試練
第2章 第1話アリスのための試練
無事結界の外に出ることが出来た俺たちは、アリスの家に向かった…
アリスの家に着きアリスの母親とアリスが少し話した後俺はとてつもなく睨まれていた。
「こ、こんにちはアリスのお母さん、娘さんが街で襲わっつ……!?」
俺がそう言いかけていた時、アリスの母親が先程より険しい顔になり、俺は喋ろう口を動かそうとするが全く動かない……
「アリス…街に行ったのは本当?」
アリスの母親は先程と変わらぬ険しい顔でアリスに聞いた、アリスも怯えているのか足が震えている。
「は、はい……でも! あのお兄ちゃんが襲われてる所を助けてくれたんだよ!」
アリスの母親はこちらを振り返り、顔が青ざめていった…
「この人間が……? アリス何回も説明したでしょ? 人間は自分たちの為ならなんでもすると、例え人殺しでも。」
「それは、何回も聞きました、けどこの人は違った! 私を助けてくれた! 自分が死ぬかもしれないのに!」
やっぱり、魔女と人間の間で何かあったのだろう…そのせいで魔女は人間から隠れて暮らさなくてはならなくなったのだろう…
「おい、人間お前は何故アリスを守った、普通の人間なら魔女を見つけしだい殺そうとするだろ? お前は何故助けたんだ、見返りが欲しいのか?」
アリスの母親は、魔女を見つけたのに殺さなかったのが、不思議だったのかそう聞いてきた、顔を見る限りでは、本心でそう聞いて来たのだろう。
「困っている奴を見つけて助けるのに理由が必要か? 俺は見返りを求めるつもりもない」
先程までしゃべる事ができなかったが、突然喋れるようになった事に驚きながら、そう答えた。
本心は、今1文無しでピンチだから助けて欲しいけどな…
俺の話を聞いたアリスの母親は、少し驚いた顔になった後、再び顔が険しくなった…
だが、何も喋らない
「いつまでも険しい顔をしてると、顔がシワだられになるぜ?」
冗談っぽく言って見たら、アリスの母親はこちらに向かって来る、先程までと違い少し笑いながら。
「調子に乗るなよ人間、お前は何を求めているのだ。」
俺の言った冗談はスルー!? 何気にショックなんだが……
それより、なぜ俺が見返りを求めているのがバレたんだ?
「何言ってるんだ? 俺は見返りを求めてないぞ」
「嘘を着くな。」
今回はその一言だけ、別に怒ってる訳でも無さそうだが、どうしてそこまで聞いてくるのか……
まぁ、バレてるなら正直に言うしかないな…
「あぁ、そうだよ俺はお前に見返りを求めてるぜ母上様」
俺がそう言うとアリスの母親はようやく腹をくくったか、と言わんばかりに鼻を「フンっ」と鳴らした。
「俺は、アリスに服やらご飯やら買って上げ、今1文無しだ、そして仕事も家もない…」
そこで、一区切り置いてアリスとアリスの母親を見渡した、アリスは緊張した顔でこちらを眺めている、アリスの母親は表情1つ変えずにこちらを見つめている。
「そこでだ! 俺をここで働かせてくれ!」
アリスはもちろん、アリスの母親までもが驚いた表情をしていた……
漫画で言うなら「へっ……?」の部分だろうな。
「お前は、本気でそれを望んでいるのか?」
アリスの母親は俺に確認してきた。
「あぁ、この世界のことは余り知らないし、そっちのほうが、金も貰えて家もある俺にとっては、最高のところだ、それに……」
「それに?」
「アリスともっと一緒居られるしな。」
先程まで、黙って聞いていたアリスがこちらに走ってきて抱きついてきた。
「ありがとう! お兄ちゃん、これからも一緒に居ようね!」
とぴょんぴょん跳ねながら喜んでいる、一方アリスの母親は何かを考え込んでいる…
「ね! お母様この人いい人でしょ!? 一緒に暮らしていいでしょ!?」
今の言い方だと、子供が親にペットを飼う時のおねだり見たいだな…
「いいでしょう、ただ条件がある。」
「条件?」
「あぁ、1つだけだ私の出す試練を1つクリアしたらお前を使用人として雇おうじゃないか」
試練か…でも、1つだけなら何とかなるだろうな。
「それで? 試練って何なんだ?」
アリスは再び震え出していた、俺が試練を超えられるのか心配だからだろうか?
