漂流30日目 クリームソーダ漂流記 the Final
漂流神サマ…いい加減最後にしようよ?
「理想のクリームソーダ」を求め始めてから、もう1年経つよ!
と に か く !
因縁の天神から南下した住宅街に向かう。
今日ここに晴れて漂流卒業の日を迎えると宣言しよう!
だってほら、数々のメニューを差し置いてこ看板に掲げられているこの御姿。
卒業おめでとーう!
卒業おめ……
(☉。☉)!
……ハイ!?
……おいコラ。
確かお店のお昼の部は「15:30まで」だったよね、グーグル先生?
「オーダーストップが15:00」ならそう言ってくれよ!あと2分!あと2分でご対面出来たのに!
中にはまだお客様がいらっしゃる。無理言えば入れてくれるのでは?と思うけど、ちょっと言い辛い。まさかクリームソーダで「三顧の礼」を取らねばならぬ事になるとは………!
世の中ままならぬことあることは常なれど、ここまでままならないものですかねえ漂流神サマよ!
こちとら今日はヨーメ・チャーンが旅行行っていないから早く帰ってハンバーグ(刻み大葉入り。ウマイぞ!)作らないといけないんだよ!
☆★☆
結局出直し。
まさかまさかの「三顧の礼」。
すごく手間。けどもう今さら引けない。
今日ここでケリをつけさせて貰う!
入店OK!
メニュー確認!
オーダーOK!
あとは作る過程で「沈没」しないかどうか・メニューの通りの形で出てくるかだ!
神よ、もういい加減解放して下さい!
頼みます!
ようやく!
ようやくです!
見よ。このパーフェクトフォルムを!
余計なものなし!
ホイップクリームさえないこの潔さ!
ついでにストローも赤だ!
これ以上カンペキな仕上がりは無い!
ついに試練を乗り越えました!
漂流神よ、クリームソーダの女神たちよ、これでいかがでしょーかっ!?
……でも。
やっぱり理想は、あの子どもの頃、家族で行ったレストランで飲んだクリームソーダ。あのお店の雰囲気の中、家族と話しながら飲んだ記憶には、残念ながら遠く及ばない。もうあのレストランに行くことは叶わない。ネットで外見すら見られなくなってしまった。
でも、いつか子どもや孫とその様な機会が来るのなら、一緒に飲んで新たな理想のクリームソーダを共有したい。
その時は、コソッとこの事を……「クリームソーダ漂流記」の事を語ろうと思う。
きっと笑ってくれるはず。
いや、呆れられるかな?
その時が来るのを、今は楽しみにしておこう。




