絶望と過ち
第2章 過ち
アリスはアンデスに視線を送り助けるを求める、だがアンデスはアリスの視線に気付いていないのかずっと本を見続けている。
エマは地面に座り込みブツブツ何か呟いている。
「エマは……どうしたら…教えてください……先生…」
エマの独り言に気づく者はいなかった。
アリスは首を決め続けられ気を失ってしまった。
アリスが気を失った事に気づいたエマはうっすら笑みを浮かべ床に寝かした。
「アリス様じゃ見つけられませんよ、あの時のように。」
そう呟きエマは部屋から出て行った。
アンデスはエマの呟きを聞き逃さなかった……
「全く、この屋敷の奴らは学習しないのかしらね……」
アンデスはそう呟き新しい本を開いた。
その頃カズマは……
「くっそー! 取れね……」
腕に付けられた手錠を外そうとしていた。
この時カズマは気づきはしなかった、自分にこれから襲いかかる恐怖を。
エマはアンデスの部屋を出た後、再び身なりを整える為自分の部屋に戻った。
だが、先程の件があり服を脱ぎ、部屋着に着替えた後ベッドに倒れ込む。
「エマは……エマはどうしたら…。」
そのままエマは眠ってしまった。
(死んでしまえ! 魔女なんて! 災害をもたらす者は排除しろ!)
人々がそう言いながら、魔女が多く暮らしている街を襲った。
夜、人や動物、虫達までもが寝静まった時間人間達は襲って来た。
嫌、私自身も魔女を襲った。
何人殺しただろう…今まで魔法を教えてくれてた先生…友達…見知らぬ魔女、関係のない街に住んで居た人間たち、その街に住んでいた者は誰だろうとみんなで殺した。
夜中に襲撃した事もあり、私たちの代償は少なかった。
だが少ながらず私たちもダメージ負った。
いや違う、魔女は反撃をしなかった…ダメージを負ったのは私達の攻撃が自分達に当たってしまったのだ……
それで、私も怪我をしたというより致命傷だった。私は近くに友達が居たから助けを求めたでも、友達は私を見捨てた。
「もう、助からないね、バイバイエマちゃん今までありがとう。楽しかったよ」
そう言って友達はどこかに行ってしまった。
私はその時、自分達の過ちに気づいてしまった……
魔女達は何一つ悪いことは無かったのだ……人間の身勝手な行動に巻き込まれ死んで行く魔女達……
人間はほんとに愚かだった、目標の為には自分達の味方が目の前で死のうが関係ない、
何故、魔女を殺すのか…確か誰かが魔女の悪口を……誰が……?
分からない、何故みんな突然魔女を……?
まぁいいか、私は死ぬんだ…
だんだん痛くなってきた……ち、血がたくさん出てくる……
痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い!
助けて、助けて、助けて……
死にたくない、死にたくない、死にたくない、
嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、
こんなのおかしい、なんで私が……許さない、許さない、殺してやる……
エマは声にもならない叫び声を上げ、体を動かした、目はもう見えなく今自分がどこにいるのか分からない状況だった。
度々、何かに蹴られたり、踏まれたりした。
だがそんな事はもう気にならなかった、
最後に魔女に謝罪したかった、多分許されることは無いだろう……
だけど、私は魔女に謝りたかった、自分達がおかした過ちを一刻も早く謝りたかった。
だが、それは叶う事はなかった、エマは進む途中に何かに蹴り飛ばされてしまった、そのまま地面にぶつかる事は無くずっと落ち続ける。
その時間は永遠にも感じられた、だが突如その浮遊感は終わったのだ、何かに抱きかかえられた様な感じがした。
その時死んでしまったんだとエマは思った。
私を捨てて出ていった母親から聞いた話だと人は皆死んでしまったら突然何かに抱きかかえられた様な感じがし神様の所に連れて行かれると……
きっと今がそうなのだろう…
結局魔女に謝る事はできなかったが……仕方ない
死んだら何があるのかな?
今まで死んで行った友達に会えるかな?
楽しいところだとうれしいな……
エマはそう考えながら意識は遠のいて行った。
「絶対助ける!」
謎の少女がそう呟いたことに気づかずに。




