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職業リア充の異世界無双。  作者: すみを。
第二章 アマルーナ編
12/66

強敵との戦闘。

今回は初のちゃんとした戦闘パートとなります。

戦闘シーンを書いたことがないのでおかしいとこもあると思いますが、心暖かく読んで頂けると嬉しいです|ω・)


感想はいつでもお待ちしております!m(__)m

「とりあえず現状を整理しよう」


俺が川口に言う。


「敵は、前方にいる熊鰻ブラックベアー、こいつは木をなぎ払っていたことから考えるにCランク並の強さだと思う。そして後ろから追ってきているであろう竜。あいつはSランクらしいから戦っても勝ち目は無い。

つまり、俺らの勝利条件は、竜がここに来るまでに熊鰻ブラックベアーを倒すことだ」


川口が頷きつつ、俺に不安そうに聞いてくる。


「でも、大丈夫?ランクが1上がったらものすごく強くなるんでしょ?」

「大丈夫かどうかじゃなくて、やるしかないんだ」


このまま何もしないと2人とも死んでしまう。

だからやるしかないと言外に告げ、川口を見つめる。


「そうだね、分かった。私は近くの木に隠れてるね!」


そう言って、決意の籠った目で頷いてから、川口は後ろの木に隠れに行った。


さて、ここからが本番だな。


まずは熊鰻ブラックベアーのランクを確認したい。


「ライム!カリン!攻撃を受けないように全力で避けに徹して時間稼ぎしてくれ!」


内容を理解したのかは分からないが、なんとなく頷いたように見えたので、それを信じて俺は急いで離れながら本を手に取る。


〈Cランク〉

熊鰻ブラックベアー・・・能力:特になし

進化後:〈Aランク〉熊萬ベアーノス


やっぱCランクか…。

能力は特にないってことは、純粋に力攻撃に気をつけてればいいのかな。


そういえば今の俺のステータスはどんな感じだろうか。


『ステータス』


______________

|体力値: C

|攻撃値: C-

|防御値: D+

|敏捷値: C+

|魔力値: E

|平均値: C-

|〜〜〜〜〜〜 〜〜〜~~~~~

|眷属にした魔物

|・スライム 〈 Eランク 〉“ライム”

|・ウルフ〈E+ランク〉“カリン”

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


多分、走り回っていたのが効いたんだろうな。

体力値と敏捷値がかなり上がっている。


が、熊鰻ブラックベアーよりはやはりステータスが低い。

でも、敏捷値だけは熊鰻ブラックベアーより高いので、上手く動けば倒すことは可能だろう。


「ライム!カリン!一旦退け!」


一旦2匹を戻らせる。


「あいつの攻撃には絶対に当たるな。

見ていた感じ、素早さだけはこちらに分がある。

それを利用して上手く戦うぞ」


そして俺は熊鰻ブラックベアーの前に立った。


「ライムは右、カリンは左から攻めろ。

俺は正面から行く」


ぶっちゃけ、俺は武術と名のつくことを一切したことがない。

だから当然、戦い方なんてものは知らない。


でも、今はがむしゃらに戦うべきだろう。


守るべき人がいるのだから。



俺は地面を蹴って熊鰻ブラックベアーの懐へと入る。

C+にも達している敏捷値のおかげで、熊鰻ブラックベアーは反応しきれていない。

俺はそのままスピードを活かして熊鰻ブラックベアーのお腹に掌底をぶち込んだ。

が、熊鰻ブラックベアーは体を少し仰け反らせた程度で、あまり効いてはいないようだ。


これは想像以上に手強いかもしれない。


殴り方とかを知らないとはいえ、攻撃値C-の攻撃であまりダメージを与えられていないのだ。


倒し方を頭に巡らせている間に、熊鰻ブラックベアーが反撃に出る。

右手で俺になぎ払いを打って来るが、俺はそれを跳んで躱し、その攻撃で出来た隙に顔面に蹴りをおみまいしてやった。

これによって、熊鰻ブラックベアーは体勢を整える為に数歩下がる。

この瞬間、ライムとカリンが左右から熊鰻ブラックベアーの顔面に飛びつき視界を塞いだ。

俺は心の中で眷属に「よくやった!」と叫びながら、熊鰻ブラックベアーの男でいう大事なところに本気の蹴りをぶち当ててやった。


熊に有効かは分からないが、雄叫びをあげている様子から見るに、かなり効いたのは確からしい。


しかし、熊鰻ブラックベアーは相当に怒ったようで、まるで往復ビンタのように左右からなぎ払いのラッシュを打ってくる。

流石にこれを跳んで回避することは不可能だと思ったので、俺は背後に下がりつつ、ギリギリで回避していった。


俺は怒りに体を任せている熊鰻ブラックベアーの攻撃を避けながら、眷属に命令を出す。


「今だ!ライム!カリン!左足を抑えろ!」


ライムとカリンはその命令を聞いた瞬間に、熊鰻ブラックベアーの左足に体当たりをかました。


すると、熊鰻ブラックベアーの体がぐらつく。


俺はこの戦いの最中に、熊鰻ブラックベアーの弱点が足にあると踏んでいたのだ。


あの力任せの攻撃をする度に体の重心が移動する。

右手でなぎ払いをした瞬間、右足に重心が集まり、体の体勢が不安定になる。

その時を狙って左足に体当たりをすることで、熊鰻ブラックベアーの体勢を崩すことが出来ないかと考えたのだ。


結果は大成功。

眷属による体当たりをもろに食らった熊鰻ブラックベアーは片足が離れ、重心は完全に右に移動している。

俺はその隙に一瞬で熊鰻ブラックベアーの眼前に飛び出し、体を倒すように、左の頬に右手でエルボをぶちかましてやった。


すると、体重を支えきれなくなった熊鰻ブラックベアーが遂に地面に倒れる。

俺はその腹に、テレビで見たことのあるかかと落としを叩き落としてやった。


「はぁ、はぁ」


まだ油断は出来ない。

今の攻撃で倒せているかもしれないが、もしかしたらこちらの隙を狙っているのかもしれないのだ。


数十秒の沈黙のあと、熊鰻ブラックベアーは光に包まれて消えていった。

どうやら倒せたようだ。

ちなみに、当たり前の話だが、他の魔物使いの眷属を倒しても自分の眷属には出来ないようだった。


俺が初の激戦とも言える戦闘を終え、一息ついていたところに、川口が急いだ様子で走ってくる。


「おう、川口、なんとか倒したぞ………ってどうした?」


最初は俺を労う為に来たのだと思っていたが、川口の怯えた様子を見るに違うようだ。


「どうした?川口」

「し、芝崎君、早く逃げなきゃ」


俺がその意図を図りかねていると


『やっと見つけたぞ』


悪魔の声が聞こえた。


「クソッ、間に合わなかったか……」


俺は流石に絶望で顔を歪める。


そう、遂に(Sランクの化け物)の登場である。





感想による訂正。


11/9)章程→掌底へと変更しました。

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