勇者様。武具屋による
ところで勇者様は…
『それにしても、変な魔王だな』
『ほんとだよぉ。ボク達を生きて帰すなんてぇ』
『まだ私達には果たさねばならない使命があるから…(まだまだと追い返されたのかな)』
『…』
勇者達はそんな会話をしながら、街の武具屋に向かっていた。勇者達が帰った街には国で一番品揃えのよい武具屋や、なんでも手にいれられる会員制の裏商店街などがある。そのため、数多くの冒険者がこの街を訪れるのだ。勇者はそこで仲間と出会ったり、情報を得たりする。
『さて、装備を強くしてレベルを上げるか』
勇者はそういうと、防具をみはじめた。魔法使いは勇者にべったりとくっついて、カップルがお土産を選んでるような状態をつくりだす。それを見て、溜息をつくと意外と常識人の旅芸人が店の店主にオススメを聞き始めた。僧侶は杖をじぃと眺める。
このパーティはそこそこ金がある。勇者が魔王退治には金が必要だろ!と言い、バイトなど勇者とは思えない事をしてきたからだ。この勇者。魔法使いや敵にはドS(?)なくせに、他の人にはなんとも優しい好青年な印象を持たせている。恐るべし勇者。
『あれ、欲しい』
しばらく杖を眺めていた僧侶が勇者の服の裾を引っ張り、杖の並んでいる棚をさす。勇者はどれだ?とパタパタと杖にむかっていく僧侶についていった。それを嫉妬の目で見ていた魔法使いも勇者についていく。
『これ』
僧侶がさした杖を勇者が手に取ると、じっくりと眺めた。装飾は緑や黄色、白などのきらびやかな宝石がついてる。そして少し重たい。杖ぜんたいは半透明の黄緑で、向こうの景色が黄緑に見える。勇者は綺麗だな。と呟くと店主にその杖を、買うからと預けた。
『いいのか?後で裏商店街いくが』
『これがいい。防具はそっちで買う…』
僧侶は両手を胸の前で握ると、勇者をじっと見る。勇者はわかったと言い、僧侶の肩をとんと叩くと旅芸人のところに行った。そしてしばらく話すと勇者は店主にお金を払い、杖を受け取る。勇者が僧侶に杖を渡す。
『じゃ、裏商店街のほう行くか』
そう言って勇者は背中に魔法使いをつけたまま店を後にした。
なんか、字がいつもより密集してます。