!皆さん良くしてくださいました」

わたしの返答に安心したのか大久保さんは大きな溜息をひとつついた

「ご心配をおかけしました」

「全くだ、今頃寺田屋の面々も顔面蒼白だろうな」

「そうだ!早く帰らなきゃ」

「寺田屋まで送っていこう」

「ありがとうございます」


龍馬ーside


以蔵から話を聞くや否や玄関へ走り出す


「待て、龍馬!新選組に行ったらどうなるか分かってるのか」

「ああ、わかっちょる!それでもわしは行く」

きっとタダではおかんじゃろうな

「わしに何かあったら後のことは頼む」

「…わかった」

武市が了承したのを確認して急いで玄関を開けると…


「きゃっ」

「ナナさん!?」

目の前には今から助けに行こうとしていた張本人が立っていた

「龍馬さん、あの」

ガバッ

「ほんに無事で良かった」

ここにいることを確認するように強く抱き締める

「ご心配おかけしてすみません」


「んんっ…!!」


ナナさんの後ろから喉を鳴らす声が聞こえた

「感動の再会はもう済んだか?」

「大久保さん」

「あ、大久保さんが新選組の屯所まで迎えに来てくださったんです」

「ほうでしたか!これはまっこと感謝するぜよ」

「全く、これは貸しだからな」

そう言って大久保さんは帰って行った

「疲れたじゃろう?ゆっくり部屋で休んできたらええ」

「はい、ありがとうございます」


ナナーside


龍馬さんの後ろで安心した顔をしている以蔵に話しかける

「無事逃げられて良かった」

「ああ、お前のおかげだ」

「だが、これからはもっと気を付ける」


自分の部屋に入り床に倒れ込む

つ、疲れたぁ〜

そのまま眠りにつく

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