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『招かざる飛空士達の幻想』――その7――


約数ヶ月ぶりに送ります

今回も前回同様、ストーリー先行すみません。



てな訳で。今回は、いよいよあの発掘飛空艇の全貌が明らかにっ!?



更にシルベリーの施設内にて皆とはぐれたピンクこと光雄は?



『天空に舞う白銀の翼達は――』



光雄「始まるじぇっ?」

 



「へ〜え?」



 ツン――と外の暖かな気温とはまったく違う。

 地肌に突き刺さる冷たさすら感じる一室の周りを一舐めしては、珍しい物見たさな素振りで浮足立つ青年の片言だけが広々とした空間に漂う大気に虚しくもかき消され…

 一体何処をどのように進んで来たのかも方角もままならない素振りで背後を振り向いては、同じ景色を眺めながら特徴のあるピンク髪を掻き毟る。

 そんな困り果てた表情の迷い子は重い足取りを引き釣りながら大理石で出来た冷たいホールを突き進むのである――




     ◇◆




 オーヴェル王国の首都エストハイム。王宮から一直線に伸びるメインストリートを数キロ進むと、数々のギルドが軒を連なりながら建ち並ぶ一角に突き当たる。

 差ながら街路樹には各地から取り寄せたであろう様々な芸術と、そして文化が一体となる街並みが、この国の豊かさを象徴する。



 その一角に、一際目立つ白い壁に囲まれたルネッサンスを彷彿とさせる建築物が目立ち、鮮やかなオレンジの屋根が重なり合うような建た佇まいの洋館が除く。



 クロウ達が所属するシルベリーと唄われるギルドが所有する屋敷が堂々たる佇まいで映る。



 屋敷の裏側に当たるこじんまりとした広場付近には、一体何処からか沸いて来たのか、青や赤紫と言った様々なローブを待とう老人や。



 何処の貴族であろう。綺麗に整った服装を纏う家族連れや民族衣装に身を包む人々が集まりごっ互いをしている。

 人混みを掻き分けるように何かしらを探す素振りの人物達も混じるのだが――



「はわぁ……ねえクロウさん。エストハイムって、何時もこんなにごっ互いしてんの?」



「えっ!? 知らん!――しかも、この屋台の量も半端ねぇな……お? なつっかしい林檎飴まであんぜ、なあイソレット。あんたも」



「いらないわよそんなの!…それよりもさぁ〜。この異常な人達は、一体全体何処から湧いて来たのよ」



 体臭と熱気が原因なのだろうか。イソレットは少し膨れっ面になりながらも、何処の地域から訪れたのだろう。カップル連れが、ゆっくりとした素振りで遥か先まで軒を連なう屋台を賑やかに物色する様を眺めてはため息を溢す。



 普段での王宮広場まで続く景色は、こんな下町全としたひしめく景色ではなくもっと静かで優雅な景色の筈なのだ。



「にしても、まさかカイルの奴…又々失敗って俺達のあの飛空艇のお披露目処女飛行を何処の報道機関にばらしたんじゃ」



「へっ? あのさぁ…ちょっとそれってあまりにも酷いよっ! 私達はこんなお祭り騒ぎの為にあの子を再び飛ばす訳じゃないよっ! ねえ、それにさぁっ!もしかしたらアシュビンの空軍にでも知れたら」



「ちちちょっとマリオンちゃんっ。落ち着いて、そこまで大げさにはならないし……ったくもぅ!クロウっ!」



 イソレットは、多少挙動不審に陥るマリオンを何とかなやしながら隣側のクロウにこの事を踏まえてのキツい一言をはき捨てる。



 無理もない、一部のシルベリー内だけで執り行う筈の発掘飛空艇によるフライト試験になる筈が。

 こうも大衆が珍しい物見たさに騒ぎ立てる。

 一体何処で情報を仕入れ、広めたのか…



 大体のしでかした当の犯人を把握したのか…一言ため息を溢し、初お披露目と、機体の最終的な整備の為の道具の確認を、自身が現在肩にかける魔法のバックに手を添えながらチェックを促す。



「はぅわ……」



「本当にゴメンねマリオンちゃん。にしてもスノウ達。遅いわねぇ」



 両肩を落としながらマリオンが何とか落ち着いた所で。彼女はシルベリー前の倉庫前にある広場での、来てもいい筈のスノウやユウキ達との待ち合わせ時間を気にする。



 そんな矢先に自分達が佇む広場内が一気に騒がしくなる様子と、同時に駆け寄る知り合いの姿に気付くのだが…



「お? すまんなクロウ。それにおうふww」



 騒がしくなる人混みの中を掻き分けるようにスノウ。そして後から続くユウキと漸く再開を果たすのも束の間、残り二人にもなるイソレット達から零れるダークマタに冷や汗をかく。



「いや――な?イソレット…これには深い訳がな」



「やあ、皆さんお揃い?ゴブァ!?」



 ただならぬ騒ぎの原因をスノウが冷や汗を流し説明する前に、ユウキの後を駆けて来たこれまた爽やかな笑顔を見せる青年の懐に一瞬で飛び込む事僅か0.2秒。



 一言告げる前に青筋を立てる藍色髪を揺らす少女と同じく水色ショートの少女の鉄拳が青年の顔面を捕らえる事僅か0.1秒。

 正にお見事と言わんばかりに二人の拳を直に受け悲惨な事になるカイルの惨劇に。クロウとスノウは震え上がったのは言うまでもない。




     ◆◇




 広場の一角に設置されたシルベリーが所有する倉庫の鉄製の重い扉がゆっくりと複数からなる輩によりレール事開く。



 街の人々が集まる中をゆっくりと押し出される"ナニ"か。

 青空が映り込むように眩ゆく太陽光をキラキラと反射させながら魔銀(ミスリル)特有の輝きを見せる美しいシルエットの全貌が数十年前の大戦以来。露になる。



「ほう……こいつは改めて見るけど悪くはないな…なあイソレット」


「そうだわね。あの遺跡内じゃ良く分からなかったけど、ねえクロウ、これが?」


「"エクセリオン号"だっ!」



「ちょ? クロウ〜…又々何つーベタな名前いつの間に付けたんだ?」



 まるで大鳥のような突き出した長い機首にブリッチらしき箇所が覗き、補助翼にもなる二つの空戦フラップにもなる水平尾翼がブリッチの真下に設置され。

 後方に構える主翼の付け根付近から下方に大きく口を開けるエアインテークが除く。

 

