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待ちに待ったゴールデンウィークです5

「あぁ~、お酒欲しいですねぇ・・・」

文が手で徳利を持つ仕草をしながら呟く。

「おい、生徒である以上お酒は禁止だぞ?しかも、俺の家には酒なんてないしな。まぁ、これで我慢しろよ」

俺は文のコップにコーラを入れる。

「これも悪くないんですけどやっぱりお酒には劣るんですよ~」

と言いつつ、飲み干しておかわりとばかりにコップを差し出す文に俺はコーラを入れた。

「文句言うんじゃねぇよ。そんな奴にはオコゲをプレゼントだ」

真が文の皿に肉や野菜の焦げたものを入れた。

「あっ!?何も本当に入れることないでしょう!?」

「なんだよ?それとも焼き鳥の方が良かったか?」

「・・・真、アンタを焼いてやろうか?」

文は鴉天狗であり、鳥料理などの話は嫌いだ。

文の前では鳥料理を食べたりその話をするのは禁句である。

「じょ、冗談だって・・・」

真はただ事じゃない文の様子に謝罪した。

「・・・あれ?リアは?」

俺はふとリアたちが居ないのに気付いた。

「友達の姿もないね」

詩音の言う通り、チルノや大妖精の姿も見えなかった。

「家の中に居るのかな・・・」

俺は家の中に入った。

リビングには居らず、リアの部屋にも居なかった。

「どこ行ったんだ・・・」

俺は一階に降りる。

そこで、浴室の方からシャワーの音が聞こえているのに気付いた。

「リア、そこに居るのか?」

俺は浴室の戸をノックすると、中からリアの返事がかえってきた。

「うん!チルノちゃんがちょっと熱いのにやられちゃったから今冷やしてるの!」

チルノのためにそうめんなどを用意していたが、バーベキューの煙などで温かくなっていたテラスにチルノは参ってしまったらしい。

チルノは氷の妖精で、身体からは冷気を放出しているだけあり、暑さは大の苦手だった。

「そうか。それはすまなかったな」

やはりもう少し考えるべきだったかと思った俺。

「うんん!大丈夫!お兄ちゃんたちは楽しんで!あっ、でも良かったら私たちのお肉も残しておいて」

「わかった。リアたちの分は別にとっておくから後で食べな」

「うん!」

俺は浴室から離れると、テラスへと出た。

「リアちゃん居た?」

「あぁ、チルノが暑さにやられたらしい。真、リアたちのお肉焼いておいてくれないか?」

「オッケー!」

しばらく俺たちでバーベキューを楽しんでいると、浴室からリアが出て来たので、リビングのエアコンを付けても良いと伝え、リアは大妖精と復活したチルノと一緒にリビングで肉や野菜を食べていた。



