第14話 お母様とお父様に連れられて異世界に
窓からの朝日で目が醒める。異世界に来ても変わらない私の部屋。
ゆっくりと伸びをしつつ、服を着替える。
この世界に来てから変わったことは色々あるが、一つは食事の場所だろう。
この世界に来てからは、お父様の実家でご飯をいただくことがほとんどになった。
六人がけには少々手狭だからと今度あたらしい食卓を用意するってお父様が言っていたっけ。
「おはようございます」
「あらアリシアちゃん、おはよう」
リビングに向かうとお婆様がキッチンで朝ごはんの準備をしていた。
「手伝います」
「あら、ありがとう」
”家電”と言うものにはまだ慣れないけれど、食材を切る出会ったり、炒めているものの面倒を見ると言ったことはできる。早く全部できるようになりたいところ。
「セレスさんは?」
「お母様は家でお弁当の準備をしています」
「私が用意しても良いのに……和也は?」
「いつもと一緒です」
「寝てるのね」
サラダにトースト、ベーコンと目玉焼き、ピーマンとブロッコリーを炒めたものを用意すると、タイミングよくお母様とお父様が降りてきた。
「おはようございます。お父様、お母様」
「おはようアリシア」
「……おはよう、アリシア」
お父様は相変わらず朝に弱い。英雄と称されるお父様の弱点の一つだ。でもそれは私たちしか知らない。
朝食を食べ、お母様たちは学校に行く支度をする。
私も学校へ通うらしいけれど、もう少し後になるらしい。
「それじゃあアリシア、行ってきます」
「行ってらっしゃいませ。お母様、お父様」
二人が学校に行っている間、私もリビングで勉強をしている。
この国の歴史だったり、言語、数学に科学などだ。
元の世界でも専任の家庭教師がついて勉強しているが、今はひとり。寂しくはないが、疑問点をすぐに聞けないのは難儀なところ。
「どこか悩んでいるの?」
「お婆様……ありがとうございます。実は――」
ちょうど悩んでいるときにお婆様がお茶を持ってきてくださった。
「二次方程式のこの問題がうまく解けなくて……」
「えっと、確かここは――」
お婆様が解説してくれた内容をノートにまとめる。この世界の筆記具はすごい。インクにペン先をつけなくとも自動で出てくる。しかもこれが魔道具ではなく、安価で手に入る。異世界ってすごい。
「――これで解けると思うわ」
「ありがとうございます、お婆様」
「良いのよこのくらい。でもすごいわね〜この単元は中学3年生、アリシアちゃんより二、三歳上の子たちが勉強する内容よ?」
「そうなんですか?」
「他の教科もそうだけど、よく勉強してるわね、偉いわ〜」
真正面から褒められてちょっと気恥ずかしい。
「区切りがついたらお買い物に行かない?」
「ぜひ!」
お婆様に連れられて車というものに乗る。これも魔道具ではなく、一般の人でも使えるとのこと。私も操縦できるのかしら?
「この車というのは私でも操縦できるのでしょうか?」
「う〜ん、アリシアちゃんの年齢ではまだ無理かしら」
「年齢制限があるのですか?」
「そうなの、車は18歳からじゃないと運転できないわ」
聞くに車の操縦にはルールがあるらしい。それを守るかつ、鉄の塊を操作する責任を持てる年齢じゃないとだめらしい。
「大きくなったら自動車学校に通いましょうね」
「そこはどんな場所なのですか?」
「車を運転する資格を取るための学校よ」
そんな一技能だけのための学校があるなんて、異世界、すごいです。
◇
お婆様との買い物から帰り、私は家に戻った。
魔術の訓練をするためだ。
「【アクア】」
呪文を唱えて水の玉を出現させる。形が安定した後、自分を起点にくるくると回す。
大きくしたり、数を増やしたり。基礎操作をやった後により繊細なところに手をつけ始める。
水玉に模様をつける。最初は簡単な丸を、次に四角。
徐々に複雑な模様に挑戦してみる。今日は……魚の形にしてみよう。
丸い水玉を楕円に引き伸ばす。そして尾っぽに背鰭、口と整形していく。
大まかに形どれたら、鱗の表現に手を伸ばす。すると、水玉は安定を手放し霧散してしまった。
やはりお母様の魔力操作には及ばない。
魔力操作を極めれば、弱点だけを捉えた攻撃や、狙撃の様なことができる様になる。
まだまだ修行が必要そうだ。
そうしてしばらくしたうちに玄関に用意した魔道具が扉の開閉を知らせてくれる。
時間的にお父様とお母様だろう。
急いで家を出て玄関に向かう。
「「ただいま」」
「おかえりなさいませ!お父様、お母様!」
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