更に主翼の中央付近から二つの垂直尾翼が突き出し。差ながら飛空艇と言うよりは、クロウ達が元居た世界での大型の戦闘機と行った流れるような機能美に速度製を重視した機体にも見える。



 満足気に眺めるクロウ達とは裏腹に、マリオンは、その機体を横目にもう一人この場所で落ち合う筈の人物を必死に探していた。



「ねえ、青髪ぃ…光雄は?はれれっ。一体こんな大事な時にあいつは何処をほっつき歩いてんだよ」



「あっれぇ〜?あのピンク頭。たしかさっきまであたし達と一緒だったけど…ねえカイルはあやつ知らないよね」



「へ?さて……多分この広場に来る途中にもしかしてはぐれたんじゃないですかねぇ」



「んもぅ!私っ。ちょっと探して来るよっ」



 やはり、なんだかんだ言っても自分の部下であり大切なパートナーなのか。その内此方まで来ると。

 止めるユウキやカイルを振りほどくようにマリオンは多分シルベリーの施設内に未だうろついている光雄を探しに駆けて行くのである。




    ◇◆




 そして、賑やかな外界とは明らかに洋館内のある一室前の長い廊下を、まるで迷何かに迷い込んだかのように、そわそわした素振りで浮き足立つ人物の姿があるのだが…。



「あっれぇ? いつのまにか俺様は、つーか何処だよここ」



 とまぁ…特徴のある流し目を、これまた細めながら視界に入る綺麗に磨き挙げられた大理石を眺める。



 先程前にスノウやカイル達に案内されながら、発掘飛空艇が運び出され、修復されている筈の機体倉庫まで赴く筈が、何故かユウキとひと悶着をしでかしている最中。



 気が付けばすっかり皆とはぐれてしまったのか…無人の広々とした廊下をさ迷う事になるのだ。



「て言うか、マジで俺なんかが来る場所じゃねぇぇーのは確かなんだがなぁ……場違いっつーか。と、とにかく早く用事を済ませ、マリオンと合流したいぜ」



 頭を過る嫌な胸騒ぎを感じるのか…キッチリとした配列で並ぶ石一つを取ってしても、一体幾ら位の価値があるのか予想もつかない。



 寧ろ自分自身の容姿をこの場所と比例したとしたら到底…。

 この青年が一生を総て費やしたとしても不可能と言えるような場所なのだ。



「んな場所にも高そうな置物かよっ!しかも?うわぁ…」



 まるで鏡のように映り込む磨き上げられた石の壁に掛けてあるこれまたドデカイ絵画を眺めては小気味よく鼻を鳴らし両腕を組む。




「何処かの貴族か誰かさんの肖像画だなこりゃぁ」



 無理もない…傭兵崩れを具現化したような容姿。 貴族とは程遠い身分の差を彷彿とさせるような場所に放り込まれれば誰しも思う事なのだから――



 耳元まで伸ばした淡いピンクの髪に片手をそえながら視界の前に設置されている数々の芸術品や彫刻に特徴のある流し目を更に細めながら見入る。



「ははっww」



 何とも脱力感を漂わせながら床一面にちりばめた。 初めて見る絵画や何処かの民族的な模様の絨毯が広がる一質をユラリと歩む。 ふと、頭の隅で思い出しては浮かぶ彼の雇い主的なパートナー。彼女も又何処かの国家での貴族の出だった事で、余計に脱力的な感覚が更に襲うのだが?



「と。とにかくこんな場所で油売ってねぇぇで早くここから出る事が先決だよな」



 程よく耳元まで伸ばしたピンク髪を左右に振る。そして、気分を切り替えこの巨大施設内からの脱出に専念する矢先!



「へ? ヤバイっ誰か人がっ!にしては? っつ!」



 突如、このシルベリーの施設内とは明らかに違いを見せる輩に知らない内に背後から長い剣を突き付けられているのに気付く。



「っつ!アンタは?」



 自身の背後からの殺気に気付きながら懐にしまい込む護身用の拳銃にそっと悟られないように右手を添える。



 果たして、この集団は?そして、今現在自分を探しに来ている筈のマリオンと。以外な施設内でのバトルはゆっくりと切って落とされるのか?





 つづくっ!

〜後書きコーナー〜



マ「はわ……ほんっとここのコーナーに来るのも久しぶりになります」



ス「そしていよいよあの飛空艇が――」



ク「"エクセリオン"…」



マ「へわ?」



ス「いやだからそのネーミングはかなりヤバイと思うんだがな」



イ「じゃーさぁ。鳥さんみたいだからピーちゃんとかふふっ?」



マ「"マリオン号"だよっ!」


「「「え?」」



マ「だからぁ!私みたいにかっこいい……」



光「あーはいはい、んな訳でっ、『異世界転生』本編もかなり盛り上がってるみたいだから宜しくなっ」



マ「へっ?ちょっと…まだネーミングは……」←



    ◆◇



まぁ、本編での原作者様での"ネーミング変更"にも期待しつつ?次回もお楽しみにっ( ̄〜 ̄;)bグッ☆

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