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女王の呪い唄  作者: 西季幽司
第二部「志尊の告解」
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殺人計画③

 意外なところから、誰が香織さんに涼介と天音さんのことを伝えたのか分かった。

 急に人気者になった。美晴との電話を終えて、二階のベランダでぼんやりしていると、今度は新庄温子さんから電話があった。

「準備ができました」と言う。

 俺が頼んだ百万円の準備が出来たのだ。何時でも取りに来て良いと言うことだった。直ぐにでも飛んで行きたかった。

 やつらから一週間の猶予をもらっているが、百万じゃあ、全然、足りない。屋敷にある金目のものを売り払えば、幾らかにはなりそうだ。それで誤魔化すしかない。ああ、それに、健介に五十万を支払わなければならなかった。

「三軒目の店舗に来てください」と温子さんが言う。

 功兄が出資した店舗を見てもらいたいのだ。「実際に見てもらえば、いかに有望な出資なのかよく分かります」と言う。出資金を引き上げてもらいたくないことは勿論だろうが、温子さんのことだ、四店舗目、いや五店舗目を考えているのだ。店舗を拡大してチェーン店化を目指しているのだ。言葉の端々に、遺産を相続したら、もっと出資をして欲しいという思いがにじみ出ていた。

「ところで――」と渚が両親のことを気にしていることを伝えた。

「ああ、涼介さんの浮気の件・・・」と温子さんは既に知っている様子だった。

「ご存じでしたか?」

「ええ。娘から聞きました。結婚前にあったことで、結婚してからは一度も不倫はしていないと涼介さんは言っているみたいです」

 思わず「まさか・・・」と言ってしまった。

「そうですよね。そう言われても信じられませんよね」

 俺は先日、屋敷であった遺言状の公開の席で、刑事から涼介と天音医師の不倫に関する話があったことを伝え、「一体、誰が香織さんに二人の関係を告げ口したのでしょう?」と聞いてみた。

「ああ、それなら、涼介さん自身ですよ。公の席で話が出たので、いずれ香織の耳に入ると思ったのでしょう。他人から聞かされるより、自分から打ち明けた方が良いと判断したのでしょうね。その判断は懸命ですけど、不倫行為自体、懸命な人間のすることじゃありませんからね」

「へえ~涼介さん自身が・・・」

 高田涼介自身が香織さんに打ち明けたのだ。

「渚が心配しているみたいだけど、私が見る限り、あの二人、別れないね」

「そうですか?」

「香織は涼介さんのこと、愛しているから。浮気されて、プライドが傷ついて、すねているだけよ。それに、離婚すると、子供が寂しい思いをすることを、あの子が一番、よく分かっているからね。ふふ」と温子さんが笑った。

 父と温子さんの離婚により、香織さんは寂しい思いをしたのだろう。俺に責任はないが、なんだか悪いことをした気分になった。

 最近、ばたばたしている。一週間の猶予があるし、明日はちょっと休みたいと思い、「明後日、取りに伺います」と約束して電話を切った。

 美晴が心配していた。誰が香織さんに天音医師との関係を話したのか、美晴に教えてあげたかった。流石に、電話をかけるほどの内容ではないので、チャットでメッセージを送信しておいた。

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