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俺様、神様、創成主!?~いいえ、人間です~  作者: 慧斗
第3章 そして神様を中心に、世界は変わり始める
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第31話 流れ星に、笑顔を願う

 くぅも帰り、一人になった頃。俺はまた、ドラゴン退治について考えていた。

 エルに聞いた話だと、俺が倒れた後、ドラゴンはどこかへと去ったらしい。原因は不明で、兵も不思議に思いつつも命拾いしたことを喜んだとか。

 まあ、その反応が当然だろう。あのドラゴンは、モンスターの中でもずば抜けている。

 急所はいっさいなし。いや、目を攻撃すればさすがのドラゴンでもやられるかもしれない。でも、その目をドラゴンに見つかる前に正確に攻撃するのは不可能だ。

 もう、完璧にラスボスだと思う。二回もあのドラゴンに襲われて無事だなんて、我ながら悪運が強い。

 ドラゴンが去ったのは、多分くぅとナオの手柄だと思う。……ほとんどはナオだろうけど。

 俺はエルによってすぐに救護所に運ばれ、アランの力で一命を取り留めたらしい。後で、アランにもお礼を言っとかなくちゃな。

 いや、それよりも今は、ドラゴン退治についてだ。

「俺はあのドラゴンを殺したくない。二人が悲しむから。それに、俺たちがドラゴンの巣を壊した非もあるしな」

 エルも、そこは感じているんだろう。


「でも、エルの立場上、ドラゴンを殺さないってのは不可能だ」


 分かってる。ドラゴンはもう何人もの人を殺したことも、俺の考えが甘すぎるのも。

 でも。

 どうしても、あの二人の泣き顔を見たくなかった。嫌われたくなかった。だけど、俺の自分中心の勝手な考えで、ドラゴンを殺さないなんてことは出来るはずもない。


 現実は、無情だ。


 俺が決断すればいい。そうだ。エルだって、俺がドラゴンを殺したくないのを知ってるから、ドラゴン退治に渋ってるんだ。


「くぅ、ナオ、ごめんな……」


 どれだけ悩んだって、答えは一つなんだから。

 窓の外で流れた、流れ星に思わず願う。


「くぅとナオが、笑ってられますように」


 笑っていてくれたら、俺が悪者になろうと構わないから。

 どうか。人間を、嫌わないでほしい。

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