表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/38

F-5.奴隷の青田刈り

そういえば青田刈りは青田買いから転用されたらしい。

青い田んぼを刈り取っても得るものは本来無いもんだしね。

今回は生きて入手するのも大変だしそこはスルーしましょうか。




フェルトミア王国内で奴隷商売をしている場所は昼前にボクとハジメで調査済みである。

さあ、高級路線から順番に行きますよー。

そもそもボクは換気口か排水路みたいな通り道さえあれば侵入できる。

中に警備兵がいっぱいいなきゃ防げないってわけ。


(へえ、この世界にもエルフいたんだ)


黒猫で中を徘徊中にエルフ一人発見。流石高級店。

あとは獣人と人間が半々か。

鑑定もしたけど人間は普通っぽいしスルーしましょそうしましょ。

ではエルフと獣人全部は頂きましょうか。

液状になって牢屋に侵入、エルフに絡みついて一気に飲み込む。

君はボクの中で永遠に生きるのさ。

それは本当に幸せで不幸せなこと。

ボクの中にいるハジメもユリもクミもボクを通していつも世界を見ている。

ユリは眠っているかもしれないけれどね。

クミは…落ち着いているといいなあ。


二つ目。

ここには獣人しかいなかった。

獣人フェチなのかな?モフリスト?

やっぱりティターン帝国で負けて捕まった人かな。

まあ全回収しますけど。


三つ目。

今度は逆に人間しかいなかった。

おそらくこの王国の人だろう。

用は無いのでスルー確定。


「まあこんなとこかな、ハジメ」


「そうですね。収穫はありました」


「うん、エルフは収穫だ。魔法使いの知識もあるし個体性能も高い。

 残念ながら記憶は飛んでるなあ。

 出来たら眷属として使いたかったんだが」


「一から育て上げてはいかがでしょう?」


「ハジメ、本気で言ってる?」


「本気でございます」


「そ、そうか…」


まあ、モノは試しか。




次の日、ボク達はフェルトミア王国から出て北の魔族領スーディルに向かう途中にいた。

正確にはコテージを立てて森のそばに住んでいた。

そこでボク(黒兎獣人)、ハジメ(犬獣人)、ユリ(猫獣人)、クミ(兎獣人)の四人が

勢ぞろいしていた。もう次からは()は省略しちゃおう。うん。

しばらくエルフのちょうきょ…教育をするという会議をしていたのだ。

エルフの娘は取り込んだからわかるけど、魔法の使い方とかトイレの仕方、ペンの使い方のような

知識はしっかりと残っていた。

その代わり、自分に関する事、年齢、出身地や名前という記憶の部分が綺麗さっぱり飛んでいた。

見た目から判断すると16くらいなんだけどエルフの年齢って判りづらいんだよね。

一体奴隷になるにあたってどんな経験、どんな処置を受けたのだろう。

まずは二人きりで話をつけよう。




「はじめまして、ミコトだよ」


ボクは椅子に座って、エルフの娘はベッドに座らせている。

エルフの娘はきょとんとした雰囲気。

言葉はわかるっぽいかなあ。


「みーこーと」


「?」


ここは基本の餌付けでしょう。

果物で攻めようかなー。フジりんごにしよう。

りんごの皮むきは、ナイフを固定してりんごを回すのがコツなんだよ。

四つ切にしてあげよう。


「はい、どうぞ」


りんごをあーんしてあげよう。

素直にりんごを食べるエルフの娘。

うーん、名前がないのは面倒だな。


「君の名前はミユだ。いいかな?」


「?」


刷り込みになるが少しずつ覚えさせるしかないかなー。


「ミユ、こっちおいでー」


ベッドの隣に座ってミユを膝に抱えてあげる。

そのままりんごを口にあーんして食べさせる。


「ミユ、おいしい?」


「うん」


おお、しゃべったあ。

この調子でいこう。




その後、りんごをもう一つ食べてお昼寝して夕食たべていちゃついて寝ましたとさ。

食欲も睡眠もしっかりとれて子供っぽいなあ。


ブルーリング族になると食事も睡眠も生殖も不要になり、

食欲睡眠欲性欲のような欲が極端に薄くなってしまう。

でもボク達は食事も睡眠もちゃんととる。(生殖はしてないけど)

何故なら、それをしないと魂が死ぬような本能的な危機感を覚えるからだ。

欲がないのは目的がないようなもの。何も求めないのは魂が死ぬような、そんな気がする。

だからボク達は知識を、データを求めるのかもしれないね。

イエローナイフは情報欲だけで生きているようだった。


三日ほどいちゃついた結果、仲は良くなったけどボクについた名前は”ミコトお母さん”だった。

ボクは男なんだけどなあ。まあボディは兎獣人おんなだったからしょうがないね。

知識自体は残っていたからだいぶ大人的な対応は出来るようになってきた。


「ハジメ、出ておいで」


「はい、こちらに」


ミユが少し警戒している。


「はじめまして、ミユ。私はハジメ。ミコトの最初の息子であり、あなたとは兄妹となります」


「姿、違う、けど…」


「ミユ、あなたならわかるでしょう。見た目は違っても我々は兄妹です」


「うん…うん、わかる」


「これからよろしくお願いしますね、ミユ」


「うん。ハジメもよろしく」


「ハジメは外の警戒を頼む。欲しい獲物がいたら回収して良し。しばし自由行動だ」


「了解」


流石ハジメ、ソツがない対応だ。さて次はユリと引き合わせたいが一日置くべきかな?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