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12 ディストピア党に投票しよう
『国民のみなさん、ぜひ、我われ「ディストピア党」に投票してください』
「なんだあれ?」
「政党の広報車だよ」
『我われは、日本を立派なディストピアにすることを公約に掲げます!』
「なに言ってんだ、そんなもんに投票するわけないだろ」
──1か月後
『国民のみなさん、本日より我が「ディストピア党」が政権を取りました』
「うわ、なんだって!?」
「えらいこっちゃ」
「この国はどうなってしまうんだ!?」
──数年後
「生活がどんなことになるかと思ったけど……」
「思ったより変わってないよな」
「それどころか、前より暮らしやすくなってるんじゃないか?」
「そうだな」
「ところで、そろそろまた選挙だよな」
「俺、次もディストピア党に投票するよ」
「僕も」
「私も」
「あ、広報車だ」
『国民のみなさん、次の選挙では、ぜひ我が「ユートピア党」に投票して下さい』
「おい、今度はユートピア党だってよ」
「『ディストピア党』とどっちに投票すればいいんだ?」
「……さあ?」
「どっちだよ?」
「……どっちだよ」
「……わかんねーよ」
(おわり)




