表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
怪盗黒薔薇  作者: 杠葉 湖
第6話 三笠家勉強会
26/45

第6話 三笠家勉強会-2

 三笠家の中に足を踏み入れた百合は、沙絢に促されるまま、階段を上がって二階へと向かう。

 そして、ある部屋の前へと来た。

 その部屋には札がかかっており、かわいらしい文字で部屋の主の名前が書かれている

「さーやの部屋」

 どうやらここが、沙絢の部屋らしい。

「さ、百合ちゃん入って入って」

 沙絢は部屋の戸を開け、中に入る。

 百合も続けた中に入った。

「これが……沙絢ちゃんの部屋……」

 百合は物珍しそうに、部屋の中を見回す。

 ぬいぐるみもなければ、暖色系の装飾でもない。

 代わりにプラモが飾られており、戦車のポスターが貼られている。

 そこには少女らしさのかけらもない部屋であった。

「本当に……ここ、沙絢ちゃんの部屋なんですか?」

「そうだよ」

 百合の素朴な質問に、沙絢は即答する。

「まぁ、みんなから言われるんだけどね。女の子らしくない部屋だって。あ、百合ちゃん、とりあえずそのベッドに座って。今、座布団持ってくるから」

「は、はぁ」

 百合は言われるまま、ベッドに腰掛ける。

「それじゃあ、ちょっと待っててねー」

 沙絢はそのまま戸を閉めて部屋を出て行った。

「……………………」

 しばし静寂の時が流れる。

(静かですね……)

 百合は天井を見上げた。

「……来てよかったのかな……」

 そしてため息をつく。

 もちろん、その原因は同級生の通である。

 通は沙絢の兄、つまりこの家に住んでいるわけである。

 いくら沙絢のためとはいえ、本当にここに来てよかったのか。

 もし通に嫌な顔をされたらどうしよう。

 不安な気持ちが百合の心に渦巻いていく。

(沙絢ちゃん、早く戻ってこないかな……)

 百合は沙絢が出て行った部屋の出入り口を見つめる。

 すると、まるでそれに呼応するかのように戸が開いた。

「あ、沙絢ちゃんお帰りなさい……いっ!?」

 そして絶句する。

 そこに姿を現したのは沙絢ではなく、彼女の兄、通だったのである。

「と、通君!?」

 一方の通も、思いも寄らぬ人物に遭遇したといった感じで、その場で固まった。

「……………………」

 しばらくの間、互いに見つめ合うまま沈黙の時が流れる。

(どどど、どうしよう!!)

 百合の思考は完全にパニックに陥っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