第三十六話 「マッチ売りの少女と三メートル級」
第三十六話 「マッチ売りの少女と三メートル級」
誰!? この子、
辺りは月明かりに薄っすらと照らされてるとは言え、小雪が降る暗い村外れ、こんな時間に何をしているんだ?
さっき、悲鳴をあげたオレはちょっぴり恥ずかしかった、・・そのおかげか、ちょっぴり温かくなった、へへへ。
そんな事より、
その女の子はとても大きな目をしたまつ毛の長い女の子だった、・・頬のあたりに炭がついているのか?汚れているのか?
そして使い古された頭巾を被り顎のとこでとめていた。
よく見ると上着は、とてもこの寒空で着るものではない手編みのセーターを着ている、ボタンが一つないのだろうか?四つあるだろうボタンは三つしかかけられていなかった。
そしてスカートをはき、白っぽいエプロンをつけている、少しでも寒さを凌ぐためにつけているとしか思えないエプロンは何箇所も綻び、縫い直されていた。
そして・・
ありえない! こんなのありえないっ!
その女の子は、北本やみけつ様くらいの歳格好で、
雪の中を素足でいたのだ。
「マッチ・・買ってくれませんか・・?」
「え!? マッチ!?」左手に小さなカワイイ細工籠を持ち、その中には、今となっては珍しいマッチ箱がいくつも入っていた。
なんとっ!!
リアルマッチ売りの少女ぉ!? えっ!? どゆ事ぉ!? マジなの!?
「か・・買うの!? オレ!?」
少女は恐縮そうに小さくうなずいた。
「か、買うよ! ・・いくらでも。」と言ってあげた。
さっきまで怯える表情だったその女の子の顔が、途端に可愛いらしい綺麗な笑顔となった。
そしてその可愛い笑顔から、
・・涙が一つ、こぼれ落ちた! なんとした事だっ!
オレの胸は締め付けられた、こんなにも胸の奥が痛いと思った事は生まれて初めてだ!
それと同時に怒りもこみ上げていた!
こんな小さな子に誰がマッチを売りに歩かせるんだッ! しかも裸足でっ! ドッキリ番組なんかじゃないだろなっ! こんなド田舎でっ! 否っ! 雪の中で素足と言う自分を犠牲にするこの行為っ、慈善家たちの抗議が殺到するはずっ!なら、
マジ!
・・マッチ売りの少女、ホンモノ? リアルっ? スッゲェ〜っ! チョ〜ラッキーっ! ああ違う違う、何考えてんの!?オレ、
「・・マッチ、・・全部買うよ。」と、カッコつけて言ってあげた。
「・・ありがとぅ・・」少女のか細い声の後には、満面の笑みを浮かべてくれていた。
「・・・ひとつ、・・・千円です・・。」
「千円ね。・・・・え!?」
・・・・、
何だってぇ?
千円て言った!? 何が千円!? マッチ!? マッチなの!?
「・・・えっと、・・えっとぉ、いくら・・?」
「え・・と・・せ、千円ですぅ・・・」少女の顔から笑顔が消えた!
・・・ボッタクリだろうか!? ・・・いやいや、こんな小さな子がボッタクリなんてするはずがない! ・・きっとこれは誰かにその値段で売って来いと、無茶なことをやらせてる奴がいるに違いない! それにこの雪の降る中、・・素足でなんてっ!
なんか腹が立ってきたっ!!
「あ、あの・・」オレの財布には千円札一枚と小銭がちょっとばかしあるばかり、
「・・いま、千円しか持ってないんだ・・ハハ・・」全部買うなんて言うじゃなかったよ! 細工籠の中には、ざっと二万円以上は入っていそうだ! 危なかった・・。
ああっ! 違うっ! そうじゃないだろっ!
オレは少女に千円札一枚を手渡した。
少女はこれでもかってくらいの笑顔で喜んでくれた! まさに天使のような笑顔だ!
