表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私の妄想天国  作者: お菊
14/14

香水

 最近愚かにも私は、仕事中に興奮する事態に陥っている。

 これはもはや、顔が緩みきって、人に見せられる風貌ではなくなっている始末だ。

 恐ろしくもそのような状態にさせるのは、私のオアシスである、上司たちによるものだ。

 彼らはとても高貴な香りを漂わせて、私を惑わせてくる。

 いや、もはや私だけではない。

 職場全体が、すでにあの上司たちによって魅了されているに違いなかった。

 中でも特に神秘的な香りを放っているのが、四人の課長のうち二人である。

 やんちゃ系スパルタ、つり目の受け&攻め。

 ちょい怖の兄さん、攻めっぽい受け。

 このお二人、とてつもなく、いい香りを放っている。

 ほどよい香水の香りは私の鼻をくすぐり、妄想を掻き立てた。



 先日そんなお二人が、仲良く退社するところを目撃してしまった。

 いつも残業で私よりも遅く退社しているにも関わらず、その日に限って二人一緒に、しかも“仲良く、楽しそうに”オフィスをあとにする。

 私はそんなお二人とすれ違うことに成功した。

 なんともラッキーだ。神の思し召しだ。


「お疲れさまでした」

「おつかれ」

「おう!おつかれっ!」


 おいおい。

 今やんちゃ系課長は、私に手を振らなかっただろうか。

 いや、振った。確実に私に対して手を振ってきた。


 私はそんなことをされても動じない。

 動じてはならない。

 私は冷静さを装ってその場を後にする。

 やんちゃ系課長は少しチャラい。そのため誰にでも気さくにそんな態度をとる。

 だがそれは、特定の人物を困らせることにもなっていた……。



「おつかれさまです」

「おつかれ」

「おう!おつかれっ!」


 課長二人は楽しそうに会話をしながら、車が止めてある地下駐車場へ向かっていた。

 しかし途中からちょい怖課長の様子がおかしくなる。

 機嫌でも損ねたのか、やんちゃ系課長が話しかけても無視し始めた。

「なに、どうしたんだよ。機嫌悪いじゃん」

「別に」

「言わなきゃわかんねーだろ、なんだよ」

「……さっき女性社員に手……振ってた。好きなの?」

「………え、お前、そんなこと気にしてたの?」

「悪いかよ」

 急にちょい怖課長の腕を引いて、自分の車へ押し込むやんちゃ系課長。

 少し乱暴に車へ連れ込まれたちょい怖課長は戸惑う。

「ここまでしないと、わかんない?」

 そう言って、やんちゃ系課長はちょい怖課長を車の中で……。



 私は先に退社したお二人のことで、頭がいっぱいだった。

 けれど残念なことに、私の働くオフィスに地下駐車場は存在しない。

 お二人は近くのパーキングに車を停めているらしく、そこまで歩いていくのだろう。

 そんな人目のつくパーキングでカー◯ックスなど、できるわけもない。

 どちらかの家へ赴いてくれることを祈るばかりではあるが、それを確認できないのは口惜しいものだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