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訪問と外出

ふわふわと浮かぶ本に、箒に乗り高い所の本棚を整理している魔導士達を、下から眺め改めて、ここはファンタジーの世界なのだと実感した。


前世の世界ではありえない光景に、なんだか胸がワクワクするのは、昔からこういう類いの話が好きだったからだろう




「相変わらず、ここは魔法でいっぱいだね」


「そうですね、魔塔は特に魔法を使っても疲れない様に、魔力回復のトルマリンが至る所に設置してあるので、疲れないそうなんです」


「へぇ?メイちゃん詳しいね〜!」


「兄が、ここで魔導士をしているので…」


「そうなの?!」



照れ笑いを浮かべるメイちゃんは、相変わらず可愛らしくて、こちらまで癒されてしまう


やはり、前世でもこちらでもこういう女の子がモテるのだろうな、なんて考えていればパタパタと、可愛らしい音を立てて、こちらへやってくるメロウが視界に入った。



「殿下〜!?今日はどうされたんですか?!」


アポもなく、突然魔塔に来たものだからメロウだけじゃなく他の魔導士達もあたふたしている様子を見て、急に来てごめんねといえば、メロウはお出迎えできずにすみません!なんて頭を下げる。



「メロウちゃん、そんなに畏まらないで。私達友人なんだから!」


「!?…殿下ぁ〜!」


年も同い年で、なんなら生徒会も一緒なのだからそんなに他人行儀な扱いはしなくていいのだ

そういえばメロウはうるうると目を潤わせると、嬉しいですと、泣き笑いを浮かべた



「あはは、可愛いね。所でウィスタリア、アメジストはいる?」


「あ、それが今日、隊長は教会の方に視察に行っているんですよ。…多分帰りは夕方になると思いますけど、待たれますか?」



「教会に視察?…うーん。夕方って結構時間かかるね」


魔導士だから、仕事で教会の様子を見に行っているのならば、しょうがない

大体、急に来たのだからウィスタリアの予定と合わないのも当然だ。


「んーじゃあ、今日は帰ろうかなぁ。また来るって伝えておいてくれる?」


「はい、分かりました!またいらして下さいね」


少しだけ残念そうに私を見送るメロウに、ふりふりと手を振れば、彼女は一瞬だけ戸惑ったけれど、すぐに遠慮がちに手を振りかえした





自室に戻り、いつもそばに居るニレがいないのは、何だか寂しいな、なんて思いつつ隣でお茶の準備をするメイに、今日の予定って何かある?と聞けば、手慣れた様にティーカップに紅茶を注ぎながら、何もありませんよと、答えが返ってきた



「んー、じゃあ今日はゆっくり過ごそうかなぁ」


「では、食事は自室でなさいますか?」


「うん、そうする」


とはいったものの、ずっと部屋の中で過ごすのは正直つまらない。

何をしようかと考え、手元の指輪に視線を移せば、性転換の指輪が目に入り、あ、と小さな声を上げた


「やっぱちょっと待った。今日はお忍びで出かけようかな」


「おでかけなさいますか?」


「うん、だけど、そうだなぁ〜。1人で行きたいんだけど、メイちゃん協力してくれる?」



「1人で?!あの、きょ、協力とは…?」


「何がなんでも、この部屋に誰も通さないでほしい」


「そ、そんなの無理ですぅ!殿下が留守中に身分の高い方が来られたら、流石にお断りはできません」


「それじゃあ困るんだよねぇ。…じゃあ、仕方ないこれを見せるしかないか」


大体殿下を1人で街に行かせることなんて、そんなのできません!と目を潤わせながら、言われるとなんだか胸が痛い


だったら変装して行くなら問題はないでしょう?とメイの目の前で性転換の指輪の石を転がせば、すぐに体は、男から女へと変化した


目の前で急に体が縮み、明らかに少女になった私を見て、先程目を潤わせていたメイは、目を見開き固まっていた。


「どう?これに変装してたら誰も、私だって気がつかないでしょ?」


「ど、ど、どういうことですかこれ?!ま、魔法?」


「あぁ、これはニレに作ってもらった魔道具ね、流石にこれなら、ここから出るのに協力してもらえる?」


「…で、でも!それでも、殿下を1人になんて無理です。もし、何かあったら私は…」


「んー…だったら、メイちゃんも一緒にいく?それなら私は1人じゃないし、考えてみたら洋服だって着替えたいし、メイちゃんが協力してくれたら心強いしさ、どうかな?」



考えてみたら、ダボダボの男物の服を着て行くのは明らかにおかしいし、メイも私と一緒に居れば安心するだろう


一応、お互いのためにと、説得すればメイはこくこくと頷くと、待ってて下さいと私に言い残し、すぐに部屋から出ていった


「案外しっかり者なんだよね、あの子」



一体どんな服を持ってくるのか楽しみに、先程メイが入れてくれた紅茶を一口飲むと、やはり甘くて私好みの紅茶に、心が満たされた。





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