オレはこの子をこのまま放っておくわけにいかなかった。
冷たい雪の降りしきる中、素足で歩かせるなんて痛々しい、着ていたダウンジャケットをこの少女に着せてあげ、おぶってこの子の家に連れて帰る事にした。
「きみの家はどっち?」と、ここが何処かも分からないオレだったが、とりあえず聞いてみた。
「・・あっち、」とか細い声で指を指した。
「あっちの方角ね、分かった。」
少女の名前は、「なおい・・」と答えた。
「なおいちゃんかぁ、」
「・・・帰りたくない、」と言う少女は、父親にマッチを売ってくるよう強制させられていた。
何だか涙が出そうなほど腹が立った、今時 こんな子供に同情を買わせて商売をする親がいるとは!
ああっ、腹が立つっ!
オレはこの子の親のツラをおがんでやろうと思った! そして一言、言ってやるっ、あんたは人間として恥ずかしくないのかってな!
真冬の玉村は痛いほどの冷たい風と雪が舞う、こんな場所こんなカッコで、しかも裸足だぞ、真っ赤に腫れ上がった足はいつ凍傷になってもおかしくないっ!
・・・腹立たしいっ!!
「帰りたくない・・、帰りたくない・・」と小さな声で喋っているのが聞こえてくる。
よっぽど怖い思いをしてるんだろう、許さないぞっ! どんな言い訳をしたところで、この少女にしていることに比べたら許されるはずなんてないッ!!
「・・大丈夫だよ、お兄ちゃんがついてるから・・、」
「だけどぉ・・、あの人、とっても怖いから・・」
「心配しなくたって大丈夫、・・オレだって怒ったら怖いんだよ。」
・・だけど、仮にもこの子の親だし、目の前で親を叱りつけるなんて事したら・・・、この子自身が傷つくかもしれない。
なんにせよ、このまま綺麗事だけでは済まされないっ!
雪の降る中だが月明かりがずっと足元を照らしてくれたおかげで、バス通りを歩いて行く事ができた。
この女の子の家は、村の南側、少し下った場所にあった。
バス通りから東に入った民家の全くない、山裾に建てられた古い平屋の家は、明かりはなく、戸口の硝子は割れ、中に冷たい風が入り込んでいると思われた。
「・・・ここに住んでるの?」
「うん。」と、少女は答えた。
暖房器具とかあんのかよ、この家!
オレは玄関の引き戸を開けてみることにした。
ガタ・・ガッタ・・
立て付けの悪い扉はアパートの風呂場の窓みたいに開けにくかった。
なんとか少し開ける事が出来た、中には靴もサンダルも何も無かった。
「あ、あの・・ おります・・」
「え!? だけど・・、地面は冷たいから、」
「・・大丈夫ですぅ・・」
オレは屈んでゆっくりと下ろしてあげた。
少女はマッチ箱の入った細工籠をオレから受け取ると、そのままオレの背に隠れるように縮こまった。
怯えている、震えている?
よっぽど父親が怖いんだろう。
「・・大丈夫だよ、怖がらなくても。」
気休めだけどこのくらいしか言えない。
たのもーっ! 的に、「こんばんはあー、どなたかいらっしゃいませんかあ?」と居るはずのこの子のお父さんに呼びかける。
・・返事がない、・・人がいる気配も感じない。
オレは後ろに隠れるこの少女、名前は確か、「・・ナオイちゃん、お父さん居るんだよね?」と聞いてみた。
小さくうなずくナオイちゃん。
「すいませ〜ん! お邪魔しまあーす!」と言って玄関に入ることにした。
「ああっ!! だめ・・怒られる・・」
怯えるナオイちゃんの肩に手を掛け玄関中の床に腰をかけさせた。
ナオイちゃんの冷たくなってる小さな足を手に取ると・・
オレの手も冷たいはずだが、ナオイちゃんの足先はそれ以上に冷たかった。
その小さな足は赤く腫れて、痛々しかった。
少しでも温まるようにとその足先を両手で擦っていたとき・・
ガタ・・ ガタ・・ ギギギ・・ミシミシ・・と、古い床のきしむ音が聞こえた、その音を聞いたナオイちゃんはさすっていたオレの両手をそのまま踏んづけ、立ち上がった!
