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セルフ・イントロダクション3

 「かあー、きついねー、まあいい、最初はみんな元気だ。でもいっておくが俺たちだって憧れている女性社員はいる。だから彼氏がいるかいないかは確かめている。無駄な行動をしないだけだ」

 「一見、大人の考えかもしれませんが、僕はその程度の言葉でおめおめと引き下がりはしないな。だってそうでしょ、彼氏がいることがどうだっていうんです。見えない敵は大きく思えるものですよ。大切なのは自分がどれだけ愛しているかってことじゃないですか。まあ、本社の女性スタッフはチラッとしか見ていないのでなんともいえませんが、僕は自分の気持ちに嘘はつけないな。自分の気持ちだけを押し通すのではなく、公平に自分の存在を感じてもらうことが大切だと思うんです。そりゃ最初は彼氏と比べられるような存在じゃないでしょう。でもスタートライン自体違うのだから最終ゴールラインだって違うはずです。ようは最初に着くかという勝負ではなく、あなたがたとえビリでも私のこころの中ではいつも一番という錯覚が大切だと思うんです。錯覚という言葉が不適切かもしれませんが」

 「いや、その錯覚って大事かもしれないな。だけど錯覚だったら覚めたら終わりだ。レンズを通して見るっていうのが一番近いかもしれない。ようは恋愛モードのメガネだな。とにかく女性は自分の彼氏に対してとんでもない見方をするものなんだ。だが新人おまえなかなかやるな、仕事もそうだとうれしいんだが」

 「仕事ができると勘違いしないでくださいね。僕は音楽のプロですがほかのことはアマチュアですから」

 「まあ、はじめからプロなんて奴はいないよ。でもおまえは近頃じゃ珍しくしっかりとした考えをもっているから女にモテるだろ。一見かわいく見えるし、スタイルだってスリムだ。ただ、たばこを吸いすぎるな、そのペースじゃ一日4~50本はのむだろ。酒を飲んだら俺もマシンガンなみだが、普段はひと箱だ。もう一つうちの会社の特徴だが女性はみんなたばこを吸うんだ。おまえはたばこを吸う女性をどう思う」

 「女性だけに限らず健康を考えたらやはり吸わないほうがいい。特に女性は出産があるじゃないですか、胎児にいい影響があるはずないし、でもいまたばこをやめたら太るからやめられないという人が多いでしょう。まあ、見てくれは女性の場合とても大切だから僕はなんともいえない。確かに太っている女性は僕の好みじゃない。どうしても僕とつき合いたいなら、原因がたとえ遺伝であったとしても痩せてくれることが絶対条件です」

 「母親からの遺伝だったら酷じゃないか」

 「僕も昔は太っていたのです。だから10代はまったくモテなかった。若い頃からたばこを吸っているけど痩せるのは大変だった。だから痩せるつらさはわかるんです。僕のことが好きならそれぐらいの障害は乗り越えてもらわないと」

 「酷だねー、でも俺も太った女性はダメなんだ」

 「それから出産を経験して太る女性もいるじゃないですか。だから結婚前には絶対お母さんをチェックですよ」

 「それじゃ、めちゃくちゃ好きな女の子のお母さんが太っていた場合はどうするんだ。しかもその子が痩せていたら」

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