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俺様、神様、創成主!?~いいえ、人間です~  作者: 慧斗
第1章 捕縛、実験、地下牢監禁、そして神様に
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第3話 神様な俺の一日と、エルへの悩み

「うおっ!すっげぇ、めちゃくちゃ豪華じゃねぇか!」


 メイド服の子に案内されたのは、大広間だった。バカでかいテーブルの上に、所狭しと並べられた皿。その上に乗ってるのは、湯気をたてている分厚い肉で……!じゅるり。


「うまそー……」


 よだれが出てくるぜ……。


「どうぞ、創世主様。お好きなものをお好きなだけお食べください」


「良いんですか?」


「ええ、もちろん。これらはすべて、創世主様のために国中のコックが腕によりをかけて作ったものですからな」


 俺のために……。これが、全部……。


「じゃ、じゃあ遠慮なく頂こうかな……」


「はい、もちろんでございます。どうぞ」


 一番近くにあったイスに、そっと座る。なにこれ、ふっかふかなんですけど……。


「い、いただきます……」


「はい。どうぞ、お召し上がりください」


 目の前に用意されていたステーキにかぶりつく。うっめぇ……!今までの腐りかけの食事とは比べ物のもならねぇ……。


「どうぞ、お好きなだけお食べください。おかわりもご用意しておりますから」


 マジかよ……。神様って、こんなに高待遇なのか?

 神様、サイコーだぜ!



 それからは、毎日が天国だった。神様な俺の一日、紹介するな。

 まずは、予言だ。超高級コーヒーを飲みながら、今日一日について予言する。

 次に、朝飯だ。一番最初に行った、あの大広間で食う。今日の朝飯はキャビアと肉、メロンだったかな……?あ、でもキャビアは俺の口には合わない事が判明した。神様になっても、味覚は庶民だからな。つーか、この世界にもキャビアあったんだと思って聞いてみたら、モンスターの卵だとよ。おえぇぇぇぇ……。

 その後は、適当にぶらぶらごろごろしてる。あ、そうだ。昨日はモンスターとの戦いに行ったんだぜ!鷹みたいな奴仕留めて、ほめられた。

 んで、その後に昼飯、晩飯。風呂は、それだけで俺が住んでた家が入りそうなほどデカい温泉。バラを浮かべて。あ、でもこのバラの中にバラ似のモンスターが潜んでて……危うく、死ぬとこだったぜ……。まったく……。

 最後に、寝る。ふっかふかの羽毛(鳥類系モンスターの)で出来たベッドに。

 どうだ?今までとはかけ離れすぎた生活。学校に行かなくていい。一日中、ごろごろしてていい。毎日毎日、夢みたいなご馳走。ほんっとうに、神様サイコーだぜ!

 そんな俺には、一つ悩みがあった。それは、エルについてだ。

 いっつも同じコートを羽織ってるあの女とは、俺が神様になってから一回も会ってない。

 牢屋にいるときは、毎日毎日話したりしてたのに。はぁ……。


「おや、創世主様。なにをため息などついていらっしゃるのですか」


「軍隊長……。実は、エルが……」


 軍隊長に、悩み事を話す。軍隊長は、立派な口ひげを撫でながら聞いてくれた。


「ふむ。なるほど……。よし、分かりました。では、エルをこちらに呼んできましょう」


「お願いします」


 頭を下げる。軍隊長はあわてた様子で頷いた。そんなに頭振ったら血が上るぞ?ってぐらい。


「そっ、創世主様が頭を下げられるなどとは……!私のようなしがない軍の隊長に、そのようなことをしてはいけませぬぞ!」


 軍の隊長はしがなくないと思うんだけどな……。



 それから、しばらく経って。


「失礼します」


 軍隊長が、部屋に入ってきた。その隣には、また黒いコートを着てフードを被ったエル。


「創世主様が、私をお呼びしたと聞きました。それで、なんのご用件でしょうか」


 鳥肌がたつような話し方で、すらすらと喋る。顔作り物みたいに冷たくて、感情の起伏とかが一切無い。まだ俺が神様になる前の、俺と毎日言い争いをして、俺の事モンスター呼ばわりして、感情の変化で表情がころころ変わってた、俺の記憶の中のエルの面差しは欠片も無い。


「エル。創世主様って呼ばなくていい。……名前、教えただろ」


「そのようなお言葉、私にはもったいなさすぎるゆえ、忘れました」


「忘れた……?」


 俺の名前を?たから、って呟いて、変な名前ね、って言って、これからは私の事エルって呼んでね!って言って笑って。なのに。なのに、忘れたぁ?


「嘘つくなぁっ!」


「嘘では、ございません」


「だから、その敬語やめてくれって!」


「私は、目上の方は敬うと決めているので」


 確かに。あのなんちゃら博士とかいうおっさんも、この軍隊長に対しても。絶対に敬語を使って喋っている。でも、そいつらと同列に扱われたくない。俺は、エルのことを同年代の頼りになる友達として扱ってたのに。


「ご用件はそれだけでしょうか。では、失礼いたします」


 一礼して部屋から出ていくエルを、俺はただ呆然と見送るしかなかった。

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