35.3倍のスピードを越えた
予定調和な俺は、視線をオルバスに向ける。体を俺に向けるオルバスは、ファイアボールを無詠唱で三連射する。三つ火球が俺に偏差射撃の軌道で飛来する。
(まずは2倍だ!)
好奇心な俺は、頬を緩めて強く思考した。視線を前方に向ける。走る速度を前傾姿勢で2倍へと引き上げる。赤色のオーラが後方にたなびく。
『ブオ ブオ ブオォォォ』
俺の背後を通過する三つの火球から轟音が届いた。
(体に違和感はない!)
実感な俺は、思わず笑みを浮かべて強く思考していた。視線をオルバスに向ける。
「はっはあ! 走り抜けたか! 言うだけのことはある!」
表情を醜く崩すオルバスは、挑発の態度を見せて声を強く上げた。冷静な俺は、視線をオルバスの向こう側のアウラに移す。
(準備できたな?)
慎重な俺は、確認を取るような目付きで尋ねるように疑問に思考した。アウラは首を縦に振る。
「今度はどうだ!」
目を見開くオルバスは、ゲームを楽しむかのようなふてぶてしい大声を強く上げた。左腕を伸ばして手の平を見せてファイアボールを無詠唱で六連射する。六つ火球が俺に偏差射撃の軌道で飛来する。
(本気だ!)
本番な俺は、笑みを浮かべて強く思考した。直ちに剣を逆手持ちにする。剣を地面に力強く突き刺すと同時に体を反転しながら急停止し、急発進しつつ剣を引き抜いて飛来する火球の左側を弧を描くように走り抜ける。
『ブオォォォ』
俺の右側を通過する火球から轟音が届いた。興奮な俺は、剣を順手持ちに戻してオルバスを鋭く睨む。
(3倍のスピード!)
本気な俺は、奥歯を噛み締めて強く思考した。走る速度をより前傾姿勢で3倍へと引き上げる。赤いオーラが後方に尾を引くようにたなびく。
「フッ」
爽快な俺は、口元をニヤリと緩めて鼻を鳴らした。オルバスから約7メートル手前で剣を振り上げる。
「間合いが甘いわ!」
勝利を確信したかのような醜い笑みを浮かべるオルバスは、左腕を戻すと同時に右腕を素早く伸ばして手の平を見せて強く声を上げた。一瞬にして直径6メールほどの逆巻く火球が俺の前方に出現する。
(盾は最強!)
冷静な俺は、剣を下げて盾を前方に構えて強く思考した。盾から金色の粒子が溢れ出す。速度を維持して火球内部へと突き進む。
『ゴオォォォ』
逆巻く火球から轟音が届いた。同時に粒子が俺の全身を包むようにしながら後方へと流れて全てを保護する。
「馬鹿め! 血迷ったか!」
轟音の中でオルバスの有頂天の声が強く届いた。
(自分を信じろ!)
勇敢な俺は、盾をきつく握り締めて強く思考した。左足を地面に力強く着地する。盾を左側に振るうと同時に折り曲げる右足を重心と共に前方へと運ぶ。火球は引き裂かれるようにして拡散する。
「貴様! なぜ無事だ?!」
(3倍を超える!)
驚愕な様子のオルバスは、声を疑問に強く上げた。超本気な俺は、左足を踏み切りながら強く思考した。困惑な様子のオルバスは、両腕を前方でクロスしようとする。
「遅い!」
「グウエッ!」
超越な俺は、右足をサイドキックのように伸ばして声を上げた。3倍のスピードを超えたサイドキックがみぞおちに突き刺さるオルバスは、体をくの字にしながら唾液を吐き散らしつつ醜い声を大きく漏らした。後方へと吹き飛ぶ。
「やれ!」
【グリック!】
冷静な俺は、直ちに声を上げた。左側からアウラの魔法を使用する声が届いた。吹き飛ぶオルバスの周囲にピカピカと複数の小さな爆発のような閃光が発生する。閃光は各々広がり、オルバスの全身を円形に包み込む。
『ドゴォォォン!!!』
「ギャアァァァ!!!」
閃光は広がると同時に爆音を凄まじく強く上げた。オルバスは引き裂かれる様子で断末魔のような悲鳴を轟くほどに強く響かせた。閃光は地上から半円状に広がり留まる。俺とアウラは顔を見合わせる。
「余裕だな!」
「当然よ!」
満足な俺は、サムズアップして強く話した。得意気な様子のアウラは、腕組して強く話した。
(そう言えば、さっきのグリックって知らない魔法だったな。俺は天才だ!)
感動な俺は、アウラを見つめて妄想は絶好調と強く思考した。腕を下ろすアウラは、リラックスし始めた。
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