表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
それいけ! ビビりマン!!  作者: チャーハン大好き
第二章 地竜の村

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/16

第一六話 ゴーストハザード ヴィレッジ

  ティラの村に到着した一行は早速村に入ろうとする。


 一行の様子に気付いた二人の門番達が身構え始めた。ティラが慌てて言う。

「待ってくれ! この人達はオラが頼んで来てもらった組織の人達だ!」

 門番の一人が言う。

「ティラ! どこをほっつき歩いてるのかと思えば……あんたら……わざわざ来てもらって悪いが帰ってくれ。俺たちの問題は俺たちで対処する、よそ者は関わらないでくれ」

 思わぬ反応に驚かされつつラビが言う。

「待って下さいまし! 本当に霊の仕業なら素人が迂闊に対処出来る相手ではありませんわ! 怪我人も出てると聞いています、これ以上行けば命を落とす方も出かねません! ワタクシ達にお任せを!」

 今だに警戒態勢を解こうとしない門番達、念のため身構えておけとライガーから小声で言われたラビチーム各自がいつでも動けるように備え始める。そんな中で門番の気迫にビビりながもリュースケは周囲を警戒する。


 ラビやティラと言い合いになる門番達、騒ぎを聞きつけた村人達が集まり始めた。門番含む村の老若男女全てがブーメランパンツかビキニを着ており刺激的な絵面となっている。

 そして騒ぎの内容を聞いた村人達の大半はラビ達に任せよう提案するが、門番達や彼らと同世代くらいの一部の男性達は険しい表情をしてそれを拒否する。

 にらみ合いが続く門番達とラビ、一触即発な空気が高まる。その空気に動悸が止まらないリュースケ。

 更に集まってくる村人達の中でティラに似た顔立ちの地竜族の少年が走ってくる。そしてティラを見つけるや否や叫んだ。

「ティラ! どこに言ってたんだ! 心配したんだぞ?! それにこの人達はどうしたんだ?! まさか外の人達に助けを求めたのか?!」

「”ティーレ”からも門番のおっちゃん達を説得してくれ!」

「父さん達が言ってるだろ?! 外に助けは求めないって! それにその人達が解決できるか分からないだろ! 村を荒らすだけかもしれないぞ!」

 ティーレと呼ばれた少年の言葉に賛同する一部の男達、門番の気迫に押されず一歩も譲らないラビ。

 そんなラビの様子に痺れを切らした様子の門番達は突然屈みだしたかと思えば光り始めた。光はすぐに収まったがその先の様子にリュースケは驚かされる。


 先程の人型よりも遙かにに大きくなった体、巨大な頭に鋭く太い牙が生えそろった顎門、太く巨大な後ろ足、そこにはリュースケの世界で言うところのティラノサウルスが二体もいた。リュースケの知っているものと異なり、人型の時からあった角が同じく頭部から生えている事とブーメランパンツを履いていた。


 これが車内で言っていた竜型の姿か、と膝を震わせながら驚くリュースケは少しちびりながら身構え、他のメンバーも武器に手をかけて警戒態勢を取る。

 リュースケ達の様子に殺気を増す門番達、迫力に押され結局盛大に漏らしつつも踏ん張るリュースケ。 

 門番の大きな口が開く。

「最後の警告だ! さっさと帰れ!」

「やめてくれ!」

 ティラはそう叫ぶと身をかがめて竜の姿に変身した。

 ビキニを着たティラノサウルスがブーメランパンツを履いている二体のティラノサウルスと向かい合い、いつ戦いが始まってもおかしく無い状況となる。

 ラビにどうするか尋ねようとするリュースケ。そこに騒ぎを聞きつけた村長らしき男性がやって来た。男性が村人達に訳を聞くとラビ達に向かい合って言った。

「どうも皆さん、ティラの叔父で此処の村長です。わざわざティラが連れ出しておいて申し訳無いが門番達の言う通りお帰り頂きたい『でも叔父さん!』ティラ! あれほど外には関わるなと言っておいたのにお前というヤツは!」