それとも、試練の内容を知っていて、俺には無理だと思っている…?
「スライムを倒すだけだ。なぁーに簡単だろ?」
アリスの母親は煽り口調でそう言ってきた、スライムか…勝てる自信がない…
「し、死ぬことはないよな…?」
アリスの母親は無言で気味悪く笑った。
「は、はは……じゃ、じゃあアリス! 直ぐに倒してお前のペットでもなんでもなってやるからな!」
「う、うんペットじゃなくてメイドさんだけどね…絶対死なないでね!」
「あぁ、俺はなんたって不死身だからなら! それじゃぁ、始めるとしますか、試練って奴を!」
「フンっ、調子のいいガキめ…それでは…転移!」
そう、言った瞬間俺は光に包まれ気づいたら、木の柵で作られた闘技場に立っていた、広さは結構広く五百メートルくらいか…?嫌もっとありそうだ、
柵の外には、アリス達が見守っている。
「それでは、始めるスライム召喚。それとお前これを渡しておく。」
そう行って投げ慣れたのは木製の剣だった、いわゆる木刀だ、先程までの木の棒よりはマシだ。
そして、スライムは俺の数十メートル先で待機している。
俺は武器を構えて相手の攻撃を待っている。
「それでは、試練開始!」
その声と同時にスライムが飛んで来た。
先程と同じ腹を目掛けて。
だが、反応が遅れ見事に腹に体当たりされ、俺は数メートル飛ばされた。
「クッ…」
痛い、すごく痛い……だが負けられねぇ
次スライムは俺の右肩目掛けて飛んできた。
今度は、それを見逃さず、右肩に木刀を構えスライムの攻撃をブロックした。
が、勢いがありすぎてスライムは2つに分裂しそうな勢いで、片方は顔もう片方は脇に直撃した。
「クッ、まじか…」
鼻が折れたのかものすごく痛い、今にも倒れそうだ…楽になりたい、早く楽に慣れたら……
「頑張ってー! お兄ちゃん!」
あぁそうだ、俺はアリスのために戦うんだ、諦める訳にはいかねぇ。
スライムはふたたび攻撃体制に入っていたから、そこに勢いよく木刀を振り下ろした。
が、当たったのにダメージを受けたように思えない、こんにゃくを殴ったように弾力があるだけだ……
「マジか…」
俺が力を緩めた瞬間、スライムは俺の顎目掛けて飛んできた、木刀じゃ間に合わない…それなら……俺は少し顔を下げ大きく口を開いた、そしてスライムは顔面に直撃し、体の一部が口に入って来た。
チャンス、俺は痛む顔面を我慢し、口を勢いよく噛み付いた。
ウワッ噛みきれない…感触気持ちわる!
だが、離したら逃げられる…絶対噛み切ってやる!
「オラァー!」
俺は噛み付いたままスライムを振り回した、遠心力で歯が飛んで行きそうだ…
先程、スライムがぶつかって来た鼻が物凄く血が出ている…鼻は折れて無さそうだ、口の中も血が多い…吐きそうだ。
「諦めてたまるかよ!」
そう言った瞬間スライム口からスライムが飛んで行った、口の中には奴の残骸が残ってる、それがうねうね動いて気持ち悪く俺は、直ぐに吐き出した…
飛んでいったスライムは、破けた1部から体液が流れていき、体は少し小さくなったが、再生能力が高く本来の半分の大きさに留まった。
「勝負はここからだ!」
最近pv?が増えて来ています!
感謝感激です!
感想もくれたらうれしいです笑笑