セルフ・イントロダクション4
「そのときの状況にもよるけど、苦渋の選択ですが6割は結婚しません。いつまでもそばにいてほしい女性には輝き続けてほしいのです。僕は永遠に愛し続けたいだけなんです。この考えは間違っているでしょうか」
「当たってるとか、間違っているとかというレベルの話じゃねえな。歳を取るとそういう条件が変わるというか、見てくれより気が利くとか、料理がうまいとか、しっかりしているとか、目をつけるところが違うといったらいいのかな。新人はまだ若いってことさ。でもお父さんが太っていたらどうするんだ」
「ハハ、お父さんがはあまり考えません。ただ、遺伝だったらお嬢さんはすでに太っていると思うので」
「そんなもんかね」
「あとはランチが三拍子そろっていたら文句はないのですが」
「俺のとっておきに驚くなよ」
「急ぎましょう」
「ところでニューメディアってなんですか」
「新人にはなにもいってなかったな。キャプタルサービスは知っているか」
「いいえ、まったく知りません」
「そこがニューメディアたる所以だ」
「つまり新しいと」
「そういうこと、うちが引き受けているのはそのキャプタルサービスのオフィシャルガイドブックだ。つまり、NNTの電話回線を使ってニュースとかゲームなどが楽しめるニューメディアだ。ただ端末機が必要だし、電話回線を使うから使用料がかかる、そこがミソよ。まあ、普及すれば値段なんて安くなると思うが、そこまで定着するかが鍵よ。現状は確かに厳しい。だけど可能性がまったくないわけじゃない。最後はNNTが本腰をいれるかどうかさ」
「へぇーNNTといったら、大学生の就職先人気ナンバー1じゃないですか。入るのはエリートばかりでしょう。どんな人たちがいるか、というほうが僕には気にかかる。そしてどんな仕事をするのか、考えただけでもワクワクしてくる」
「そんなものか、みんな普通の人間だぞ、それに各方面の企業から出向してる社員も多い」
「そこがいいんじゃないですか、大企業は新しいメディアに関心があるでしょう。生え抜きを送り込んでくるものですよ。千載一遇のチャンスかもしれない。いろんな話を聞きたいなぁー。僕みたいに勉強しなければいけないときに遊んでいた人間とは違い、彼らは常にトップクラスを歩んできたわけでしょ。親の期待に背き続けた僕とは反対に彼らは応え続けてきた。弱肉強食を勝ち続けた人たちと接するなんて夢みたいですよ。彼らの実力を見てみたいものです」