 ラビが叫ぶ。

「ティラさんから事情は聞いていますわ! ワタクシ達なら何か出来ることがあるかもしれませんわ! ですから事件の調査だけでも!」

「ならんと言ったでしょう! お分かりいただけないようなら力尽くがよろしいかな?!」

 村長が竜の姿に変身し、それに続いて村の一部の男達も竜の姿になる。

 戦闘態勢になった竜達はラビ達を睨み付ける。いよいよ危なくなってきたところに一人の女性が村人達の中から進み出て村長に言った。

「いいじゃないかアンタ! この人達に任せたって!『叔母さん!』おかえりティラ。竜族の誇りも分かるけどね、それで何も解決できちゃいないしもっと悪化してるじゃ無いか! 誇りだなんだ言ってる場合じゃないだろう! だったら専門家に任せて解決してもらった方が良いだろ?! 違うかい?!」

「しかしだな……『俺もそうした方が良いと思う……』『俺も』『ワシも』『アタシも』な……」

「ほら見たかい? 村の大半が賛成してるんだ。反対してるのはアンタといつもつるんでる男達だけだよ! なんでアンタらは外を警戒してるのかねぇ……ティーレにも変な事吹き込むんじゃ無いよ!」

 村長夫人と周囲に押される村長と男達、形勢が不利と判断したのか渋々と言った。

「分かった……調査を許可する……くれぐれも村を荒らすなよ! 見張りにティーレを付けるからな! ティーレ、頼んだぞ『はい、父さん』ふん!」

 村長達は人型に戻ると仲間達を引き連れ居なくなった。ティーレはラビ達を監視するように傍に来る。

 緊張が解かれ思わずへたり込むリュースケ、他のメンバー達も警戒を解いて近づいてきた村人達に挨拶していた。そして村の中に招き入れられる。

「ほら、リュースケ。行くよ?」

 グレイが手を差し伸べる。その手を掴みどうにか立ち上がるリュースケは言う。

「すみません……また漏らしました……」

「竜族の迫力はすごいよね……リョウコ、お願い『ん、分かった』」

 リョウコにズボンを乾かして貰いながら移動を始めたラビチームの面々、村の中央にある広場に案内される。

 リュースケはざっと村内を見渡して、木造建築の家が連なる普通の田舎の村という印象を持つ。しかし村民全員の格好とのミスマッチ感が凄まじくなんとも言えない気持ちになった。

 

 村人達に向かい合うと改めてラビ達は礼を言う。

 話を聞くと、村長達だけが反対していただけで他の村人達もなぜ村長含む一部の男達が外部を警戒しているのか分からないと話す。歓迎ムードな村人達に囲まれながらラビ達は早速調査を開始した。

 村人達の大半がこの場に居るとのことでまずはその場で話を聞き始める。

「それでは皆様、早速調査を始めようと思います。ご本人から何があったか教えていただけます?」

「それならアタシから言うよ」

 村長夫人が口を開く。

「最初はほんのささいなもんだったよ。そこに確かに置いてあった物が気がついたら違う所に置いてあってねぇ……子供達の悪戯かと思ってほっといてたんだけどね、それがずっと続くんだよ……頭にきたアタシら母親連中は子供達に注意したんだ、けど誰も知らないって言うんだよ。嘘をついているように見えないしおかしいなと思ってたらそれが酷くなってね……目の前に置いた物が目を離した一瞬でだよ? ほんの一瞬で無くなってしかもそれが誰かの頭にぶつけられたんだよ。それがどこの家でも起こり始めてねぇ……」

