103.生まれる前の記憶
「ここならいいわね」
俺の手を引くユリは、人気のない場所に移動して話した。俺に振り向く。
「話って、急にどうしたんだ?」
「皆に話せないこともあるでしょう?」
「例えば?」
「私達の関係とか」
「マリーは別だが、モモとノンには隠さなくていいよ」
「そうなの?」
「2人には、隠し事をしないって決めてるんだ」
「生まれる前の記憶とかも?」
「そういうのを話したかったのか。多分、2人は気付いてるよ。特にノンは、俺が部屋でリーディングしてる時に一緒にいることが多かったし、危ない時に安全な場所に導いてくれたからな」
「猫なのに?」
「ああ。あの時は本当にびっくりしたぞ。そのあと、めちゃくちゃ怖い思いもしたからな」
「本当に、昔のあなたに戻ってきてるんだね」
「辛い話は、さっさと笑い話に変えて吐き出した方がいいからな。堂々と話していくよ」
「そっか」
「あとで時間を作って皆で話し合おう。マリーのことも聞きたいし」
「分かった」
「モモ達のところに戻ろう。ボンッてなるところも見たいし」
「性格の悪いところも戻ってきてるみたいね」
「まあな」
平穏な俺と気遣いな様子のユリは、交互に笑みを見せてh成した。俺達はモモ達の下に移動する。
「間に合ったな」
陽気な俺は、カウンター上の白紙の冒険者カードを確認して話した。
「どうしたの?」
「ちょっとな。あとで2人にも話すよ」
「うん」
「分かったわ」
安心な様子のモモは疑問に尋ね、平穏な俺は笑みを見せて返事を戻した。陽気な様子のモモは笑顔で返事を戻し、納得な様子のノンも同様に話した。
「マリーはどうしたの?」
「電話だって」
「戻って来るわ」
平静なユリは疑問に尋ね、陽気なモモは返事を戻した。平静なノンは、奥を見つめて話した。
「お待たせ~。ごめんなさいね」
「忙しそうだな」
「最近は特にね~。それじゃあ、ここの羽ペンで名前を記入してもらえるかしら?」
(やばい)
多忙な様子のマリーはカウンターに到着して話し、同情な俺は優しく話した。苦悩な様子のマリーはモモとノンに疑問に尋ね、懐古な俺は思わずにやけ顔を逸らして思考していた。
陽気な様子のモモとノンは、白色の羽ペンを手に取る。白色の羽ペンは七色に変化する。
「うわっ。白色のペンが七色に変わった」
「奇麗な羽根ペン~」
驚嘆な様子のモモは目を大きく見開いて話し、同様な様子のノンは、うっとりして話した。笑顔で名前を記入し終える。
『チリチリチリチリ』
導火線のように燃焼していく全ての文字から小さな音が届いた。七色の鮮明な光を線香花火のように放ち続ける。
「「奇麗~」」
感激な様子のモモとノンは、笑顔をカードの間近に近付けて話した。カード上の最後の文字が儚く燃焼すると同時に可憐な花を咲かせる。
『ボン!』
「「ニャン!」」
「ブッ!」
突然、カードの表面が爆発して音を立てた。驚愕な様子のモモは後方へと大きくジャンプして声を強く上げ、同様な様子のノンは慌てふためいて声を強く上げた。愉快な俺は、笑い声を強く漏らした。
テーブル上に着地するモモは猫目で猫のように臨戦態勢を取り、柱の陰に移動するノンは猫目で猫のようにカードを確認する。
「何あの子達!」
「可愛い!」
「子猫みたい!」
周囲から関心の声が強く届いた。
「ははは」
「クスクスクス」
「ああっ! お兄ちゃん達!」
「知ってたわね!」
「いや~、悪い悪い」
「ごめんなさい」
「いじわる!」
「性格悪い!」
「まあまあ。俺も昨日、驚かされたからさ」
「ここの冒険者は、皆通る道なの。だから戻ってきて」
愉快な俺は笑い声を上げ、我慢な様子のユリは笑い声を漏らした。憤怒なモモとノンは猫の顔で強く話し、謝罪な俺と同様な様子のユリは笑いを堪えて話した。引き続きなモモとノンは再び同様に話し、引き続きな俺とユリは同意を求めるように話した。警戒な様子のモモとノンは、俺達の下にふくれっ面で戻る。
「昼飯は、豪華にするから」
「私も、デザートを奢るから」
「絶対だよ!」
「約束よ!」
「ああ。絶対だし、約束する」
「ごめんね」
引き続きな俺とユリは宥めるように話し、関心な様子のモモとノンは笑顔を堪えて強く話した。安心な俺と同様なユリは、優しい笑みを見せて話した。
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