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スキルマスター  作者: とわ
第一章 ムーン・ブル編

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29.冒険者カード




「あの~」


 欲望な俺は、冒険者がステーキを次から次へと頬張る様子を憎々しいとガン見する中で右側からの細い声を捉えた。顔を右側に向ける。マリーの顔が間近に映る。


「うわっびっくりした」


「うふっ」


 驚愕な俺は、思わずたじろぎながら話していた。カウンター上に体を乗り出しているマリーは、微笑みを見せつつ声を漏らした。


「何かと初めてのようなので、いろいろ説明しましょうか?」


「おおっ、ステーキ食べる!」


 背後を確認するマリーは、姿勢を戻しながら疑問に尋ねた。歓喜な俺は、思わずマリーの右手を両手で熱く握り締めて前のめりで強く返事を戻していた。そして、


「あっ、間違えた」


 うっかりした。


「クス」


(いかん。ステーキとギルドが一緒になった。今はギルドの事に集中しよう)


「助かる!」


 目を丸く開くマリーは、顔を左側に素早く向けながら声を小さく漏らした。羞恥な俺は、思わず顔を左側に逸らして迂闊と思考していた。顔を戻して改めてマリーの右手を両手で熱く握り締めて強く返事を戻した。


「いいのよ! 正直者が正直に話せない未来なんて、この世の終わりになるんだから!」


「はへ?」


 俺の両手を熱く握り返すマリーは、真剣な眼差しで強く話した。混乱な俺は、思わず素っ頓狂な声を疑問に漏らしていた。微笑むマリーは、手を放して姿勢を戻す。優しい瞳を見せる。


「3年前の魔王が倒される時は、ひどく混乱したでしょう。でも実は、その前から世界では色々な事が起きてて、今も戦争が続いてる地域があるの。そのせいで、あなたみたいに学校に行けない子供は多いの。今までからかわれたりしてきたかもしれないけど、これからは私に、分からないことを何も恥ずかしがらなくて素直に聞いていいのよ」


(う~ん…、戦争のことは聞いてなかったな…。分からないことは、俺は素直だからいいが。戦争は…、絶対にやらない方がいいんだけどな…)


 優しい瞳のマリーは、まるで自分が責任を取るような身振り手振りを交えて話した。複雑な俺は、思わず視線を逸らして戦争を経験した祖父母の話を思い出して思考していた。


「嫌な事を、思い出させたかしら?」


 俺の視界に映り込むようにするマリーは、俺を不安気な瞳で見つめて疑問に尋ねた。


(この事は…、これから考えよう)


「大丈夫だ」


 冷静な俺は、眉根をひそめて思考したあと、マリーを穏やかな瞳で見つめ返して返事を戻した。


「分かったわ。それじゃあ説明に移るわね?」


「よろしく頼む」


 穏やかに微笑むマリーは、姿勢を戻して疑問に尋ねた。平穏な俺は、前向きに返事を戻した。


「まずは、さっきの冒険者カードを出してもらえるかしら?」


 両手を下腹部の前に揃えるマリーは、明るく疑問に尋ねた。平静な俺は、カードをパンツの右ポケットから取り出す。


「そのカードは、ルーティ専用になります。中央に、軽く触れてみてください」


 明るい様子のマリーは、左手の人差し指で触れるような仕草を見せて話した。引き続き平静な俺は、右手のカードの中央を左手の人差し指で軽く触れる。カードに明朝体の大きな文字でルーティと表示される。


「それで氏名を確認できます。もう一度触れると表示は消えます」


 引き続き明るい様子のマリーは、左手を戻して話した。好奇心な俺は、再び中央を指で触れる。氏名は直ちに消滅する。


「便利だな。名前を覗かれるリスクが少ない」


「ふふん。身分証として求められる時もあるので覚えておいてください。街の出入りの際に提示すれば通行税は必要ありません。この事は他の街でもだいたい同じです。それと、ギルドなどの公共施設を利用する際に冒険者カードは必ず必要になるので、この事も覚えておいてください。あと、カードを意識しながらステータスと言ってみてください」


「意識?」


 関心な俺は、思わずこのカードはマイナンバーカードよりも優秀と話していた。得意な様子のマリーは、身振り手振りを交えて明るく話した。困惑な俺は、思わず疑問に尋ねていた。マリーは優しく微笑む。


(う~ん…。集中して、周りの音が聞こえなくなる時の感じか?)


 曖昧な俺は、思わず眉間に皺を寄せて視線をカードに移して疑問に思考していた。右手のカードを視線の高さに上げる。意識をカードに集中する。


【ステータス】


 集中な俺は、言葉を発した。直後、視界がぼやけた白色に変化する。思わず目を寄り目にしてしまう。


「うおっ!」


 驚愕な俺は、思わずびくつくと同時に声を強く上げていた。姿勢を大きく崩して後退りするが、踏み止まる。顔を恐らく眼前に出現したのであろう白色に向ける。


「か、紙? んん、紙? 紙? が、浮いてる?」


 困惑な俺は、思わず空中に留まる白色のA4サイズの用紙のような物を疑問に見つめて言葉も疑問に漏らしていた。




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