第四十九話 ▱戦争⑩
『解放変換』
物質を強制的にMPへと変換させる超級魔法
魔法職ではないハイフェナスさえも使い方と年数を重ねれば、最上級魔法をも放てるだろう
『月へ触れる』
は超級魔法だ
位は下になるが流石、超級魔法それ相応の威力を持っていた
邪教の使徒が、水色の粒子となって消える
「流石、『魔極天』強いですね」
「………」
『魔極天』コトゥム・アグレンテルは沈黙をもって答えた
「熾天斬」
邪教徒が斬りかかってくる
その剣を盾で受け止め、弾き飛ばす
「お前………パラディンか」
「ランスを見ればわかるだろう」
距離を詰め、ランスを突き刺す
横へ移動する邪教徒、思惑通り
「聖典への断罪」
ランスがブレる
予備動作なしパラディン専用スキル
邪教徒の腕が吹き飛び、傷口に『浄化X』が付与され白く輝く
—バフ—覇剣 Ⅰ が付与されました—
「聖典への断罪」
剣でいなされる
対応が早いが……弱いな
「果ての栄光」
いなされたランスを無理矢理横に移動させ、振る
だが邪教徒も一太刀私へ浴びせる
その剣は腕を引き裂く、筈だった
露出した部分に当たった剣が斬れずに弾かれ、無防備な邪教徒にランスが命中する
最早立てなくなった邪教徒に対してランスを向け、突き刺そうとする
だが吹き飛んだは私の腕だった
盾が真っ二つになり、片手でランスを向けながら距離をとる
いつ斬った、いつ刀が動いた
「……あぶない… 聖閃突き」
「ホーリーソードッ」
ランスを横にして攻撃を防ぎ、横薙ぎに払う
吹き飛ばされた邪教徒は刀を正眼に構えるのではなく、鞘にしまった
何か…くる、と身構える
「コトゥム俺は…行ってくる」
「何をっ………まっ、魔極天……!」
魔極天が魔法で私の胴体を貫いていた
「いや、『オルトロス』ッ!?」
意識がなくなる寸前に見えたのは
邪教徒が瀕死の教祖に刃を向けた映像だった
『見ろッ!兵士ども!』
▱
億の軍は言わずもがな圧倒的な数の暴力を誇っていた
数の優位性でマザークリスタルへと向かう軍隊は突き進む
そして、城の前にきて一閃が奔ったかとおもうと一瞬で第一軍隊が赤色の粒子となって天へと昇っていく
十五万が一気に殺された
「奥義、星斬り」
あれは…、騎士…?
また一閃が奔る
次は一気に十数万が死ぬ
「だ、誰だ……?あれ……!」
恐れ慄き、薄れた声で副団長が叫ぶ
「ッ!?何故だ!?、何故だ!?、ありえんッ!まだ、まだ生きていたかッ!?」
団長が恐ろしい形相で騎士を指差す
その様子に一般兵達はあの騎士が尋常ではない事を改めて認識する
「レドールッ!!!全員防御術式を展開ッ!」
水色の結界が南宋にも張り巡らされる
副団長がもう一度答えをこう
「だ、誰ですか?」
「唯一の人類、英雄だ」




