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スキルマスター  作者: とわ
第一章 ムーン・ブル編

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29.部屋の案内


「次です」


『ピッ』


 引き続き真剣な様子の少女は、扉を見つめて話した。続けてリモコンのような物のボタンを親指で押し、扉付近から電化製品の反応するような音が届いた。扉の手前側に、横幅が60センチメートルほどで高さが40センチメートルほどの箱のようなやや奥行きのある物が一瞬にして出現する。


「これで立体テレビが見れます。今は音を消してあります。それと」


『ピピッ』


 テレビを見つめる少女は、表情を緩めて話した。続けてリモコンのような物の半球状の部分を親指で押し、扉付近から再びの音が届いた。


「テレビは、リモコンのホイールを回すとこんなふうに前後左右に移動できて隣の上下のボタンを押すと高さを調節できます」


 楽し気な様子の少女は、笑顔を見せながらテレビを自由自在に移動させつつ話した。笑顔を左側に向けながらテレビを左隣の壁際に移動させる。


「ホイールをもう一回押すと、テレビは固定されます」


『ピピッ』


 満足気な様子の少女は、壁際のテレビを見つめて話した。ホイールを親指で押し、扉付近から三度の音が届いた。テレビは、自然の景色を奥行きを圧縮した様子で映し出している。


「あと…」


『ピッ』


 視線をリモコンに移す少女は、どこか戸惑う様子で話した。ボタンを親指で押し、左前方の壁から音が届いた。左側の壁で出入り口側の横幅が1メートルほどで高さが2メートルほどの部分が室内側に向けて5センチメートルほどスライドしたあと、ベッド側に向けて1メートルほどスライドする。壁のスライドした部分に洗面化粧台のようなものが姿を現す。


「掃除のいらない洗面化粧台です。使ったあとで閉じると、自動で掃除をしてまた新品みたいに綺麗になります。ええっと…、中に何かを一緒に入れて洗うことは止めてください。もしも入れた時は、入れた物の保証はできません。あと…、水とお湯が出ます。水とお湯は飲めます。でも、お湯は温度が低いです。あっついお湯が欲しい時は、コンロが付いているのでそれで沸かしてください。だけど、料理はここではやめてください」


 視線を掃除のいらない洗面化粧台に移す少女は、思い出すようにしながら一生懸命な様子で話した。


「あと…」


『ピッ』


 視線をリモコンに戻す少女は、右手を口元に当てて話した。ボタンを親指で押し、右前方の壁から音が届いた。右側の壁が左側の壁と同様にしてスライドする。壁のスライドした部分にクローゼットのようなものが姿を現す。


「異次元クローゼットです。壁の隙間を有効活用してます。中にテーブルと椅子が置いてあって使う時に出してください」


 視線を異次元クローゼットに移す少女は、真剣な表情で話した。


「あと…」


『ピッ』


 視線をリモコンに戻す少女は、再びどこか戸惑う様子で話した。ボタンを親指で押し、天井から音が届いた。天井の全面から照明のような光が届く。


「照明は、天井の全面照明です。部屋の隅でも暗くなりません。外の空を映すこともできます」


『ピッ』


 リモコンを見つめている少女は、暗記した内容を思い出すかのように淡々と話した。ボタンを親指で押し、再び天井から音が届いた。天井の全面に青空が映し出される。


「夜は星が奇麗です。あと…」


『ピッ ピッ』


 思い出すことに集中しているのであろう少女は、天井を見上げずに話した。二か所のボタンを親指で順番に押し、左右壁の上部から音が届いた。左右の壁の上部全面が傾くようにして斜めに開く。


「アロマ機能付きの…、間接照明? です? リラックスできます。あと………、思い出した!」


『ピッ』


 言葉を詰まらせる少女は、首を傾けて疑問に話し、呟いて長く間を置いたあとにぱっと明るい表情を浮かべて歓喜の声を強く上げた。ボタンを親指で押し、テレビから音が届いた。テレビは、映像が切り替わる。


「テレビは、いろんな立体ゲームができます。以上です!」


『ワァァァー』


(ハイテクか!)


 明るい顔を俺に向ける少女は、満面の笑みを浮かべて強く話した。テレビは、対戦の格闘ゲームのような立体映像を表示して歓声のような音を響かせた。狼狽な俺は、思わずおののきながらこれまでの部屋の案内の全てに強くツッコミを入れるかのように思考していた。格闘ゲームは、金色のゴーレムが迫力満点にかっこよく動いていた。




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