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【4巻3/10発売】聖女が来るから君を愛することはないと言われたのでお飾り王妃に徹していたら、聖女が5歳?なぜか陛下の態度も変わってません?  作者: 宮之みやこ
第三部

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第161話 ………………ないわよね? ◆――ショコラ

『おうじょアイへ


 ついにここまで たどりついたか ゆうかんなる おうじょよ。

 ゆうきで おそろしき《なべのあくま》をしりぞけ ちえで《はいいろのまじょのなぞなぞ》をときあかした――みごとだ!


 だが しんのしれんは ここからだ。

 さいごのしれん――《てんくうのドラゴン》が おおひろまで きみを まちうけている。


 そのせなかには おうごんのうろこが かがやき くちからは ほのおをはく きょうふの まものだ。

 ひとりでは けっして かてぬあいて。


 ここで きみの パパとママの ちからを かりるのだ。

 みなで ちからを あわせて ドラゴンを たおすことが できれば――。

 きみの めのまえに まちにまった たからものが すがたを あらわすだろう。


 さあ おうじょアイよ。

 さいごの ぼうけんを おそれずにすすみ かぞくのちからを しんじて えいこうの たからを てにいれるのだ!


 ――かいとうエリーデンより』




「ほわぁあ……! ドラゴン!」


 目の前では、ずんだを口の端っこにつけながらおちびが目を輝かせていた。


 ふーん。ドラゴンねぇ。


 あたいもぺろりと口のまわりについたずんだを舐めながら考えた。


 この城でまだ出てきていないのって、誰がいたっけ? ハロルドとリリアンはもう出たし、前聖女と大神官も今目の前にいる。内容からして国王と王妃は同行するっぽいから……あと出ていないのは三侍女と双子騎士よね。双子騎士はさっき後ろにこそこそくっついていたけど、今もいるのかしら?


 ……ん。そういえばドラゴンといえば、あたいの元・主様ことローズ様もいるけど……いやいや、さすがにないわよね? 元・主様がドラゴンになったら、さすがに大広間といえど入りきらないし。


 うん、ないない。

 ………………ないわよね?


「恐ろしいドラゴンに、挑めるかしら?」


 あたいが変な想像に心臓をドキドキさせている横では、魔女が穏やかな声でおちびに話しかけている。


「だいじょうぶ! だって、ママとパパもいるんでしょ! それに、ショコラもいるもんっ!」


 ふんすふんすと鼻息荒くおちびが答えている。


「あら、ショコラも一緒なのね?」

「うん! だってショコラも、かぞくだもん!」


 聞かれて、おちびはためらうことなく答えていた。

 その声を聞いてあたいの耳がぴくぴくと震える。


 ママとパパはともかく……あたいのことも仲間に加えてくれるの? 手紙には三人って書いてあったのに?


 ふ~ん? ふぅ~~~ん?


 その事実に、あたいはちょっと気分がよくなった。


 まぁそんなに言うなら、あたいもがんばってあげなくちゃね? なんてったって、こう見えても聖獣だし?


「ふふふ、そうね。なら勇ましい王女様には、これも授けてあげましょう」


 そう言って魔女が差し出したのは――小さなステッキだった。

 なにこれ?

 先端にでっかいハートがついたピンクのステッキには、キラキラした石やリボンや羽根みたいなのがごてごてついている。


「わぁっ……! まほうのすてっきだあ!」


 しかも目をきらきらさせたおちびが受け取ると、なんとステッキの中央についていた透明な宝石がピカーッと白く光り出したのよ。


「わあ!!! すごい!!! きれい!!!」


 ちょちょちょ。なんなのよこれ。なんかやたら神聖力を感じる強い光が放たれてるんだけど、これあたいうっかり浄化されちゃわない!?


 一瞬後ずさりしかけて、それからあたいははたと気づいた。


 あ、あたい今聖獣だから、大丈夫か。

 何よ、びっくりさせないでちょうだいよね!


「これは白樺でできた魔法のステッキですよ。中央の石には私と大神官がたっぷり力を込めたので、きっとあなたの力になってくれるでしょう。私たちからの誕生日プレゼントですよ」


 ちょっと! やっぱり魔物にとってヤバイ力なんじゃない!

 あ~見ているだけでドキドキしちゃう……。あたいはもう聖獣だから平気だけど、リリアンなんかはこれを直視したらやられちゃうんじゃないの……大丈夫かしら……。一応気を付けるよう言っておかなきゃ……。


「改めてお誕生日おめでとう、王女様。わたくしたちは、これからもずっとあなたを見守っていますからね」


 あたいがビクビクしている横では、魔女と大神官が笑顔でおちびを抱き寄せている。


 ん~まぁ、誕生日プレゼントにしてはなかなかいいセンスしているじゃない?


「おばあちゃんありがとう! ホーのおじいちゃんもありがとう! アイ、これでドラゴンをやっつけてくる!」


 最後にふんすっ! と鼻息を吐きだしたおちびは、そのまま勢いよくダッ! と部屋から飛び出していった。あたいも急いでついていく。


「あっ待って。行く場所はわかってるのかしら……!?」


 後ろで魔女がそんなことを言っていたけど、残念ながらおちびの耳には届いていないみたい。


 確かにあの子、行き先わかってんのかしら?


 タタタっと後ろをついていきながら、あたいも魔女と同じことを考えた。


 まぁでも『大広間』って言ってたもんね? なら、多分あそこよね? 一番広いところに向かって走ればいいのよね?


 ちなみにちらっと後ろを振り返ってみた感じ、今まで柱の影でコソコソとおちびを見守っていた大人たちがいない。


 国王や王妃は手紙で名指しされていたからわかっていたけど、双子騎士の姿も消えている。ってことは、次のドラゴン役に双子騎士は加わっていそうね。


 ――そんなことを考えていたから、あたいは見逃してしまったのよ。


 廊下に、先ほどの花びらとは違う、白い花びらが落ちていたことに。


 けれどおちびもあたいも、それには気づかず、真逆の方向へと走ってしまっていたのだった――。











アラ!!!気づけば明日5歳聖女の小説4巻発売日ですね!?(わざとらしい

みなさま応援のためにご購入いただけるととっても嬉しいです!!!

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■マグコミ様にてコミカライズ連載中■
第1話はこちら
聖女が来るから「君を愛することはない」と言われたのでお飾り王妃に徹していたら、聖女が5歳だったので全力で愛します!!

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聖女が来るから君を愛することはないと言われたのでお飾り王妃に徹していたら、聖女が5歳?なぜか陛下の態度も変わってません?
― 新着の感想 ―
ホートリー、実は凄いのか… ハゲぺちぺちされる役かど思ってたのに
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