18.冒険者カード
先を読みたい方はカクヨムで「スキルマスター」を検索してください。
今は22話の戦闘が終わったところまで修正してあります。
「まずは、さっきの冒険者カードを出してもらえるかしら?」
両手を下腹部の前に揃えるマリーは、こちらを見つめて疑問に尋ねた。平静な俺は、パンツの右ポケットからカードを取り出す。
「そのカードは、ルーティ専用になります。中央に、軽く触れてみてください」
どこか楽し気なマリーは、左手の人差し指で触れるような仕草を見せて話した。平静な俺は、右手のカードの中央を左手の人差し指で軽く触れる。カードに明朝体の大きな文字でルーティと表示される。
「それで氏名を確認できます。もう一度触れると表示は消えます」
引き続き楽し気なマリーは左手を戻しながら話した。好奇心な俺は、再び中央を指で触れる。文字は直ちに消滅する。
「便利だな。名前を覗かれるリスクが少ない」
「ふふん。身分証として求められる時もあるので覚えておいてください。街の出入りの際に提示すれば通行税は必要ありません。この事は他の街でもだいたい同じです。それと、ギルドなどの公共施設を利用する際に冒険者カードは必ず必要になるので、この事も覚えておいてください。あと、カードを意識しながらステータスと言ってみてください」
「意識?」
関心な俺は、カードが優秀と話した。何故か得意気なマリーは、身振り手振りを付けて明るく話した。困惑な俺は、思わず疑問に尋ねていた。マリーは優しく微笑む。
(う~ん…。集中して周りの音が聞こえなくなる時の感じか?)
曖昧な俺は、眉間に皺を寄せて視線をカードに移しながら疑問に思考した。右手のカードを視線の高さに上げる。意識をカードに集中する。
【ステータス】
集中な俺は、言葉を発した。直後、視界がぼやけた白色に変化する。思わず目を寄り目にしてしまう。
「うおっ!」
驚愕な俺は、思わず目を見開くと同時に体をびくつかせながら声を上げていた。姿勢が崩れて後退りする。踏み止まり、顔を眼前に出現したであろう白色に向ける。
「か、紙? 紙、が、浮いてる?」
「そのステータス画面は右上の設定から変えられます」
「は? なっ、何?」
困惑な俺は、思わず空中に留まる白色のA4サイズの用紙のような物を見つめて疑問に言葉を漏らしていた。マリーはさらりと話し、混乱な俺は視線をマリーに移して言葉を詰まらせながらも疑問に尋ねた。
「カードの設定もそこでできて私はこんな感じにしてるの」
【ステータス】
微笑むマリーは、何かを握るような形の右手を胸元に運びながら返事を戻して言葉を発した。直後、カラフルなデザインの画面がマリーの前方の空中に出現すると同時に、こちらもカラフルなデザインの表面に小さな丸みのある凹凸付きで片側に大量のアクセサリーのぶら下がる恐らくマリーの冒険者カードであろう物が右手の中に出現する。勝ち誇る表情でカードをキラキラジャラジャラ揺らす。
(どっ、どこから突っ込んでいいか分からん)
唖然な俺は、思わず目を見開いて視線を泳がせながら思考していた。
「そうそう、大事な事を言い忘れてたわ。ステータス画面は、基本的に他の人に見せないようにしてください。特に、スキルについては命に関わり兼ねないので、信頼の置ける人にしか絶対に見せてはダメですよ」
表情を戻すマリーは、右手の人差し指を立ててカードをキラキラジャラジャラ揺しながら前のめりで話した。
(そうだった。ここは異世界で戦争も続いてるって言ってたし、気を付けよう)
漠然な俺は、視線をキラキラジャラジャラからマリーの真剣な眼差しに移して思考した。
「いいわね。じゃあ次は、画面の表示におかしなところがないかを確認してもらいます」
微笑むマリーは、姿勢を戻しながら話した。背後に振り向いて棚からA4サイズであろうプラスチック製のような用紙を取り出す。用紙を確認する。
「こちらは見本です。数値は、レベル1の方のほぼ最高値と考えてください」
向き直るマリーは、用紙をこちらにカウンター上を滑らせるようにして差し出しながら話した。平静な俺は、用紙を確認する。
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氏名:ギルド 設定
LV:1
ギルドランク:F
HP:15
SP:15
MP:15
力 (STR):10
攻撃力 (ATK):10
生命力 (VIT):10
防御力 (DEF):10
知力 (INT):10
抵抗力 (RES):10
器用さ (DEX):10
素早さ (AGI):10
運 (LUK):10
スキル:なし
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「簡単に説明します。氏名は冒険者カードに表示される氏名と同じで変更もできます。LVはレベルと読んで経験を積み重ねることで上がっていきます。ギルドランクはギルドの査定で決まります。HPはヒットポイントで耐久力を数値化しています。SPはスタミナポイントで体力を数値化しています。MPはマジックポイントで魔力量を数値化しています。あと分からなさそうなところは、知力と抵抗力かしら? 知力は魔法の威力に影響して、抵抗力は魔法の防御力に影響します。他に何か分からない所があれば質問してください」
(ゲームと似てるからだいたい分かるな。そう言えば女神が、この世界はゲームとか小説の世界に似てるって言ってたな。他にもいろいろ言ってた気がするが…。まあ、とりあえず、これは問題ないか)
平静なマリーは、項目を右手で示してこちらを窺いながら話した。冷静な俺は、項目を確認して女神の話を思い出しつつなるほどと思考した。
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