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可愛い弟を溺愛しながら生きていく  作者: 綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢をよろしく


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99/102

99.リコに価値があるなら別だが?

「君は男か女かで、対応を変えるのか? 命のやり取りをする場面だぞ」


 むっとしてアロンソの言葉を切った。これ以上人前で「女性だ」と連呼されては困る。怒ったように顔を顰めたことで、彼もまずいと思ったらしい。きゅっと唇を横に引いた。傭兵団の同僚達がリコを拘束し、私から引き離す。余計な発言をしないよう、口にも布が突っ込まれた。


「すみません、俺が剣を奪ったから大丈夫だと思ってて」


 謝罪するレグロに首を横に振った。彼は当事者ではないし、何より武器を奪うという立派な仕事をした。お陰で、長剣に対応せず済んだのは大きい。もしリコが長剣で攻撃していたら、手加減しなかった。確実に命を奪っていただろう。


 食事をする場で、生臭い事件を起こしたくないからな。


「いや、助かった」


 にやっと笑い、ベスへ腕を差し伸べた。左腕のほつれた袖を確認するベスが、苦笑いする。


「これは私の裁縫の技術では無理よ。専門家に頼んで頂戴」


「なら買い替えるとしよう」


 ベスと話しながら、我慢して口を噤むアロンソを手招きした。


「悪いが部屋まで来てくれ、その阿呆の話に結論を出したい」


 唸るリコをちらりと見て、アロンソが頷いた。素直に後ろをついてくるので、宛がわれた部屋へ招く。レグロが同行し、扉の前に立った。万が一を考えたのだろう。我々がアロンソに危害を加えられたと騒いで、彼を断罪する可能性もないわけじゃない。


 逆に本当に危害を加えそうになったら、レグロが飛び込んで止めるつもりだろう。だが話が漏れるのは困るので、扉に鍵をかけずに外で待ってもらった。


「さて、今回の騒動だが……アバスカル傭兵団はどう対処する?」


「リコの再教育では無理か?」


 甘い男だ。無理だと自分でも気づいているくせに、悪足掻きしようとする。こういう男は周囲を巻き添えにして、最期の瞬間に後悔するんだ。いくつも事例を知っているから、首を横に振った。彼がボスとして切り捨てられないなら、私が捨てさせる。


「貴族に危害を加えた、その事例があるのに連れ歩くのか? アバスカル傭兵団の規律はそこまで甘いのか。過去の信用をすべて捨てるほど、リコに価値があるなら別だが?」


「……すまない、彼は解雇する」


 規律では解雇が妥当のようだ。こちらの話はここで終わりだった。リコに剣技の才能はないし、もし残しても近いうちに盗賊に切り殺されて終わる。最悪のパターンなら、盗賊に捕まって何らかの要求を通す餌にされるかもしれない。どちらにしろ、傭兵団にとって害だけだった。


「本題に入る。私の性別を口に出すのはやめてもらおう。それが今回の件でリコの命を奪わない対価だ」


「女性なのを、隠しているのか?」


「この姿を見て、女性だと思う奴のほうが少ない」


 言い切った私を凝視して、ゆっくりと頭からつま先まで確認し……アロンソは首を傾げた。

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― 新着の感想 ―
女性としての魅力とかアレコレが漏れ出ている自覚はないかー(笑) 遠目から見ているだけならわからないレベル?
リコ解雇は当然ですね。性別が分かる相手がいるとはビックリです。小人も剣で闘いますよ。猫作者さんを担いで獅子奮迅の活躍をしますよ。小人騎士団と共に守ります。
仲間に対して甘いという欠点が!でも、これで馬鹿な新人をスパッと切れますね!…この馬鹿は物理的に切られた方が、後腐れ無さそうw アリスさん、魅力が隠せてない?w女性なのを隠していると思われてなかった様子…
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