第十二話 魔法教室の勇戦戦争
ラズラの家にて――
「マゼル! おはよう!」
なんだ、もう朝か。俺は魔物との戦いで、疲れて床で寝ていたようだ。
「ご飯作ったから! ここに用意してるよ」
そうラズラに言われて机に向かうと今日は食パンとコーンスープのようだ。パンは焦げてもないし、コーンスープもいい黄色だ。
「ありがとう、ラズラ」
俺はラズラの作ってくれた朝飯を食べ、昨日洗濯してくれた服を着る。
「今日も魔法教室行く?」
「ああ、行こうか」
今日は何も予定はないし、ラズラと一緒に魔法教室に行くことになった。
魔法教室の入り口にはまたあのお姉さんがいた。
「マゼルくん、今日はラズラちゃんと一緒なんですね」
別に恋人関係ではないが、そんなこと言われると恥ずかしくなる。
「マゼルと一緒に泊まったんです!」
ラズラ……こんなとこで泊まったこと言うなよって!はぁ、俺は変態扱いじゃねーか。確かに泊まりました。認めます。けどね、言っていいことと言わなくていいことがあるんだよ。
「ラズラちゃん! 新しい友達できてよかったじゃない」
「ありがとう! 先生!」
ラズラは頑張り屋さんだが、こんな一面もある。だが、俺はこんなラズラも可愛いと思ってしまうのだ。
今日は水の魔法を学ぶことになった。昨日学んだ火の魔法でろうそくを灯して、水の魔法で消すと言うものだった。
今日も俺はゆっくり一つずつろうそくを消すが、ラズラは一気にろうそくの火を消す。魔法を使いこなすのは上手いのに、昨日の魔物との戦闘の時に魔法を使わなかったのはなぜなんだろうか。
あっという間に昼食の時間だ。お姉さんは外で買ってきてねと言われたが、金がない。外に出てみると、ステーキ丼、スパゲティ、唐揚げなど美味しいフードはいっぱいあったがここは食べるのを我慢した。
あれ?ラズラがいない。お姉さんにラズラの居場所を聞いてみた。
「ラズラはどこいきましたか?」
「ラズラちゃんは、用事があるからって帰りましたよ」
「そうですか」
本当にどこいったんだろうか。ラズラのことが心配で俺も魔法教室を出て、ラズラの家に行くことにした。
やっぱりラズラがいないとさみしいな。話し相手がいないし、なによりもラズラと話している時が一番楽しい。
俺はラズラの家のインターホンを鳴らした。するとドアが開き、ラズラが出てきた。
「もう! なんで来たの?」
「ラズラが心配で……」
「夜になったらまた来てくれる?」
「ああ、そうか何か用事があるんだな」
「そうなの、本当にごめんね!」
「いいんだよ」
俺はラズラの家を引き返し、マッガを散策することにした。
魔法書を売っているお店はいっぱいあるが、どれも高い。三万円ぐらいのものが最低価格で最高は五十万ぐらいのものもあった。
しかし、魔法書は思っていたより高かった。そりゃ、ウールタウンのときは汚れた魔法書を使わせられた理由もよくわかった。
ちょっと歩けば、すぐ夜だ。俺の身に降りかかる最高の感激をまだ俺は知らない……




