表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/21

首都へ(2)


小鳥が鳴く朝

澄んだ大気と、水の香り

そんな朝に、僕達は、文字どおりに【小鳥】に追われていた

「うわぁあぁああぁああぁああ」

鳥の胴体と翼、牡鹿の頭と足を持った魔物

絶対にこのらへんでは生息しない魔物

渡り鳥のように、飛んで来たのだろうか

その魔物の名前は【ペリュトン】

僕達を追いかけてるのは幼体だからそこまで大きくないけど、成長したら3メートルくらいになる魔物

昨日は川の傍で野宿をしていたんだけど、朝になって水を飲みにきたペリュトンに追いかけられている

最初は影があったのに、すうっと消えて、僕めがけて襲いかかってきた

ペリュトンは影を奪う魔物で、けっこうな力を持っている

魔術などは使わないものの、動きは早く、人間しか襲わない

魔物と会う為に森の中を走っていなかったら、絶対にすぐに捕まって、殺されてた

「オースゥゥ!なんとかなんないの!?あれ!」

「あー・・・騎士団の奴らに教えてもらった剣の使い方って、対人戦の奴なんだよな」

「・・・」

「・・・なんかごめん」

森を走ってると、目の前にガブリンの群れが!

もー無理!

僕はオースを掴む

身体の感覚がなくなり、

身体の動きが一気に変わる

僕じゃあ絶対に抜けられないガブリンの群れを、くるくると身体を駒のように回しながら抜けきる

抜けきるとガクンッと身体が重くなるけど、なんとかスピードを落とさないように走り抜ける

後ろからはガブリンの恐怖の鳴き声となにかがぶつかる音

そして僕の近くにあった木に、激突するガブリン

・・・もう泣いていいですか?

ガブリンの群れは、たいした障害にもならなかったらしい

あと逃げ続けて20分

魔術とオースのおかげで、なんとか逃げ続けてるけど、こうゆうのは後で反動がくる

きっと明日は、少しも動けないんじゃないかな・・・

けどだからと言って、正面から戦ったら、すぐ死ぬ

だから、運がよければペリュトンが見失ってくれるのを祈って、時間稼ぎをする

もう20分も逃げてるから、そろそろな筈だ

「ガイスト!あの木の後ろに!」

オースから指示が飛ぶ

僕もかなり太い木の後ろに、まわりこんだ

一瞬後

後ろから聞こえる衝撃音

そして木が軋む音

ミシミシと嫌な音が聞こえてくる

どうしても、このままだと時間が少しだけ、足りない

だからオース

その少しを、ここで稼ぐ!

オースに身体を任せる

オースは僕の意思を狂いなく受け取り、体制を低くして駆けだす

木に罅が入り、傾いて行く中

僕はペリュトンの足元を駆け抜けた

オースを振り切った状態で

感覚がなくても手がしびれているのがわかる

そのまま後ろも見ずに走る

ペリュトンがガラスを削るような声をあげて僕を追ってくるけど、さっきまでの脅威は感じられない

上手く足の腱を切れたのかも・・・

さっきまでより遅くなったペリュトンから、逃げてきた道を逆行するように、走り続ける

だけど油断はしないで、木々を盾にしながら、走る

気絶してるガブリンも無視して、走り続ける

それでも見失わないペリュトンが、足から黒い血を流しながら、駆けてくる

「ガイスト!準備できた!」

アモルの声のするほうへ全力疾走だ

少しずつ近づくペリュトン

荒い息の音も聞こえる

だけど、もう僕の勝ちだ!

