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悪女の針仕事〜そのほころび、見逃しません!〜  作者: 陰陽@4作品商業化(コミカライズ・書籍・有料連載)


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第45話 聖女アイリーン

 親同士が牽制しないよう、当日は令嬢とおつきの侍女のみが参加出来る為、ビーイング侯爵夫人は魔道具の通信具で、娘につけた侍女と現場の状況を聞いていた。


 だが、肝心のフィリップ王子は機嫌が悪かった。本当にミリアムは来ないのか!?と大声で騒いでいる。ふと侍女が周囲を見回すと、ミリアムの姿が見えない。


 他家の侍女にそれとなく話を聞いてみると、断ったと聞いているとのことだった。それもどうやら婚約が決まったからだと。


「奥さま……。ローゼンハイデン公爵令嬢の姿がありません。彼女を貶めて、お嬢さまの印象をよくするようにとのことでしたが、これでは……。そもそも婚約したので参加しないとの噂です。」


「なんですって!?……まさか本当に、ルーパート王国の第一王子と結婚したとでも言うの……!?」


 ビーイング侯爵夫人は、通信具から聞こえる声に、親指の爪をギリギリと噛んだ。

 ユリウス王子の進言もあり、この日フィリップ王子の婚約者は決まらなかった。


 だがビーイング侯爵夫人は、それをミリアムのせいだと思った。ミリアムが来ていれば。彼女をおとしめることが出来ていれば。


 なぜだかミリアムに執着しているフィリップ王子の目を、メリーアンに向けることが出来たのに、と。


 後日、正式にミリアムとランディー王子の婚約が国内外に発表された。そしてミリアムがルーパート王国の王族の血を引く、加護縫いの聖女であることも。


 ミリアムが聖女であることを知ったフィリップ王子は怒りに震えた。聖女であれば、自分にこそふさわしい。


 いつも後ろ盾が必要だと言ってくる王妃さまや大臣たちも、聖女が後ろ盾であれば納得するのに、と。


 その王妃さまが、息子よりも国益を取った結果だとは思いもよらず。

 そして可愛さ余って憎さ百倍。自分を選ばなかったミリアムに対する憎しみが増した。


 ミリアムが婚約者候補から消えたことで、国内で一番力のある貴族の娘を選べなくなった王妃さまは、早々にビーイング侯爵令嬢、メリーアンを婚約者に決めた。


 だが後ろ盾としては弱い。もしも他国から婿入りの打診があった場合は、第二王子ではなく、第三王子のフィリップの婚約を破棄させ、婿に出すと国王陛下は宣言した。


 それを聞いてフィリップは更に激怒した。軽んじられる自分。役に立たない婚約者。そのすべての原因が、ミリアムとランディー王子にあると思っていた。


 そして婚約者であるメリーアンをうとんだ。そもそもミリアムとローゼンハイデン公爵家を陥れようとしたと噂のある、ビーイング侯爵夫人の娘は、自分にふさわしい婚約者ではないと。


 フィリップ王子は外遊に同伴させられた際に、他国の王女に取り入ろうとした。

 その際に皆が興味を示すのは、ルーパート王国の聖女になったミリアムのことだった。


「ローゼンハイデン公爵家は、アンバスター王国の王家の血も引いているのでしょう?」

「え、ええ、まあ……。」


「ルーパート王国と、2つの国の王族の血を引いているなんて、貴族とは言えもっとも王族に近い尊い血ですわね!」


「キルチャック大公が王位についた可能性もあったと伺いましたわ!もしもそうだったら、今頃ミリアム嬢はルーパート王国の王女ですわね!」


「は……ははは……。」

 どこに行っても、ミリアム、ミリアム、ミリアムだ。果てはミリアムの加護縫いの刺繍を手に入れて欲しいというものばかり。


 よりよい国の王女と縁を結ぼうとするも、フィリップ王子は相手にされなかった。

 王女しかいない国も、フィリップを婿に迎えて国王に据えようという国はなかった。


 まず婚約者がいるのだから当たり前のことだが、第一王子ユリウスや、優秀と噂の第二王子エリオットならともかく、わがまま放題と噂のフィリップを、王配、または入り婿として王位につかせたい国はなかった。


 すべてはフィリップ王子が優秀でないからなのだが、フィリップ王子はこれもミリアムのせいだと思った。


 ミリアムさえ自分を選んでいれば。今頃こんなみじめな思いはしなかったのだ、と。

 そんな時、教会で聖女判定された少女が現れた。名前をアイリーン。


 これだ、とフィリップ王子は思った。ミリアムに対抗出来る後ろ盾は、この国の聖女しかいない。聖女さえ手に入れば、こんな風に他国の王族に媚を売る必要もない。


 ユリウスやエリオットを押しのけて、自分が王になることだって可能だ。そもそもアンバスター王国は、その昔、聖女と恋をした王子に領地が与えられて、おこした国である。


 聖女と結婚するということは、王位に最も近くなるということなのだ。

 フィリップ王子はアイリーンについて調べさせた。


 元男爵令嬢で今は平民だが、聖女として選ばれたことで、貴族たちが通う学園に通わされることとなったらしい。その女を手に入れよう。フィリップはそう思った。





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