魔獣討伐作戦
第1章 魔獣出現!!
俺達は念の為武器を と、いっても2人共木の棒だが、スライム程度なら十分だろう…
ベチャッ
その音は水を少し強めに地面に叩きつけたような音だった、だが俺はもちろんアリスもそんな音を立てるはずがない……
「ついに出て来たか、クソ雑魚初期モンスター 俺の経験値となりやがれ!」
俺はそう叫び、後ろを振り返った。
が、肝心のモンスターが居ない…
ベチャッ
その音は先程まで俺達が見ていた所から聞こえた… そして、再び振りかえろうとした時背中に、硬いゴムを叩き付けられた様な痛みを感じ、そのまま、吹き飛ばされ木にぶつかる…
体が木にぶつかったと判断した時、胃の中がとてつもなく熱くなり、胃の中身を茂みに吐き出した。
胃の中が空っぽになった時ようやく立つ事が出来た、俺は少し落ち着いたら一緒にいた少女を思い出した。
「アリス! 大丈夫か!?」
俺がそう呼びかけたが返事がない、辺りを見渡すも周りは薄暗く認識できる範囲には、アリスは以内…
考えられるのは、アリスはあいつに襲われない、もしくはアリスが襲われもっと遠くに飛ばされた……
後者だった場合はゾッとする…幸いスライム俺を倒したと思っているのか、見失ったのかずっと止まっている…
ゴソゴソ……
その音は俺の右側の茂みから、聞こえた…あまり大きな音ではなかったが、はっきり聞こえた。
また、新しいスライムか? それなら、やばい、スライム一体も倒せないのに……
考えてもしかたない…茂みから飛び出した瞬間俺の棒でかっ飛ばしてやる、
ゴソゴソ、ゴソゴソ……
とてもゆっくりだが、だんだん近づいてくる…
ゴソゴソ……
ついに目の前まで来た…出てきたら殺ってやる…
ガサァ……
茂みが開いた俺は静かに叩きつけようとしたが、寸止めで止めた…なぜなら……
先程から姿が見えなかった少女が出てきたからだ…
「アリス!」
「シッー!」
アリスは素早く唇の前に指を持っていき、子供を静かにさせるポーズをとった、
奴に気づかれるかもしれないから当然だ……
その配慮が欠けていたことに、反省しつつアリスに話しかけた……
「大丈夫だったのか? それと、アイツをどうやって倒す?」
「うん、大丈夫だった直ぐに逃げたから… スライムは素早いから倒すのは難しい…こっそり逃げた方がいいと思う」
逃げるなら言って欲しかった…笑
それはさておき、あいつは素早いのは確かだ…俺が全力で走っても追いつかれるだろう…
だが、どうやって逃げるか…茂みを歩き回るのがいいかもしれないが、木の棒や落ち葉を踏んだら音がなる…
それなら、俺が囮になりアリスを逃がした後追いかけるか……そちらもリスクがあるのは確かだが、アリスを逃がすのが最も重要だ。
「アリス、お前はこのまま茂みに隠れながら逃げてくれ…その間俺が奴を引き止めておくから。」
アリスが心配そうな顔で俺を見あげる、無理もない、だがそうしないとアリスを安全に逃がす事ができない…
「アリス大丈夫だ、信じて先に行っててくれ。」
アリスを無理やり納得させた後、俺は詳しい作戦を説明した。
俺が奴がいる方に、アリスは森の出口の方に向かわせ俺がアイツを後ろから殴る、それで死んだらいいが、多分死なないからそいつとの戦闘が始まる、アリスが出口に向かって少し時間がたったら、俺も出口に向かいながら奴と戦う。
そんな、小学生でも考えそうな作戦だが、アリスを逃がすには十分だ。
「アリス、それじゃあ作戦を結構するぞ? いいか?」
アリスが頷きそのまま、出口に向かってゆっくり進み始めた。
「さぁーて、アリスを逃がすために人肌脱ぐとしますかね…勝負の時間だ! オラァ!」
俺は茂みから飛び出し奴の後頭部に木の棒を叩きつけた、俺にはしっかり叩き付けたように見えた……
が、奴はギリギリで避け俺の腹に突撃して来た…先程の痛みよりも遥かに重く痛い…気を抜けば倒れてしまいそうなほどだ…
「ウッ……」
先程、胃の中を吐き出したはずなのに腹の中が熱い、熱い、熱い…食道まで、焼けてしまいそうだ…唾を吐き出そうと咳払いしたはずが……
血が…ち、血が止まらない
「ガハァッ…」
体が膝から崩れ落ちる、意識がもうろうとする…これが死 なのだろうか…
最後に景色を見ようと目を開けると、奴が大口を開けて迫ってくる…食われるとっさに力を振り絞って俺は転がった,間一髪少しでも遅れたら今頃あいつの腹の中か…
奴が食えていない事に気付き、当たりを見渡し俺を見つけ俺に迫ってくる…手に足に体に力が入らない…もう避けることもできない。
今度こそ死ぬのか……
奴は先程と違い、ゆっくり近づいてくる…
警戒してるのだろう…
俺は目を瞑り食われる時を待った。
「うぉ、ウォーターショット!」
俺のすぐ近くで何かが三四発落ちた…その中で奴にも当たったのか、グチャ、潰れる音がした…
俺は何が起こったのか確認しようと目を開けようとするが、開かない正確には、開けられないそれほど、まで力が残っていないのだ…
頼りになるのは耳だけだが、あれから音が全くない…奴は死んだのだろうか…いや、奴なら逃げる事が出来ただろう。
だったら、先程の声の持ち主はやられたのか?
そんな音も聞こえなかったからそれもないだろう…ならどうして?
考えているうちに少し遠くから、足音が聞こえ始めた…それはこちらに向かって来ている。
俺の横に来た時止まり、布が擦れる音、多分しゃがんだだろう。
「ひ、ヒール」
声の持ち主は少したどたどしく、ゲームなら回復の呪文を唱えた…するとみるみる、体の中から傷が癒える気がしてくる。
次第に目が開けられるようになり、俺は恐る恐る目を開けた。
そこには、先程逃がしたアリスがいた…
なんでいるのか、聞こうとしたがまだ声は出ない…こちらの視線に気づいたのか、アリスは微笑んできた、
あぁ、なんて可愛らしんだ……
それから、数分がたち俺は自分で起きれるまで回復した。
「アリス助かったよありがとう。」
「ううん、気にしないで石を見つけたから、戻ってきたら倒れてたから…」
カッコづけたのに、無様に倒れているのを見つかるとかダサすぎだろ…
「あはは…カッコ悪い所見られたな… それより、石見つかったってのはほんとか?」
「うん、入口近くの木に掛けてあった」
「―――――え」
「マジかーそれじゃあ俺の頑張りなしじゃないか…」
「ごめんなさい…」
まぁー何あともあれ結果オーライだな……
俺の怪我意味なかったけど…
「気にしないでくれ、それよりあアリスの家に帰るか。」
「うん!」
そうして、俺たちは結界の外に出て行こうと出口に向かって歩き出した。
感想ください!
ダメだしでもなんでも!
お願いします!笑