僕は川辺にいたアモルの傍に倒れこんだ

そして発動する転移

僕のすぐ後ろにいたペリュトンを、ダンジョンに飛ばした


「はぁっ、はぁ・・・」

「しかし、こうゆう風にダンジョンに送る方法があるなんてな~」

「私も驚いたぞ、ガイストの説明だと、生かしたまま倒さないといけないんじゃなかったのか?」

「ゴメ、もうっ、無理・・・」

僕はと言うと

今まで体力を持たせていた魔術の反動でぐったりしている

アモルが回復魔術をかけてくれたにも関わらず、くたくただ

「それにしても硬い奴だったなー、めちゃくちゃ手が痺れたぞ」

「お前剣になってんのに感覚とかあんのか?」

「そりゃなー、ガイストの身体を借りてるわけだから

ガイストの魔術で力があがっても、かなりきつかったぞ

だいたいあいつ、ガブリンとか平気で吹き飛ばしてたし」

「ガブリンってゆうと、ゴブリンの下位種族だろ?そんなに強くないんじゃないか?」

「まあ、ほかにも1メートルくらいの太さの木を折ってたしな、そうとう強いんじゃないか?あいつ」

「まあ、運よくダンジョンに送れたからよかったな、それより大丈夫か?ガイスト?」

「・・・」

「しばらく休むか」

「そうだな。あと、あいつはダンジョンに送らなきゃみんなやられてたと思うぞ」

「そんなにだったのか!?」

「ああ」

「・・・」

僕は疲れすぎて、声もだせない

今の僕では捕まえられない魔物を運よくダンジョンに放りこめたけど・・・

そんな事より、生き残れた事の方がうれしい

もう1センチも身体を動かせる気がしないけど・・・

なんとか殺されないですんだ



「それで、なんだったんだ?あの魔物は?」

ここらへんにはガブリン以外の種族が見当たらなかったから、無視してヒェロナの町を目指す事にした

ガブリンはコボルトと違う種だけど、コボルトと同じくらい弱いし、再生力も少ない

だから、放っておこうという考えだ

「ああ、あれはペリュトンっていう魔物だよ・・・多分」

「あ、それ知ってる、なんか人間しか襲わない魔物なんだろ?たしか」

「なんでオースが知ってんだよ」

「それは神父が教えてくれたぞ?」

教会の人に魔物について聞く悪魔・・・シュールだ

「まあ、オースの言うとうりだね、ペリュトンは、完全な意味ではまず死なないって言われてる魔物だよ」

「死なない?」

「ペリュトンは、故郷を離れて弔われなかった旅人の魂が変化してなった魔物らしい

それで、故郷を探してうろつくんだ

剣とかで殺しても、故郷に行くまでは消えないから、時間がたつと復活するって言われてるし、ペリュトンが人を殺して奪った影の故郷にもいかないと消えないから、ペリュトンを殺すには転移で全部の故郷に飛ばしまくるか、浄化するしかないって話だって」

「なんか・・・めんどくさい魔物だな」

「僕たちにとっては好都合だけどね」

「つーことは、あの時の神父はペリュトンを浄化しに行ってたんだな、やけに疲れてたみたいだから気になってたが」

「もとが人間だから、人間かハーフしか襲わないと思うけど、時間が立てばたつほど影が溜まるから、大変になるんじゃないかな」

大きくなると、今回みたいに転移で飛ばすには戦って体力削らないと無理だろからもう会いたくないな

ダンジョンとパスがつながっているおかげで、魔力には困らないけれど、勝てないものは勝てない

それに、魔力が多くても、多い魔力を一気につかう魔術を僕は習得してないし、

夜にはダンジョンの状態を確認してるけど、あれからは1人も侵入者は来てないみたいだ


朝から夕方までは、ひたすらヒェロナの町を目指して歩く。

夕方に野宿の準備をして、オースを使って身体を鍛える

夜は魔物の確認と、睡眠

そんな日々だ

馬で来れたらさっさと行けたんだろうけど、歩きだからけっこう遅くなっている

ヒェロナの町で馬でも買おうかな?




ダンジョンを出て10日目

ガブリンやゴブリンとは遭遇したが、弱い上に、繁殖の速さでコボルトに及ばないという事がわかっていたから、僕とオースの戦いの練習台にするだけで、結局ダンジョンに送らなかった

ペリュトン以外は何もダンジョンに送らないまま、ヒェロナの町についたけど・・・

ヒェロナの町は、僕が思ったより人気が無く、一目見ただけで、違和感が溢れていた






新しい戦力

ペリュトン  亡霊

戦闘力    11


備考 旅人の魂が変化した魔物。未練がなくなると消えるため、聖職者が戦うのがいい

また、殺しても時間が立つと復活する

人以外は襲わず、人を殺して影を奪う

奪った影の未練も吸収されていくため、長生きしてるペリュトンの方が、強く、復活までの時間が短い


ガ「はぁ、はあ・・・」


作「はっ、はっ、ぜぇ、ごふっ」


ガ「なんで、ここに、ペリュトン、が」


作「げほ、ごふっ、おえ」


ぺリュトン「・・・」


作「(死んだふり)」


ぺ「・・・」グシャ(踏み潰す音)


ガ「作者ーーーー!!!!!???」


ぺ「くう~ん」


ガ「へ?」


オ「ああ、ペリュトンは影を奪ったら、影がなくなるまでは人間を襲わないし、おとなしい魔物だからな・・・喧嘩うらないかぎり」


ガ「へぇ~」


ぺ「くうくうく~ん」


ガ「なになに?次回予告?なるほど、一緒にやるか?」


ぺ「(コクコク)」


ガ・ぺ・オ「「「次回、『ヒェロナの町』(くおくおくうく~ん)」」」




作「・・・」


ア「これは・・・完全に死んでるな・・・」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