「イデデデっ!!」
「あ!」
ナオイちゃんは、「逃げなきゃ! こっちにくるっ!」と言って踏んづけたオレの手を握って、外に逃げようとした。
お父さんか? オレは立ち上がりお父さんと思われる父親を待ち構えることにした。
「逃げなきゃ!逃げなきゃ!」と言うナオイちゃんの言葉はオレに届いていなかった、右から左だ!
床のきしむ音は次第に大きくなり、建物その物が揺れ始め、まるで地震を思わせるようだった。
その音は近づき、異常な程の音と地響き、その揺れは恐ろしかった。
「・・こ、この音何!? ナオイちゃん、」
・・そこにナオイちゃんはいなかった。
オレを置いて逃げてしまったと思われる。
広く取られた廊下は建物の奥まで続き、真っ暗な中に壁のように大きく見える人影なのか、が近づいてきた。
ギギギギギギ・・ミシミシバキ・・ゴゴゴゴゴゴ・・
暗闇そのものがこちらへ押し迫る!
これはっ!!
お父さんなんかじゃないっ!! 人じゃないっ!!
・・獣っ!? まさかっ! 熊っ!?
もし熊だったら・・
助からない!!
冬眠はしないのっ!? お腹空いてるっ!?
「ダ・レ・ヤ・・・?」
「え!?」その声は今まで聞いた中のどんな声よりも低く図太かった!
暗闇の中でも慣れたのか、その姿が目に入った。
それはっ!! ・・大男!!
・・巨大過ぎた!
デカすぎる顔っ!! 上島どころではないっ!! これは人の枠をはるかに超えた大きさのものだっ!! 畳ほどデカいっ!! まさにそれはっ、衝撃的なあれだっ!!
・・そう、真夜中、
・・深夜アニメで見た、"進撃の人"っ!!手も足もっ!! 巨大過ぎるっ!!
・・三メートル級だっ!!
「アアアッッ!!」 食われるぅっ!!!
巨大な手がオレを捕まえたっ!! その手のひらはオレの頭を鷲掴み、覗き込むようにこちらを見つめてきたっ!
「お前は誰じゃ? こんな雪降る晩に何用じゃ、ああ!?」
!?! 喋ったっ!!? 喋るのかっ!?
関西弁っ!? 関西弁なのかっ!? 進撃の人っ!!
「ぼ・・ぽ・・ぼ・・」
「ぼっ!? ぼ? なんじゃい? はっきり喋らんかいっ!」
「ぼっ ぼくはぁっ・・」おシッコ チビリそーっ! その前兆が分かるにまでなっているっ!
「じょ、じょおしましげっしげっとっもーしまあすっ!」
「じょーしましげしげぇ!? それ、われの名前か?」
なんか前にも同じ自己紹介をした記憶がっ!
「まあ、ええわ、何用じゃ? 何しに来たんじゃ? 日が暮れてから来るたあ、ええ度胸しとんなあ、死ぬより怖い目ぇー見ても運がかったんやあ思えやぁ、おお!?」
「なな何ですかっ!?あなたはっ! ぼっぼくはっ、ナオイちゃんの事でお父さんに一言、・・,あの、その、お伝えしたい事がありまして、ですねー、えと、お父様は御在宅でございましょうか!」
「お父様ってなんや? ワシのことか?」
えっ!? この人がお父さんっ!? 嘘だっ! そんなはずないっ! 全然似てないじゃないかっ! あの子は美少女だったそっ! 進撃の人のはずがないっ!
「おまえー、今ぁ、ナオイとワシが似てへん思たんちゃうん? ワシの顔見て、あんなカワイイ子が生まれるわけないやん、思たんちゃうん?」
オレは大きく顔を横に振り、否定した!
