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Confession phobia  作者: nEin
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10/28

10.愛情


皆さんこんにちは.


愛情には様々な表現方法がありますよね.

例えば、言葉で愛しいという気持ちを伝えたり、

あるいは行動で愛情を示す方もいるかもしれません.


皆さんはどんな風に愛情を表現していますか??


今回は、猫乃のお母さんも登場します.



「あなた、もうやめて!!謝るから!」

「うるせぇ!!俺に何回、飯がマズいって言わせりゃ気が済むんだよテメェは!!」


拳を振り上げる父親.

顔が赤黒く腫れ上がり、それでも殴られる母親.

小さな頃から、そんな光景ばかりを見てきた.

私の家庭に愛情があったのか、定かではない.


母親が受けてきた暴力は愛情の裏返しだったのか.

今でも、それは分からない.


男の人は怖い.

怒らせてしまったら私も母のように殴られるのではないだろうか.

心のどこかでそう思ってしまう.


成長するとともに、私は笑うことが下手になり口調は男っぽくなった.

自分を守るため、上手に生きていくため.


毎日殴り殴られる両親を見て、私は確信した.

この父親の遺伝子を受け継いでいる私は、この男と同じように大好きな人を傷付ける人間なんだと.


そんな風に自分について諦めた中2の春、両親は離婚した.

距離が離れた2人は仲が良くなったし、父親は何だか変わったようだった.

それでも、私の心の傷が癒えたわけではなかった.


…………………….

………………….

……………….



■□■□■□■□■□■□■□■□゜。・☆



「笑ちゃんが知らない気持ち??」

「そう.どんな気持ちだかは察してくれ.」

「笑ちゃんが知らない気持ちかぁ….」


うーん、なんて頭を傾け悩んでいる.

私が逆の立場だったら、多分こんなに悩まない.

それは真剣に考えないということで.

それは相手に興味がないということでもある.


何て自分勝手な女なんだろう.

自己嫌悪の波にさらわれそうになる.

その波にさらわれてしまうのが怖くて、犬島のパーカーをギュッと握った.


「??」


頭にまた犬島の手が置かれる.

不思議に思って見上げると、またいつものように優しく微笑む犬島が私の瞳に映った.


「…何.」

「や、何か怖い顔してたから.」

「学ランの下にパーカーなんて着てる校則違反野郎が近くにいたらそうなる.」

「頭が金の人に言われたくありませーんw」

「私は先輩だからいいんだよ.」

「わ、こんなに理不尽な先輩見たことない.」

「そんな奴のこと好きだって言ったのはどこのどいつだ.」

「俺マニアックだからさww」

「∑マニ…ッ!?それは私が特殊な人間ってことかコノヤロー.」


思わず口走った嘘を拾って、楽しい会話に変換してくれる犬島は凄い.

どんな会話でも楽しいものに変えてくれる.

私の気持ちを変えてくれる.

それはまるで、深海に沈んだ錨を水上まで巻き上げ陸へと運ぶ船のように.

私の重い気持ちを、動けなくなったこの身体を、上へ上へと引き上げる.


「何かさ、俺らってお似合いじゃない??」

「は??」

「こうやって抱き合うのもいい感じだし♪」

「∑いい加減離れろ//!」

「えー、もうちょっと!!」

「却下.」

「∑何でそんな即答するの!!?」


ごとっ

犬島とやいのやいのしている時、背後から鈍い音が聞こえた.

リビングの扉の傍には、大きなスーパーの袋.

そして、その傍には驚いた顔をしている母がいた.


「どういうことなの!!!!」


大きな声が、母から発せられた.

パっと、瞬間的に犬島が私から離れる.

速い.忍者かコイツ.


「お母さん、違うんです、俺らは別に何も、」

「ちゃんとママにも言ってよー!そしたらもっと豪華な料理作れるように材料揃えたのに!!」

「ねぇ、お母さん、」

「こちらどなた??ママに紹介して頂戴っ!」


私や犬島の言葉を遮り、お母さんは喋る.

珍しく興奮気味である.

ストレスでも溜まってたのか.


「こちら、犬島一.私の後輩で、良くしてもらってる.」

「初めまして、犬島一です!猫乃先輩のことが好きなんです.」

「∑!?」

「あらまぁ!」


え、そういう自己紹介の仕方ありなのか.


「あの、先輩…??」


騒がしい声が聞こえたのか、顔をキスマークだらけにした小鳥遊と、鼻息を荒くしている魚津が扉から顔を覗かせた.

おい、そっちは一体何があったんだ.

詳しく説明しろ.


あらー、まぁまぁ.

なんて言いながら、母は手を叩き嬉しそうに言った.


「今日はパーティー日和だわね!!」


うん、お母さんはきっと上に居た2人だけじゃなく、

私たちのことまでそういう関係だと思ってる気がする.




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