第129話 初めてのミルク
腰の心配をしながらなんとか買ったものたちを家に運ぶ。
「お疲れのところ申し訳ないのですが……魔術で運べばよかったのでは?」
「あ」
「で、でもお母様!外から運び入れたので魔術はちょっとダメなのでは?」
そんな会話をしていると、先ほどもまですやすやと寝ていた渚沙が泣き声を上げる。
「どうした?」
「匂いはしないのでおしめではないかと、ごはんですかね」
「たしかに、朝から何もあげてなかったもんな、まってろ今すぐ用意するからな」
買ってきた哺乳瓶たちを早速取り出して、煮沸消毒。
粉ミルクに書かれている通り、70度のお湯で粉ミルクを溶かす。
溶かした粉ミルクを適温になるまで哺乳瓶を冷ます。ほのかに温かいと感じる程度が適温らしい。
「できたぞ」
「ありがとうございます。お待たせしました、ミルクですよ~」
渚沙が大きく口を開けた時に哺乳瓶を入れてあげる。ミルクが出やすい角度にして、飲みやすいといわれる位置まで哺乳瓶を持っていく。
「わぁ!飲んでる、飲んでる!」
「かわいいです……!」
赤子を間近でみるのが初めてであろう唯とアリシアは興味深そうにその様子を観察している。
「お腹すいていたんですね、いっぱい飲んでくれます」
「この粉ミルクとは相性が良いみたいだな」
「最近の粉ミルクは便利なのね~こんなに作りやすいなんて」
母さんが俺たちが買ってきた粉ミルクを見てそんな感想を述べる。
「微調整が出来ないのでそこは欠点ですが、まだなれていない私達にはぴったりと思いまして」
「確かにそうね、それにしても渚沙くん、かわいいわ~」
6人の注目を一身に受けつつも我関せずと一心不乱にミルクを飲み続ける渚沙。
みるみると哺乳瓶の中のミルクが減っていく。
飲ませ終わると、忘れてはならないげっぷ。
「上手にできますか~?」
「……けふっ」
「初めてのげっぷ、とても上手でしたよ~」
口元を拭ってやると心地よいのか朗らかに笑みを浮かべる渚沙。
と思ったら、うとうとと眠りに落ちていく。
「よし、哺乳瓶を片付けたら、ベッドの組み立てだな」
「お手伝いできなくてすみません……」
「気にしなくていい。セレスこそ疲れてないか?ずっと抱っこしっぱなしだろ?」
「大丈夫です。とても楽しいので!」
アリシアの時は乳母を雇っていたので、殆ど乳母が担っていたことだ。それが体験できてうれしいのだろう。
「アリシア、唯。手伝ってくれ」
「俺も手伝うぞ?」
「父さんはさっき腰を痛めかけてたから駄目。母さんと一緒に服を洗濯しててくれ」
「わかったわ~」
「お父様、屋敷のリビングに置くベッドは私が組み立てますね」
「じゃあ俺は自室のを」
「私はこの折り畳み式のやつを組み立てるね!」
各々作業に取り掛かる。今朝からバタバタしっぱなしの様な気がするが気にしない。
一方、先ほどから騒がしくしているが、渚沙はすやすやと寝息を立てている。
「お父様たちがベッドを組み立ててくださるみたいですよ?一緒に楽しみにまっていましょうね~」
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