「ほんまかあ〜? 嘘ついとったらこのままお前のドタマぁ、つまみ潰すでぇ〜? ええんかぁ〜?」
えええっッ!!? ホントの事言ってもつまみ潰すんでしょ〜ッ!!?
「まあええわ、それより何や? ナオイの事でワシにものも〜すんやろ? ゆーてみぃ? きーたる。」
え!? 今!?
・・・言い方によっては殺されるっ!
「はよ、言わんかい」
「あ、はいっ、あ、あのですね、」そうだ、雪の中を素足で・・
「あの・・、ナオイちゃんは、まだ小さいんですよ! それをっ・・雪の中で・・」
「なんや、雪の中でどないしたんや、ああ?」
この人、やっぱり普通の人に見えないっ! この人の姿が今、ハッキリと見える!
赤いフンドシ一枚だっ!!
この真冬にっ!! フンドシ一枚だっ!! 何してたんだっ!?
天井は吹き抜けだが、さらにこの大男、大きかった! しゃがんでいる、野ウンコをする時のあのポーズっ!!
右腕、手のひらは異常に大きく、指の太さは畑の大根っ! 一本に匹敵するっ! 例えが悪いかっ!? 分かりゃいいだろっ!!
そのダイコン指の人差し指と親指でオレの頭をつまんでいると思われるっ!
これを人間だと思えるだろうかっ!?
顔が恐ろしいっ!! テレビで見た外人悪役プロレスラーの顔だっ!
この目っ! 野獣の目では収まりきれないほどの恐ろしい目っ!!
例えるなら原始の生物たちが何も考えず捕食の限りを尽くす、生と死、それ以外何も存在しない時代を生き抜く、最強の生物っ!!
腹が空いたら目の前で動く、自分より小さなものをパクリとひと飲みで 食べるっ!!
魚のようなっ! カエルのようなっ! そんな目っ!!
「ワレっ!! 聞いとんのかいっ! 返事せんかいっ!」
「イデデデデデデ〜ッ!!! 聞いてます聞いてますっ!!」つまみ潰されかけたっ! 頭の形が歪んだかもしれない強烈な痛みっ!! 怖いよぉーッッ!!
「はよゆわんかいっ! ワシは気ー短いんや、思わず指先に力入ってもーたわ、」
「あ、あのですねっ、ナオイちゃんが雪の降る中、裸足だったんで、・・さ、寒かろーなぁーなんて思いましてっ、それで・・なんで裸足なのかなぁ〜と、思った次第で、はいっ。」
「ワレは何ゆーとんねん、靴持っとらんから裸足なんやろっ! おおっ!? ほたーどないせーっちゅうんやっ!? ワシに靴買え、ゆ〜とんのんかあ〜っ!?」
「えっ!? あっ、はっはいっ! 買ってあげたらきっと喜ぶと思いますぅ〜っ!」
「おんどれッ!! 今、何ゆ〜たあ〜ッッ? 靴、買ったれじゃああ〜ッッ!? このワシに指図するんかいッッ!!ああッッ? もっぺんゆ〜てみ〜ッッ!! ゆーた瞬間、おまえの脳〜天、プチっ、ゆ〜音たててペッチャンコやあ〜ッ!! 安心せー、怖ない!痛ない! 一瞬やあっ! あはははは〜っ!」
「ナナナナナオイちゃんはっ・・そのあのっマッチっ、なんでマッチを売ってるんですかっ!? ・・村外れの、暗くなってっ」
「・・・おまえ、マッチ、買ったったんか? 全部 買ったったんか?」
「えっ!? いえ・・そのぉ・・、手持ちがなくて・・ひ、ひとつしかぁ・・」
「はああっっ!? ひとつだけぇぇ〜っ!? お前っ わざわざ偉そうな事言いに来たわりにはシケとんな〜っ、ナオイが寒空の下、裸足でマッチ売っとんねん、あれ見て、いっこだけかぁ? かいしょない奴っちゃなぁ〜っ! そ〜かぁ、いっこだけかぁ、ほな、ワレのドタマツマミ潰したろかのぉ〜っ」
「アアアッッ!!!待って待って待ってぇーッッ!!!全部買いますっ!!!全部買いまアッすッ!!!」
「なんやぁ、全部ぅ買うんかい? ほな、明日のこんくらいの時間までぇ待ったるわ、ホやけどなぁ、もし、ちょっとでも遅れてみぃ、ワレんとこまで出向いて行って、そのドタマペチャンコにしたるからなぁ〜へへへへ〜、オモロイなあ〜、ワレじょーしましげしげゆーたなぁ、憶えたでぇ、明日がたのしみやあ〜ハハハハハ〜」
その大男はオレを解放して真っ暗な廊下の奥、来た場所へと戻って行った。
ズーン・・ズーン・・ズーン・・ゴゴゴゴゴゴ・・あの三メートル級のお父さんは、板の間とは思えない地響きを立てながら。
助かった! オレは生還した! だが・・
・・これも目の錯覚だろうか? 三メートル級が通れるような廊下とは思えないが、・・,やはりあれも、人面牛がオレの部屋に現れた時みたいに、空間を無視した存在なのだろうか?
