第24話 思い出した悲しい事実
朝になり、童話のような小鳥のさえずりが聞こえてくる。
「お兄ちゃんとじゃないと嫌だっ!」
と喚いたくぅと、
「それだったら僕も外出しません」
と頑固に言うナオをなんとか街に送り出して、俺はベッドに寝そべった。
今日の予言はさっき終わった。『今日は特に大事件もなく、王様の病気も少し回復する』という予言なのか?と疑いたくなるような感じだった。つまり、今日の仕事は終わり。
それにしても、さっきの予言で何か引っかかるものがあった。何だろう。
明日も、特に何も無い。明後日は、救護所の誰かの秘密が暴かれるとかそんな感じ。何の秘密なのか気になるけど、まあ置いといて。
明々後日は……軍の誰かが戦死するんだっけ。平兵士じゃなくて、結構強い人。誰だったっけ、ええと……。
『エレオノーラ、戦死』
突然、そんな言葉が脳裏に浮かんだ。
背筋を氷解が滑り落ちる。冷や汗が止まらない。
俺が覚えていたことが本当なら。
エルが。エレオノーラが。
―――死ぬ。
「やばい……」
何とかして、止めないと。
「エルが明々後日、戦場に行くのを……」
何としてでも、止める。
タイムリミットは、三日間だ。
……とは言ったものの。
「外出禁止令がある限り、なんも出来ねぇよな……」
エルは、普段この王宮にいない。
ここは王様が住んでるところだから王様以外に住んでるのは王様の家族と召使い、そして俺だけだ。エルの家は……どこだっけ?そういや、聞いたことないな……
「まあ、とにかく。誰か、相談できる奴を呼んで……」
作戦を練るんだったら、一応あれでも研究者のリオラを呼んだ方が良いだろうか。あのじいさんって手も……いや、でもなぁ……
「しょうがない。こっそり抜け出してもバレないだろうし」
動きやすくて汚れてもいい服に着替えて、窓枠に手をかける。堂々と出れば、門番の兵にすぐバレるだろうから、窓からこっそり出るしか方法はない。
「よいしょっと」
屋根の上に着地して、そのままそぅっと進む。目指すは、救護所だ。アリシアならきっと秘密を守ってくれるだろうし、何よりもまず、癒された……ごほん。いや、そんな私利私欲にまみれた理由じゃなくて……
なんて心の中で弁明しながら、屋根の上を慎重に走る。
「ほっ、と……うわわわわ!」
何度か落ちそうになりながら、俺は王宮を抜け出した。
人目につかないようにフードを被り、出来るだけ人通りの少ない道を選んで進む。結構遠回りになるけど、仕方ない。




