28.犬島家
皆さんこんにちは.
お久しぶりの方は、ここまで読んで下さってありがとうございます.
更新が遅くなってしまって申し訳ありませんでした.
最近私用で忙しくなってきてしまっているため、今後も更新が滞ることがあるかと思います.
ご迷惑をおかけいたしますが、ご了承ください.
「先に部屋行ってて. 突き当りを右に行った一番奥の部屋だから.」
「分かった.」
平屋建ての大きな家.
この時間だと、ちょっと怖いかもしれない.
言われた通りの部屋に入ろうとした時に、背後に人の気配を感じた.
「!?」
振り返ると、髪の長い女の人が立っている.
お、オバケか!? オバケなのか!?
「ん? アンタ誰?」
普通の人間のようだ.
少しだけ拍子抜けしてしまう.
犬島家の人だろうか.
「え、あ. 私、猫乃笑です. 一くんと同じ学校の者で、仲良くさせていただいてます.」
「ああ、そうなの. アンタが笑ちゃんね. 一から聞いてるわ.」
「そうなんですか?」
「そうよ. もー毎日毎日うるさいのよー. 笑ちゃん笑ちゃんて. どうやったら好きになってもらえるの、とかさ.」
毎日好きって言い続けろ、時には強引に行けってアドバイスしたのはアタシなの.
と、続けて女の人は私に言った.
誰なんだろ、この人. 胸大きいし、身長高いし…ちょっと羨ましい.
犬島のお姉さんなのかな.
「あ! ちょっと姉ちゃん、その人にちょっかい出すなよ!」
「何言ってんの. ただ話してただけだし. ね、笑ちゃん?」
「そうですね.」
さっき入っていった扉から出てきた犬島が慌てたように寄ってくる.
やっぱりお姉さんだったのか.
「何、自己紹介もしたの??」
「笑ちゃんだけね. アタシまだだわ.」
「失礼だから、姉ちゃんも早くしちゃいなよ.」
「アタシに命令すんなっての!」
「∑痛っ!!」
鈍い音をさせて犬島の身体はお姉さんの蹴りにより“く”の字に折れ曲がった.
お姉さんのほうが強いんだな.
この犬姉弟の力関係をはっきり把握した.
「じゃあ、改めまして. アタシの名前は犬島紗愛〈イヌジマ サエ〉.
一の姉で3コ上だから…、笑ちゃんの2コ上ってことになるのかな.」
「ってことは….」
「そ、もう20歳です♪」
大人だ、女性だ!
だからあんなに胸大きいんだ….
私も20歳になれば、あんな風になれるのか.
「ちゃん、」
私も、あんな風に…//
「笑ちゃん!」
「∑うわっ!?」
「もう姉ちゃん行っちゃったよ? 早く部屋おいで.」
気がつけば、確かに紗愛さんがいなくなっている.
犬島に至っては、身体の半分ほどが部屋の中にinしていた.
私だけがたった一人、廊下に立っている状態になっていた.
しぶしぶ、犬島の部屋に入る.
もう少しお姉さんと話したかったのに….
どうやったらグラマラスな女性になれるのかについて.
「此処に座布団置くからね.」
「あ、うん.」
あれ.
ちゃんと周りを見て気付いた.
何か、一個人の部屋にしては広いような気がする.
「広いんだな.」
「あ、うん. ばあちゃんが昔から住んでる家だから.」
古いけどね.
ちょろっと舌を覗かせて、犬島はおどけてみせた.
テーブルの傍に置いてくれた座布団に座る.
「もうお風呂湧いてるってさ. 入ってきちゃえば??」
「や、でも悪いから…. 最後に入るよ.」
「何言ってんの. 笑ちゃんはお客様なんだから、そんなの気にしなくっていいんだよ.」
「….」
「俺の傍にいる時くらい、力抜いて?」
いつものように、頭に大きな手が乗る.
わしわしわしわし、髪が混ぜられる
気持ちいい. 時々なら、こうして撫でられてやるのも悪くないのかもしれない.
初めて、他人の傍に居て心地いいと感じた瞬間だった.