「なるほど……他には何がありましたか?」

 もうだめだ、とリュースケは身体を震わせる。

 そして一人の男性が口を開いた。

「俺も似たようなもんだったな。閉じたと思った扉が勝手に開いてたんだ。閉め忘れかと思ってたんだが……確実に閉めたとハッキリ覚えておいた扉が勝手に開いてたんだ……誰かの悪戯かと思って怒鳴ったら……いきなり一斉に家中の扉が勢いよく勝手に開いたんだ! 俺以外に誰も居ない時にだぞ? しかも聞いたら他の家でも似たような事が起こってるみたいで……」

 半べそをかくリュースケ、ラビが彼の背中を優しくさすりながら村人達の話を聞く。

 男性に続くように年配女性が言う。

「小さい孫が大事にしてる人形が勝手に動き出したんだよ……最初は孫の前でしか動いてなかったから子供の言うことだと思って真剣に取り合わなかったんだ。だけどある日孫の悲鳴が聞こえたんだよ。慌てて駆けつけたら人形に首を絞められてる孫がそこにいて……すぐに人形を引っぺがして火炎魔法で人形を焼却したんだ……ほら、アンタも言いなよ」

 ガチ泣きするリュースケ、ラビは背中をさすり続けながら気にしなくて良いと村人に説明する。

 そして女性に促された村人が続ける。

「最初はなにかに襲われる夢を毎晩見続けてたんだ……毎回毎回違う状況で襲われてな……そんな中である朝、家が渡り鳥の死骸で囲まれてたんだ。壁を見ると激突したような跡が幾つもあって……それからはそれが毎朝必ず起こるようになった……気味が悪いよ……」

 フリーズするリュースケ、別の村人が言う。

「私の場合は最近でしたね……野菜の収穫に少しだけ家を空けている間に家中が荒らされていたんです……すぐに外に助けを求めようと家を出た途端に……見えない何かにいきなり両足を掴まれて家の中に引きずり込まれそうになったんです……その時は近くに居た人達に助けて貰ったんですが……」

 次々と村人達から被害を聞くラビ達、リュースケは真っ白に燃え尽きていた。

 あらかた聞き終わるとラビが言った。

「そうでしたの……皆様大変でしたわね……事態の解決に全力を尽くしますわ。他に何か分かっていることってありますかしら?」

 村長夫人が答える。

「そうだねぇ……うっすらとだけど軍服の袖みたいなのが見えたね『俺もだ……』『アタシも』『私もです……』皆そうなのかい?」

 村長夫人と同じものを見たと被害に遭った村人達全員が答えた。

 『軍服』から療養所を連想したラビ達、何か知っていることは無いか尋ねる。

「療養所かい? 当時は戦争中だったし村の男達がかなり荒れてたのもあって気にする余裕はなかったね。そこの連中は何かしてくるわけでもないし感じも良いし見た目も普通だったよ? 時代が時代だし病院の一つや二つ建つもんだと思うよ? ただティラの父ちゃん、”レック”って言うんだけどレックが爆発事故に巻き込まれたのはびっくりだったよ。事故も結局なんであったのか分からず仕舞いだし……こら! ティラ! アンタまだ自分を責めてるのかい?! アンタは何一つ悪いところなんて無いんだからね!」

 落ち込むティラを元気づける村長夫人、村人達もティラを励ます。

 ようやくリュースケも再起動が完了する。

 そしてラビが村人達に言った。

「皆様、ワタクシ達はこれから療養所の跡地に向かおうと思いますわ。何か分かるかもしれません。どなたか案内していただけます?」

「ならオラとティーレが案内するよ『なっ、勝手に……』いいだろ? 見張りの仕事ついでにさ『分かった……』じゃあ行こうか」

 ティラとティーレの案内の元、療養所に向かい出すラビチーム。それぞれが霊の正体を考察している中、リュースケは必死に霊が現れないように心の中で祈り続けていた。


 その様子を見えない所から険しい顔で見つめる村長達の姿があった。

恐竜肉って美味いんですかね?


次回は三日後同時刻に投稿予定です。

最後までお読みいただきありがとうございました。

今後の執筆の励みになりますので是非とも”☆”や評価をよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