燐に貰った肉も全て食べ終えた俺たちはバーベキューセットや椅子などの片付けを始めた。

「岳、これは倉庫で良いのか?」

「あぁ、頼む」

「皿とかはゴミ袋で良いよな?」

「そうだな、紙皿や割り箸は用意してあるゴミ袋で。それ以外の皿は流しに頼む」

「わかったわ」

霊夢が皿を持ってテラスからリビングへと入る。

「寒っ!ちょっと、エアコン効きすぎよ!すぐに切りなさい!」

リビングの方から霊夢の声が聞こえた。

片付けを終えた俺たちが入ると、リビング内が16度と確かに寒かった。

バーベキューの片付けが終わり、俺たちは解散となった。

久しぶりにバーベキューをしたが楽しかった。

また、こうして皆とやりたいものだ。

「それじゃあな!みんな!」

真が帰ろうとしている皆に言う。

「真は帰らないのか?」

「俺は岳ん家に泊まるから!」

「あれ冗談じゃなかったんだな?」

「当たり前だ!」

「それじゃあ私たちは帰るわね。ごちそうさま」

「じゃあな!岳、真」

霊夢と魔理沙が帰っていく。

「俺たちも帰るな。それじゃまた部活で」

「またな」

「おう!」

雛もこちらに会釈をすると、流と一緒に帰っていった。

「じゃあね、岳、真君、リアちゃん」

「あ、詩音。帰り1人なら送っていくぞ?」

時間もだいぶ遅く、1人で帰るには危険かもかもしれない。そう思い俺は詩音に言うが彼女は首を横に振った。

「大丈夫。文が一緒に帰ってくれるって言うから」

「そうか。文、頼むな?」

「はい、任せてください!それじゃあまた学園で!」

詩音と文は手を振りながら帰っていった。

「ばいば~い!ねぇ、お兄ちゃん」

隣にいたリアが俺を見る。

「どうした?」

「村岡さんが泊まるならチルノちゃんと大ちゃんも泊めていい?明日遊園地に遊びに行くんだけど、チルノちゃんと大ちゃんも一緒に行くからちょうどいいと思うの」

「あぁ、良いよ。ただ、明日に備えてちゃんと寝るんだぞ?」

「うん!」

「少し前に風呂入れておいたから多分入れると思う。大ちゃんと一緒に入ってきな。チルノはどうする?熱いのは無理だろ?」

「あたいは熱いのはダメだ!」

「チルノは入らないらしいから入っておいで」

「うん!わかった!行こ、大ちゃん!チルノちゃんは先に部屋に居て良いからね」

「はい!」

「わかった!」

浴室へ向かうリアと大妖精。

その様子を見ていた真が声を掛けてきた。

「岳、聞かなくて良かったのか?」

「何が?」

「詩音に明日の予定聞かなくて良かったのかよ?」

おそらく地霊殿を出る時、燐から貰ったものについて言っているのだろう。

『あ、岳さん!これ、もし良かったら誰かと行ってきなよ!』

そう言って燐は映画のチケットを差し出してきたのだ。

映画は詳しくは知らないが動物が登場するものらしい。

明日まで半額で限定の割引チケットなので使っておきたいのだが・・・

「あぁ、でも俺詳しく知らないんだよな・・・。お燐はオススメって言ってたけど」

「せっかくの休日なんだ、詩音を誘えば良いじゃないかよ」

「う~ん・・・真、一緒に行かないか?」

「なんで俺なんだよ・・・。ならリアちゃんとどうだ?」

「リアは遊園地って言ってたからな・・・。それにお前、明日俺と遊ぶから泊まるんじゃないのか?」

「いや、明日は予定がある!」

「じゃあ何で泊まったんだ!?」

俺は思わず真にツッコミを入れた。



リアたちは部屋へ、真が風呂に入っている間、俺はリビングでスマホを見ていた。

「・・・」

俺はスマホを見たままジッとしていたが、思い切って詩音に連絡を入れた。

「・・・」

スマホにはコール音が鳴るばかり。

出ないかと思い、通話を切ろうとした時、詩音が出てきた。

『もしもし?どうしたの?』

「え~と・・・、無事に帰れたか?」

『ふふっ、ちゃんと帰れたよ?』

電話越しで詩音が笑った声が聞こえた。

「そうか、なら良かった」

『それだけ?』

「・・・」

俺はとりあえず映画の話は伏せて詩音に予定を尋ねることにした。

「・・・なぁ、詩音、明日・・・暇か?」

『明日?ちょっと待ってね・・・』

詩音は様々な習い事をしている。

おそらく明日の予定を確認しているのだろう。

「・・・」

もし無理だったら燐には悪いが、チケットを使わずに明日を過ごそうと思っていると、詩音が通話に戻ってきた。

『もしもし、ごめん、待った?』

「いや、大丈夫だよ。・・・どうだった?」

『うん、明日は大丈夫!』

「本当か!?それなら、あの・・・映画のチケットをもらってさ・・・一緒に行かないか・・・?」

俺は詩音を映画に誘ってみることにした。

『え!?』

これには詩音も驚いたような声をあげた。

「あ、無理ならそれでも構わないんだ」

俺はそう伝える。

『・・・2人で行くの?リアちゃんは?真君泊まっているんじゃなかったの?』

「リアは明日遊園地に遊びに行くらしいんだ。真は泊まってるけど明日予定があるらしい。だから、俺と2人きりになる」

『・・・』

流石に断られるよな・・・と思っていると、詩音の返事がかえってきた。

『いいよ』

「え!?本当か!?」

『うん、何時くらいに向かえば良い?』

「え~と、ちょっと待って」

『うん』

俺は階段を上がるとリアの部屋をノックする。

「は~い、お兄ちゃん?」

戸の向こうからリアの声が聞こえるとゆっくり戸が開いた。

「あぁ、明日遊園地は現地集合か?」

「うん!だからね、10時までに遊園地に着かないといけないから家を9時半くらいに出るつもり!」

「わかった。なら俺も遊園地までは付いて行くよ」

「本当に?ありがとうお兄ちゃん!」

「あぁ、おやすみ」

「うん!おやすみ!」

俺は1階に下りると、詩音に時間を伝えて通話を切った。

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