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薄明を告げる鐘の音  作者: 桐谷瑞香
番外編 日常の穏やかなひと時
49/60

記録を残す (300字SS)

「今日も色々とあったな……!」


 俺は書くのをやめて、大きく伸びをした。凝り固まっていた筋肉が解されていく。

 さらに腕を回したり、肩を軽くもんだりしてから、再びペンを手に持った。

 文字を見ると軽く頭痛がしてくるが、何とか我慢して、書きだす。


 未来のために、記憶ではなく、記録として残すために、俺は今日知り得た情報を手帳に書いていく。

 この記録はきっと橋渡しの後輩が、妹に届けてくれるはずだ。

 それを期待して、ひたすら書き進めた。


「直接言えれば、こんなの必要ないが……。まだ伝えられる時期ではないんだよな」



 明日も同じように書き綴れるだろうか。

 それとも書くことは叶わないのか。

 

 未来は決して、現在からではわからない。


2020年5月、第64回Twitter 300ss参加作品。お題『書く』。

本編よりも前、ギルベール視点のお話。

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