それはつまり・・・
えっ!? 妖怪なのかっ!!? そ~なのかぁッ!!? 三メートル級の妖怪ッ!? あの姿で妖怪ッ!? 冗談じゃないぞッ!!! 恐ろし過ぎるッッ!!! いっやあああああーッッ!!! 怖いよッ!!怖いよッ!!恐ろしいよっ!!
あんなの反則だよッ!! 人面牛の比じゃないよッ!!
どーするッ!?どーすればいいんだッ!? ど〜しよ〜もね〜よぉ〜ッあんなのぉ〜ッ!
ハッ!
・・たしか、現金用意しなきゃ大阪湾に沈める的な事を言っていたっ!!
アアアッッ!!!生きた心地がしないッ!!生きた心地がしないッ!!
・・あ、明日までに用意しろとか言っていた、え!? お幾らっ!?
ナオイちゃんの細工籠には二十個前後のマッチ箱が入っていた、つまり二万円は用意しなければ殺されると言う事かっ!?
そんな金ね〜よ〜っ! あっ! そうだっ、母ちゃんが毎回ゆうパックに、やっちゃいけないだろう一万円を入れて送ってくれたお金が、・・三万円ある!
アハハハっー!! 助かるぞっ! ありがとう母ちゃんっ! いつも困った時に助けてくれるっ!
あっ! だけどだ・・
一度、お金を渡すと二度三度と要求してくるかもしれない、それは嫌だっ! 絶対に嫌だッ!
嫌だ嫌だぁ〜っそんなの嫌だぁ〜っ!
いやいやいや待て待て待て、そうだ、・・あれは夢かもしれない、妖怪? ノンノンノン! そうだよ、夢だよ、だってあんな人間、三メートル級だぞっ! 普通はいない、・・・ああああっ!!この村ならふつーに居るかもしれなあ〜いっ! 村を甘く見るなっオレッ!!
それに期日までに現ナマを用意しなければ取り立てに行くとか言っていた!
あんなのが取り立てに来るなんて恐ろしすぎるよぉ〜ッ!!あああっ!!怖いッ!怖いッ!お母ちゃ・・
そうだ!
みけつ様がいるじゃないか!
頼りになんね〜よぉ〜っ! 死神の時だって、"祓えんかったえ、ごめんえ。"とかなんとか無邪気に言って、それっきりだし〜っ!
猫娘の奴っ! 村で一番偉い神様だって言うが、どのへんが? どのよーに偉いって言うんだ?
猫娘ははじめから頼りんなんねーし、・・コタツに足入れたら爪立てて引っ掻いてくるし! だいたい、あのコタツはオレが持って来てやったんだぞっ!
そんな事より・・
もーあれしかない、
死ぬくらいなら、いっその事、
夜逃げしよう!
・・・寒いよ〜、上着何処やったっけ?
第三十六話 「マッチ売りの少女と三メートル級」




