第147話 デートの約束
夜、勉強も魔術の訓練も終わり、ゆったりとした時間が流れる俺たちの自室。
渚沙の寝息と俺たちの吐息が静かに聞こえる。
「今日はどうだった?」
「おかげさまで羽を伸ばすことができました。ありがとうございます」
自室に備えられているソファに腰をかけ、互いに体を預け合う。
魔術で管理された空調で部屋は快適だが、それとはまた違う心地よさの体温を交換し合う。
「……制服デート、してみるか?」
「……! 何でそれを」
「今日二子山さんから連絡があったんだ」
『結婚しているとはいえ恋人らしいことは必要!! まずは手始めに制服デートとかどう??』
可愛らしいスタンプと共に送られてきた文面をセレスに見せる。
「……憧れがないかと言われれば嘘になります。けど、今は家族を優先したのです」
「……そっか」
そうしてまた会話がなくなる。
別に気まずいなんてことは思わない。
こうした空気の共有もまた、悪くない。
「俺はしてみたいけどな」
「何をですか?」
「制服デート」
そういうとセレスはほのかに耳を上気させる。
「……そうですか」
「まあ、渚沙がいるからそんなに長い時間は取れないかもしれないけどさ、今度やろうよ。制服デート」
「しかし……」
「母さんたちも協力してくれるみたいだし、今度やろうよ」
「お義母様たちが?」
「『セレスと制服デートしたいんだけど』ってお願いしたら良いって。「二人は父親母親であると同時に夫婦だから、たまにはデート行かないと!」だってさ」
「今日女子会に行かせてもらったばかりなのに……」
セレスはバツの悪そうな顔をする。
そんなセレスを撫でながら俺は言った。
「今度俺も男子会行かせてもらうからそれでおあいこ。で、どうする? 行く?」
「……行きます」
俺たちはデートの予定を練っていく。
10年前の俺だと考え付かなかっただろうな。
好きな女の子とデートプランを考えるだなんて。
心の底から楽しいという感情が湧き立つ。
そんなひと時を大好きなセレスと過ごす。
今日も平和だ。
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