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代償と夢


いきなり景色が変わった

それと同時に、目の前にあった金色の塔も消えていた

ここは、いったいどこだろう?

風化した建物が並ぶ町並み

これは・・・貧民層(スラム)

路地にはボロボロの布を巻いた、目が異常に光っている人がいる

確か……こうゆうスラムって犯罪率が高いんだっけ?

早く、移動しないと

踏み出した足が、液体を踏んだかのように滑りかけた

慌てて体制を整えて、足元を見下ろす

そこは

赤い液体で濡れてて

僕の意識が残ってたのは、そこまでだった



夢を見る

赤い空

たっている人間

その人間は輝いていた

罅割れた大地

周りにはたくさんのヒトガタ

魔物に追われる日々

どんどん減っていくヒトガタ

魔物と戦う日

武具の進化

さらに減るヒトガタ

子をなした

すぐに死んだ

生き延びる為に集落を作った

周りを柵でかこんだ

しばらくは魔物も撃退できた

子も育った

集落も大きくなっていった

たくさんいるヒトガタの中で

唯一尽きる事ない生命(チカラ)を持つ人間は

確かに幸福を感じていた



だんだんと意識が戻ってくる

ぼんやりと暗闇のなかを進んでいくような感覚

誰かがなにかを話しているのがわかる

頭のほうにはひんやりとした感覚

なぜかそれがとても心地よい

目を開く

灰色の風景

濃淡でしか色を認識できない世界

それが今の僕の世界だった

「色が……ない……」

ひどく掠れた声だ

音が止む

「起きたのか!?気分は!?大丈夫かっ!?」

急いで近寄ってくるなにか

「アモ……ル?」

「ああ、急にぶっ倒れたから心配したぞ。身体中から血が出てたし、凄く心配したんだからな!」

二回も言わなくても大丈夫だよ

そう言いたいけど声が出てこない

ただ、心配そうなアモルの顔を眺めていた

いつもと違って、綺麗な髪も、空を思わすような蒼い瞳も全部色がなかった

そのことを残念に思う

「ガイスト?本当に大丈夫か?なんか気持ち悪い所とかあるか?回復魔術は使っといたけど、身体に異常は?」

本当に心配そうにみてくるアモル

そんなに、酷いのか・・・

「み……ず」

ざらざらと砂を含んだような声でなんとかしゃべる

「水だな!?ちょっとまっとけ」

持って来てもらった木の器に入っている水をゆっくりと飲む

オースが腕を出して身体を支えてくれる

火照った喉を冷たい水が下っていくのがとても心地いい

まるで、命を蝕む焔が雨によって沈められていく

そんな感覚が、僕を満たしていた

ゆっくりと飲んでいたはずなのに、そんな事を考えていたら、すぐに飲み干していた

水を飲んでから、だんだんの手足の感覚が戻ってくる

それと共に、なにかに殴られたかのような鈍い痛みも戻ってくる

じくじくと神経を苛む痛み

全身を襲うその感覚に、だんだんと眠くなってくる

でも、まだ、寝れる状況じゃない

今どんな状況なのかを、把握しないと……

目を瞬く

必死に、寝ようとする意識と戦う

「まあ、まだ万全じゃないんだ、今は寝とけ。アモル」

「ああ」

そういった、オースとアモルの声を最後に、また、夢の中へ落ちって行った



四足の毛虫が必死に走っていた

エサが集まっている

匂いがそれを示している

その発生源に向かって走っていき

飛んできた矢にその頭を貫かれた


集落を作っても魔物は次々とやってきた

数も増え、個体も大きくなってきている

月日が経つたびに増えていく

最初は楽々だった撃退は

今では何人ものヒトガタを失ってなしえるものだった

魔物のしたいは黒い煙を出して

以前に死んだヒトガタが魔物になった

それらを倒し

殺し、殺される日々

短い命がさらに短く消費されていく日々

それを嘆いて

人間は、あるモノを創る事を決めた


硬い身体をもつ蜥蜴は

その本能のままに逃げていた

アレにはかなわない

そう、本能が訴えていた

だから必死に逃げて、逃げて

金の毛が生えた足に踏み殺された


それができてから魔物の襲撃は驚くほど減っていった

今では退屈で幸せな日々が続いている

人間はとても幸せだ

ヒトガタも人になる兆しを見せている

いつまでもこんな日々が、続いていけばいいと思った


槍を振るう

だんだんと、速さをあげていく

一番最初の英雄である彼は

魔物の脅威から人々を守るために

努力をし続けていた


その洞窟の主は

ただただ怠惰に眠っていた

主が集めた宝に囲まれて

周囲には貴金属と宝石類

自らの欲望の結果に囲まれて

安眠をむさぼっていた

主は強く

それを脅かす存在などないと思っていた




目を覚ます

たくさんの、夢をみた

それが、何を意味してるのかなんてわからない

ただ、誰かが経験した命を見せられてるかのような感覚がした

あいからわず、視界には色がなかった

限界以上の魔力を放出してたのだろうから、盲目にならないだけ、ましなのかもしれない

他にも異常があってもおかしくないけど

それにしても、なんで僕はあの男に嫌な感じ

いや、あれは恐怖?

生かしておいたらいけないなんて感じたんだろう?

僕はそんな事を思うような特別な物なんて持ってないのに……

もしかして、ダンジョンとパスがつながった影響?

僕の魔力の色は黒じゃなくて赤だし、

誰か、詳しいひとがいたら違うんだろうけど…

身体はまだ、動かない

それにしても、今はどんな状況なんだ?

「アモル」

昨日よりは滑らかになった声で、僕は長年のパートナーを呼んだ

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