表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
可愛い弟を溺愛しながら生きていく  作者: 綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢をよろしく


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

69/92

69.霊獣を害した罪で投獄

「広間にいないから探したぞ……、何があった?」


 ちょうどいいタイミングで、セシリオが顔を見せる。というより、お前……そこの茂みの陰にいただろう。様子見して、問題が起きたのを見計らって出てきた。その腹黒さがあるなら、自分の婚約者ぐらい己の手で守れと思う。


 ベスを後ろに庇いながら、足元で転がるルカを抱き上げた。尻尾を振ってはいけないと教えたのに、抱っこした途端に全開で左右に揺れる。仕方ないので尻尾を巻き込んで縦抱きにした。これなら尻尾の揺れがバレないはずだ。


 大袈裟にルカの様子を確認し、はっと息を呑む。これも訓練した通り、ルカが首筋に顔を埋めて動かなくなった。私達は訓練のつもりだが、ルカは遊びの延長だ。これを覚えたら、すごく喜んで撫でてくれた。その程度の感覚しかないだろう。


「ルカ様はご無事か?」


 この国で唯一の王子であり、王太子として立つセシリオが「様」と敬称をつけて呼ぶ。その時点で、伯爵家の未来が揺らぐというのに……彼らは理解しなかった。


「噛まれそうになったぞ。きちんと躾けておけ!」


 私に向かって吐き捨てたバルリング伯爵令息に、取り巻きが「そうだ」と声を上げる。王太子を前にいいのか? 口元が緩まないよう引き結んだ。ここで失敗したら、母上やカランデリア様に叱責されてしまう。


 役になり切って演じるのが私の役目だ。もちろん、庇ったベスも傷つけさせない。


「躾? それはお前達のほうだろう」


 やや俯いていた顔を上げ、意識して目を細める。睨みつける所作に、伯爵令息が一歩下がった。この程度の殺気に怯えるなら、武術は嗜みレベルか。だが文官方向でもなさそうだ。賢ければ、セシリオの言葉の意味を理解して謝るはずだった。


「この白いお姿、立派なツノ……サンバドル王国の、霊獣様だぞ? お前は、このルカを、蹴飛ばした」


 ゆっくりと言い聞かせた。言葉を聞き間違える余地もないほど、丁寧に区切る。目を見開いて固まる三人の青年に、セシリオが引導を渡した。


「守護獣様への加害を確認した。騎士よ、これらを牢へ」


「はっ!」


 護衛としてついてきた騎士達が、王太子の命により伯爵令息を捕縛する。当然、取り巻きも一緒だった。仲良く引き摺られていく彼らは、互いに罪を擦り付け合う。見苦しく騒ぐ声が聞こえなくなる頃、ルカから寝息が聞こえてきた。


「ルカ様のケガは……」


「あれは演技だから、ケガはない。今も寝ているくらいだ」


 不安そうなセシリオに、肩を竦めて話す。首筋を擽るルカの寝息と、腕の中の温もりが心地よかった。まずは羽虫、次はどんな害虫が出てくるやら。全部駆除してやろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
腹黒だけど、今ひとつ抜け出る王太子さん。でも、今回はしっかりと、無知でお馬鹿な羽虫どもを捕まえましたね!この調子で、全部の迷惑貴族を排除しなければ!w
王家をなめくさってる伯爵家ですねぇ……王家が頼りないからなんじゃないですかぁ?(王太子を見ながら)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